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中国激安タブレット席巻
かすむiPad、日本では1万円切る 電子部品市場で存在感
タブレット(多機能携帯端末)市場が拡大している。調査会社ガートナーの予測によると2013年のタブレット世界出荷は前年比5割増の1億8400万台になる見通し。タブレット出荷が伸びる一方で、パソコンは大幅に落ち込んでいる。電子部品市場での存在感はタブレットやスマートフォンがパソコンをしのぐ勢いだ。タブレットの売れ行きの動向が、メモリーや液晶パネルなど主要な電子部品の価格を揺さぶる重要な要素となってきている。
「タブレットの国内普及率は(流行に敏感な先進的消費者層の割合とされる)16%まで到達したとみられる。次の層が購入に動き出すのが待たれる段階に入った」――。調査会社、BCN(東京・千代田)の道越一郎エグゼクティブアナリストは話す。NECが2万円台後半の製品を投入するなど国内メーカー製など商品の品ぞろえも広がり、都内の大型家電量販店で1番目立つ1階の入り口付近がタブレット売り場となるケースも増えてきた。
新興国中心に広がる
店頭には1万円を切る中国製品も並ぶ。ある大手量販店の売り場担当者は「こうした製品は一部で初期不良などもあり、(米アップルなどの)人気製品の方がすすめやすい」と話す。
ただ、世界市場に目を転じれば、成長を支える新興国を中心に日本では知名度の高くない中国メーカーの低価格タブレット(チャイナ・タブレット)が席巻している。
調査会社NPDディスプレイサーチのまとめでは9月のタブレットメーカー別、液晶パネル調達シェアはチャイナ・タブレットが52%と過半を占めた。首位の米アップルでもシェアは2割弱にすぎない。10月以降は新機種「iPad Air」や「iPad mini」の新モデルなどが発売され、再びシェアを回復する可能性が高いものの、2位の韓国サムスン電子と合わせても3割前後にとどまる。3位グループを形成する米アマゾンや台湾エイスース、中国レノボは2強から大きく離れて4%前後。タブレット市場の急成長を支えているのは、チャイナ・タブレットといえる。
ただ、部材メーカーから聞こえてくるのは市場急拡大を歓迎する声ばかりではない。DRAMやNANDフラッシュメモリー、液晶パネルなど主要部材メーカーからは、需給動向の予測が難しくなったとの嘆き節が聞こえてくる。
大手メーカーが大きなシェアを持っていれば、各社の新製品発売のタイミングなど商品政策に合わせて部材の生産や在庫管理を調整できる。しかし、多数のチャイナ・タブレットメーカーが市場の過半を握る環境では市場動向や需給バランスを読み取るのが困難になっているというわけだ。
主要部材の相場を左右
ただでさえ、部材自体の値動きがあるメモリーや液晶パネルといった部材のメーカーにとっては、タブレットの価格変動は死活問題。「一部の中国メーカーは実需の2倍、3倍の発注をかけてくることもありうのみにできない」とNAND大手の担当者は話す。
大手メーカーでは考えられない部材調達手法を使うこともある。通常、タブレットにはスマホと共通のモバイル用DRAMが採用されている。ただ、今年春先まではパソコンに使う汎用DRAMに比べモバイル向けが割高だったため、パソコン用のDRAMを使った中国製タブレットも登場したという。DRAM相場は今年前半、一本調子の上昇を続けていたが、その値上がりの一因としてこうした中国無名メーカー製のタブレット需要が指摘されるほどだった。
ガートナーの予測では2017年までにはタブレット出荷量がパソコンを上回る見通しだ。今後電子部材市場での存在感はより増していきそうだ。
(商品部 佐藤洋輔)
[日経新聞12月1日朝刊P.10]
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