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安倍首相‐「外為特会」断乎奪取を決意した 国民に130兆円の使途を公開へ
http://www.e-themis.net/feature/read1.php
THEMIS 2013年12月号掲載
財務官僚が自己の権益拡大と増税に利用してきた特別会計を今こそ国民の手に!
■見た目は「前向きの改革」だが
財務省が外国為替資金特別会計(外為特会)を含む「特別会計改革関連法案」を突然、今臨時国会に提出してきた。
目玉は約130兆円もの外貨準備を全額政府が運用してきた体制を改め、民間の運用会社や信託銀行などと契約を結び、一部を外部に委託できるようにするというもの。
「民間のノウハウを取り入れ、運用の効率を高める」とのお題目のもとに、根強く批判されてきた「外為特会」の民主化を図る、という。
だが、こんなお題目を正面から信じる国民やメディアは少ない。
「財務省は来年4月から消費税率を3パーセント上げて8パーセントにするのに成功した。 次に'15年10月から2パーセント上げて念願の10パーセントにする予定だが、8パーセントに上げたときより環境は当然、極めて厳しくなる。それを見越しての行政のスリム化という環境づくりが、今回の特会改革関連法案提出の狙いだ。財務官僚は安倍政権に対して、先手を打ったのだ」(金融ジャーナリスト)
しかし、安倍政権が財務官僚の敷いたレールをおとなしく走るとは思えない。 安倍氏は財務官僚の先手を逆手にとって外為特会などの本当の特別会計改革を必ず仕掛けてくる。 財務官僚が外為特会を自分たちの権益拡大のためにいかに利用してきたかを国民の前に曝け出し、安倍政権主導の改革にするのだ。
特会改革関連法案は、外為特会以外にも国民やメディアを意識した個所がある。個別の特別会計で行われている政府事業の見直しだ。
「社会資本整備手当」の廃止、「食料安定供給」「農業共済再保険」「漁船及び漁業共済保険」の3特会の統合、「国債整理基金」の事務費の一般会計への移管、「国民年金勘定」「福祉年金勘定」の統合――である。
肝心の外為特会では、約130兆円の約90パーセントは格付けが高く流動性も大きい米国債などの債券で運用してきた。それを民間の運用会社や投資顧問会社との投資一任契約、信託銀行との信託契約を解禁していく。
さらに法改正後は、銀行に限られた保有債券の貸出先を証券会社にも広げていく。
どれもこれも「前向きの改革」のように映るが、決してそうではない。
■日本だけ巨額な外貨準備保有
小泉政権当時、政策金融改革案を1人でつくり上げる羽目になった元財務官僚の高橋洋一氏は、政策金融機関の再編に政権の強い後押しで成功した。
'08年、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫(商工中金)は株式会社化され、国際協力銀行もその年、日本政策金融公庫の国際部門として統合された。 小泉政権発足の前、日本開発銀行は日本政策投資銀行に統合され、日本輸出入銀行は海外経済協力基金と統合して国際協力銀行になっていた。だが、財務官僚の大切な天下り先としては、ほぼ無傷で機能していた。
それがどこも民営化され、高橋氏は財務省幹部から「三度殺しても足りない」といわれるほど憎まれた。複雑な国の予算システムから「埋蔵金」を掘り出したのは彼だった。 その高橋氏が外為特会の知られざる出鱈目ぶりを告発する。
「もっとも大きな矛盾は、為替相場は市場が決めるという変動相場制を採用している先進国のなかで、日本ほど巨額の外貨準備を保有している国はないことだ。 不思議なことに日本だけは短期国債を発行して(国の借金を増やして)外貨準備を積み上げ、その巨額な残高の一部を天下り先確保などのために金融機関にバラ撒いている、というのが実態だ。 この現状をカモフラージュするために、メディアを使ってもっともらしい理屈をタレ流してきた」
GDP(国内総生産)に占める外貨準備高の比率が、日本だけ異常に高い。イタリア、ドイツ、フランス、イギリスが5〜8パーセントに収まっているのに、日本だけは22パーセント強とOECD(経済協力開発機構)平均の約13パーセント、G7平均の7パーセントをもはるかに上回っている。
その理由として一般に流布されているのが、「日本は外貨準備で米国債を購入し、米政府のファイナンスに協力させられている」だ。
「事実とは違う。ホンネは巨額の外貨準備を駆使して、財務官僚の利権を拡大していきたいからだ。 米国債の全体額からしたら、日本の外貨準備高など大した額ではない」(高橋氏)
ただ、最近は変動相場制の下での外為介入を気にして、外貨準備の運用益で短期国債を発行し、それを「借り替え債」と称して、形式的には為替介入ではないとしている。
外貨準備高は'01年の約4千億ドルが'12年には約9千億ドルに迫り、現在は約1兆ドルを超えてしまった。そのために発行してきた国の借金である短期国債の残高は今年度、約110兆円。二言目には「財政再建」という財務官僚は、自分たちの権益拡大のため密かに国の借金を増やしてきたのだ。三度殺しても足りない。
今回も特会改革関連法案が通ると、証券会社も外為特会の運用にからんで手数料や売買差益で稼げるチャンスが出てくる。大手証券では1社あたり数十億円のビジネスになる。
たとえば、大和証券グループには前日銀副総裁の武藤敏郎氏が大和総研理事長に就いている。 そこにノーパンしゃぶしゃぶでも名前の出た財務官僚の岩下正氏が、ポスト武藤の候補として入ってきた。武藤氏は日銀総裁に転出するとの前提だった。
だが、予定は狂って、岩下氏はこの春、大和ネクスト銀行取締役に就任した。大和総研には、もう1人、元財務省官房審議官の金森俊樹氏が常務理事として天下っている。
大和証券グループは幹部に3人も元財務官僚を抱えることになったのだ。
■政府資産売却話は出てこない
外為特会約130兆円の実際の使われ方が国民に知られるようになれば、当然、存続できなくなる。米国債を購入しなくなっても、米国が反発しないことがわかれば、米国を口実にした財務官僚の脅しも通じなくなる。
安倍政権が外為特会を中心とした特別会計改革の主導権を握るのは、'15年10月からの消費増税(8パーセントから10パーセントへ)の決断がカギになる。安倍政権にとっては、8パーセントに上げるときでもギリギリまで悩んだが、さらに2パーセントアップの10パーセントは認められない。 その方針を貫くためにも、財務省が隠し続けてきた財政赤字の元凶を抉り出すのである。
現在、独立行政法人などへの国からの出資金や貸付金合計は約200兆円に達している。 たとえば財務省所管の独立行政法人国立印刷局は、政府出資金が1千749億円にもなっているが、土地だけでも1千727億円もある。政府資産の多くは、このような固定資産に化けて国民から見え難くなっている。 財務省はそれをいいことにして本格的な政府資産売却の話は一向に出てこない。
財政再建の手法はいくらでもある。ただ国民に知らされていないだけで、安倍氏がそれをオープンにするのだ。
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