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http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20131201/frn1312010725000-n1.htm
2013.12.01
中国共産党の18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が11月9−12日に開かれ、「経済の持続的な安定成長に向け、市場の役割を重視する改革を進める基本方針」を決定した。
これは習近平政権の施政方針というべきもので、金融規制緩和など経済改革の深化が強調される一方、国有企業中心の体制は維持することや、社会統制強化のために国家安全委員会の新設などにも言及している。
並べられている60の改革項目の中には、「何のために、この会議を開いたのだろうか」と言いたくなるようなシロモノもあるが、これを読むと、習近平政権がかなり管理型の政権だということがわかる。市場重視といいながら中国では依然として賃金を毎年10−15%上げるように当局からお達しがくる。人民が不満を持たないように企業にしわ寄せしているわけだ。賃金を国主導で乱暴に上げながら「市場メカニズムを重視」という。市場とは何か、が分かっていないことを見事に証明している。
改革項目には、弊害が出ている「1人っ子政策」を緩和する方針も遅ればせながら盛り込まれている。
すでに2002年から、夫婦が1人っ子同士の場合などに子供2人を認める例外規定ができているが、今回出てきたのは夫婦のうちの一方が1人っ子の場合も、2人目を産むことを認めるというものだ。
しかし、よくよく考えると、「1人っ子政策」は人口抑制のため、34年前の1979年に導入されたわけだから、現在の34歳以下の人は1人っ子しかいないハズである。
その人たちが結婚する場合、男女どちらも1人っ子政策のときに誕生したのだから、「どちらかが1人っ子だった場合」という理屈がわからない。そもそも、「1人っ子ではない人たちが、なぜいるのか」という話になるではないか。
中国の人口分布を見ると、1人っ子政策で若い層は減ってはいるが、なぜか20−24歳は増えている。「上に政策あれば、下に対策あり」ということか。
都市部では特に1人っ子政策は強化されたが、都市の人で(農村戸籍の人などに金を払って)2人産むということも、当たり前のように横行していた。つくづく不思議な国だと思う。産みたい人は何人でも産んでいい、ということにしても今の中国なら人口爆発は起きないだろう。東アジアでは(女性が一生の間に産む子供の数である)合計特殊出生率がどこも下がり続けており、中国とて例外ではないと思われるからである。
もうひとつ気になるのは、農村戸籍、都市戸籍と二元化されていて公共サービスなどが不平等だった戸籍制度を改革して、都市戸籍取得条件を緩和していることだ。農村からの出稼ぎ労働者たちに、中小の都市部での戸籍取得を認めるようにするというわけだ。これもすでに実質的には20年くらいやってきたことで、そのために百万都市が200を超えるようになっている。
一方、重慶などを見ていると農村を都市に編入し、結果的に農民が都市戸籍を持つようにするだけで、実態が変わるわけではない。これが重要政策といえるのか。ちょっと疑問だ。
中国共産党の3中全会は、貧富の格差や社会問題についての国民の不満を解消する狙いもあったのだが、この程度の内容しか出てこないのかというのが私の正直な印象だ。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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