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不遇の東名高速道路の始まり。
第2東名(名前を新東名という)を通ってきた。
10月半ば、東京地方や東北への出張したが、その帰りに、第2東名をさして通る理由もなかったのだが、話題に乗り遅れないため、初めて走ってきた。
すばらしい道ができている。片側3車線で150キロで一時間ぐらい走ってもどうって事のない道である。
そのように設計されているのだろう。まさしく高速道路の名に恥じないものだ。ややトンネルが多いのが気になったが、それでも140キロぐらいで十分に走れる。
警察も150キロのスピードぐらいでは違反にしないだろう。もしそれでスピード違反を取るなら、道路設計者と、警察の意志疎通ということだ。
サービスエリアも導入線が今まで以上に長くなっている。今時の設計なのだろうが、駐車場から店までが遠く感じたものである。店舗の大きさも今までと同等か、ややこじんまりした印象を受けた。
これで、名古屋東京間も、中国縦貫道路と同じで、同じ地域(中国地方)に同じ目的地(下関から大阪まで)を持った道路が2つできたことになる。
当然、中国縦貫道よりも、山陽道が主力であり、産業の基幹道路でもある。第二東名も同じように、東名が産業の基幹地域を走っている。
第2東名の開通とともに華やかであった東名時代も、たそがれ始めたようだ。新たな不遇の時代が到来することになる。
より近代的、未来的な新東名の設計、デザインが
経済的不合理を一層浮き上がらせることになろう。
経済は同じ地域に同じものを作っても、両方同じように利用されたり、発展することはない。必ず優勝劣敗が生じる。
ましてやデフレ下であり、交通量が増えないところに、道路を余計に一本作ったのである。理由は、地震の時や津波の時の代替えか、海が荒れ通行止めになった時の代替えであろう。老朽もその一因だろう。
しかしそれだけのためにこれだけの莫大な費用を掛けて道を作る必要があったのかははなはだ疑問だ。デフレの時代にそぐわない代物であり、デフレ下で急いで作る必要がないものである。
これまでの東名だけであれば、牧の原、富士川、足柄などのサービスエリアが、どんどん拡張することができ、レストラン、ファストフード店、土産物屋などが、品揃えよく、より高度なサービスを展開できたであろう。
しかも効率のよい設け頭として全国の高速道路網のダントツの地域であったろう。
ここ4、5年の間の大規模化には目を見張る物があった。しかしそのかたわらで、第2東名を作っていたのであれば、馬鹿げた投資と言わざる負えず、経営者の趣味に過ぎなかった分けだ。
わたし自身もこの地域が日本の中でも最も好きな場所だった。出張の度このエリアでゆっくり過ごしたものである。日本が唯一誇れる自動車文化の一地域であったと思う。それもはや過去形になろうとしている。
同じ地域に同じような道路が二つできると、必ずどちらかが選ばれることになる。
足柄サービスエリアのガソリンスタンドで、通行客だいぶ減ったかい、と聞くと、いや、半分以下じゃないかという答えであった。統計を見ていないのではっきり分からないが、3割ぐらいは減っているように思えた。
海老名はまだ巨大な店舗で大丈夫だろう、まだ第2東名がやって来ないからだ。しかし足柄、富士川、牧野原などのサービスエリアは、規模の見直し、テナント料の見直しが必要になるだろう。
出店過剰な、効率の悪いサービスエリアとなり、デフレ下特有の、客の増えない、商品の供給過剰、過剰サービスからコスト高を招くだろう。
それがより多くの種類の店舗を営むことができず、決まり切った少数の店舗だけが、生き残り、楽しみのないサービスエリアと化すのである。
新しくできた第2東名の方のサービスエリアは大丈夫だろうか。
どちらも営業赤字になるケースも考えられる。その選考は、我々消費者が決めることになる。
山陽自動車道と、中国自動車道の関係を見ればその行く末が分かるだろう。
昔、下関から広島まで行った時のことだ。中国縦貫道にはほとんど車が走っていなかった。サービスエリアは休業しているのかと思えるほど閑散としていた。
そのテナントは採算が取れていないだろう。
それでも営業は続けなければならないのだ。もしそのサービスエリアがなければ、陸の孤島となり、遭難車が出るからだ。
まだ中国縦貫道は、山陰があるから、中核道路として機能している部分はある。第2東名はそうはいかない。北側に、人口密集地域はない。
恐らく東名(旧東名)が全線3車線化すると、再び東名の通行量が増え出すのではないか。
第2東名は市街地から遠いため遭難車が出そうである。
逆に第2東名(新東名)が有利になって、東名が赤字になっても、廃線にすることはできないだろう。地域の基幹道路だからだ。
いずれどちらかが優位に立ちどちらかを廃線にしなければならなくなるかもしれない。
そこまでいかなくても、トラックや営業車をだい2東名に誘導したりしながら、やっていこうとするであろう。これでは既に失敗を公言しているようなものである。
私の言いたいことは、デフレ下において、公共投資をどんどんやり、日本強靭化計画などを遂行した暁には(真っ暗闇には)、あちこちに道路や公共施設ができ、インフラがこれでもかと思われるほど過剰に作られることになる。
それが、結局、東名と第2東名ののような問題を引き起こすということだ。第2東名への投資が日本の経済を拡張させたであろうか。そのような声は全く聞かれない。また第2東名の開通が交通量を増やしているとも聞こえて来ない。
第2東名の建設が景気の回復に役だったというは、話はない。
デフレ下の公共投資には、景気浮揚効果はない。多く見積もってもただ出費した分の仕事があるだけだ。100億の公共投資は100億の仕事になるだけだ。
実際は、逆にそれ以外の地域を貧窮化させるため、全体ではもっと少なくなっていよう。
リニアモーターカーと新幹線も同じような経済問題を発生させることになる。だそしてよく似た結末を迎えるだろう。
東京名古屋間が、新幹線、高速道路、飛行機の競争になる。30分の東京名古屋間の移動がどの程度経済効果があるかわからない。
莫大なリニアへの投資が、回収できるかは不明だ。新幹線の乗降客が減れば、採算が取れまい。新幹線の間引きが始まるだろう。
リニアも新幹線もコスト高になり経営効率が悪くなる。
それを利用する車や客が増えない、どころか減って行くことになる。それはデフレ下の公共投資は、景気拡大効果がなく、借金が増えるばかりで、国民負担が増えるため、消費ができなくなり、経済は縮小するからである。
インフラも不必要なものが増え過ぎると、コストばかりが高くなり、利用者が増える分けでもなく、ことさら利便性が上がる分けでもない。あれば便利、ないより増し程度のものが増えるのだ。
利用者や享受者がどんどん増える分けではない、借金が確実に増え、国民の負担分は増加するだろう。それが経済縮小をもたらす。
皮肉なことだが、車が減少し、所得が減っていくのは、資金をものばかり作ることに使っているからだ。それ故、限りある資金が消費に十分回らず、減ってしまうのだ。
デフレ下では、車の利用者のために道路を作ると、その負担に耐えられず、車が減少することになる。
少子化のため、保育所を作っても、余計に子供が減っていくのである。
さてリニアモーターカーが名古屋、東京間で開通するらしい。同じ問題が発生するのは目に見えるだろう。新幹線と両立するとは思えない。共倒れか、どちらかが廃線の憂き目に遭うだろう。
華々しく開通したリニアモーターカーが20年後廃線になっているかもしれない。へんぴな場所を通るリニアなど、地域にとっては意味がない。経済的な利益などないのだ。
地域と密接な結び付きのある新幹線を廃線にすることはできまい。
二兎を追う物は、一兎も得ず。経済の規模を斟酌しない公共投資は赤字を増大させ借金を永久に返せないものにするだけである。増してデフレ下の公共投資に、経済浮揚効果はない。リニアなどは、デフレ下で真っ先にやるような代物ではない。
一言主。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
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