09. 2013年11月30日 13:08:43
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韓国政府、TPP参加の方向で関心表明…韓中FTA交渉も継続 2013年11月30日10時48分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]韓国が環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する方向で関心を表した。玄オ錫(ヒョン・オソク)経済副総理は29日の対外経済長官会議で、TPP参加への関心を表明し、このために予備2国間協議をすると明らかにした。 TPPとは一種の地域別自由貿易体制。世界貿易機関(WTO)が世界を舞台とする自由貿易機関、自由貿易協定(FTA)が個別国家間の自由貿易協定なら、TPPは米国・カナダ・メキシコが締結した北米自由貿易協定(NAFTA)のように太平洋周辺国間の自由貿易体制をいう。 玄副総理はこの日、「TPPは参加国が増え、さらに弾みがついている」とし「妥結すれば韓国の経済と貿易に大きな影響を及ぼすと予想される」と述べた。玄副総理は「TPPに参加するかどうかを決める前に、交渉に関する情報を収集し、参加の条件について慎重に検討しなければならない」とし「韓国政府がまずTPP参加に対する関心を表明し、既存参加国と予備2国間協議をする必要がある」と述べた。 しかし玄副総理は「関心の表明はTPP参加を前提とするものではない」と慎重な姿勢を見せた。政府はTPP参加国と予備2国間協議、分野別の深層分析、意見聴取の結果などを総合的に検討し、来年上半期中にTPPに参加するかどうかを最終決定する計画だ。 これに先立ち、産業通商資源部は15日、TPPに関する国民世論をまとめるため、TPP推進動向と経済効果、韓国の戦略などに対する得失をテーマにTPP公聴会を開いた。当時、対外経済政策研究院のキム・ヨングィ副研究委員は「TPPに参加する場合、協定の発効から10年後には2.5−2.6ポイントの実質国内総生産(GDP)増加が、不参加なら最大0.19ポイントの実質GDP減少がある」と予想した。 この日、政府がTPP参加に対する関心を積極的に表明し、防空識別圏問題で触発した米中間の対立構図にも影響を及ぼす見込みだ。TPPが事実上、中国の東アジア包括的経済連携(RCEP)と競争中という点を考えれば、韓国政府が米国との関係強化を選択したと映るからだ。中国の一方的な防空識別圏宣言に警告を送り、疎遠になった韓米関係を強化するという布石だ。その代わり韓国政府は中国の懸念を考慮し、韓中FTA交渉を加速することで中国との関係も維持する方針だ。 外交部の関係者は「他の問題より韓国の国益を中心に見る場合、TPPに対する予備探索が必要だというレベルで関心を表明した」とし「複雑な領域内の関係と関連づける必要はない」と述べた。 ◇環太平洋経済連携協定(TPP=Trans−Pacific Partnership)=2015年までのアジア・太平洋地域の関税撤廃と経済統合を目標にニュージーランド・シンガポール・チリ・ブルネイの4カ国が2005年に締結した自由貿易協定で結ばれた協力体制。その後、米国・オーストラリア・日本などが参加を宣言し、2013年4月現在12カ国が交渉に参加している。 ・http://japanese.joins.com/article/899/178899.html?servcode=300§code=300 韓国、事実上のTPP参加宣言 中国主導の経済統合支持から米国主導のTPP参加に方向転換 政府は米国主導で推進されているアジア・太平洋地域の経済統合交渉「環太平洋経済連携協定(TPP)」に参加する意向を明らかにした。産業通商資源部(省に相当)のオ・テヒ通商交渉室長が29日、ソウル・汝矣島の輸出入銀行で開かれた対外経済長官会議後の記者会見で「TPP対応策についてより深く話し合った結果、ヒョン・オソク副首相をはじめとする各長官は TPP参加に伴う利益が国益に合致すると判断、参加について関心を表明することで意見が一致した」と述べた。 TPPに新規に参加する国は、既に参加を表明している12カ国の同意を得るため「関心表明→参加宣言→現交渉中の12参加国の承認→公式交渉参加」という順序で登録手続きを進める。韓国はこの日の「関心表明」で事実上、TPP参加手続きに着手したことになる。政府がこうした決定を下したのは「韓中日自由貿易協定(FTA)」や「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」など中国主導のアジア・太平洋地域経済統合を一方的に支持していた方針から、米中両国間でバランスを取りながら進めていく方向へと転換する考えからだとみられる。米通商代表部(USTR)のウェンディー・カトラー代表補は今年2回も訪韓し、韓国のTPP参加を説得していた。
また今回の「関心表明」は、韓国に先立ち今年3月にTPP交渉参加を宣言した日本をけん制するという目的もある。産業研究院のキム・スドン研究委員は「日本がTPPに参加し、韓国は参加しないということになれば、自動車産業などが打撃を受ける可能性がある。参加しなければ日本をけん制できない」との見方を示した。
崔有植(チェ・ユシク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/30/2013113000512.html 韓国政府「TPP、日本を意識して交渉参加を決定」 関税だけでなく環境や労働なども対象 「韓米日経済同盟」という性格も 中国中心のRCEP参加国が次々とTPPに参加する可能性も 韓国政府は環太平洋連携協定(TPP)について「参加への関心」を公式の場で表明したが、これは米国がアジア・太平洋地域で確立を目指す貿易秩序への参加という意味に解釈することができる。TPPは関税の撤廃はもちろん、知的財産権、環境、労働など経済規範の全般を取り扱う。また韓国にとってはTPP交渉に参加している日本との貿易競争に後れを取れないという計算も作用した。 □高いレベルの経済共同体
現在TPP交渉に参加している12カ国は、貿易規模全体では欧州連合(EU)に匹敵する巨大な経済ブロックだ。かつての地域経済の統合は関税の引き下げ品目数が90%ほどにとどまっていたが、TPPは93−95%にまで高まるとの見方も出ている。
韓国がTPPに参加した場合、韓国企業が参加12カ国に商品を輸出する際、統一された原産地規定によって関税面で恩恵を受けることができる。韓国はすでに米国やEUなどと自由貿易協定(FTA)を締結しているが、FTAごとにルールが異なっているため、それに合わせる企業としては利益よりも費用が掛かってしまうとの声があった。梨花女子大学法学専門大学院の崔源穆(チェ・ウォンモク)教授は「(TPPに参加すれば)数多くの国に輸出を行っている韓国企業が最も多くの果実を手にすることができる。この点がTPP参加の最も大きな利点だ」と指摘する。
□TPP参加国が次々と現れる可能性も
米国のライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は20日、米ジョージタウン大学での講演で「TPP交渉の妥結は(アジアで)最も重要な目標だ」とした上で「TPPを通じて成立した原則は、将来の通商協定の基準になるだろう」と明言した。ライス補佐官はさらに「TPPに参加して利益を分かち合おうとする全ての国々を米国は歓迎する」「これには中国も含まれる」とも述べた。
最終的に韓国が正式に参加を決めた場合、TPPは名実共にアジア太平洋経済統合体の大きな枠組みとなる。韓国は昨年、米国にとって7番目の貿易相手国で、アジアでは中国(2位)、日本(4位)に続く3番目だった。峨山政策研究院のジェームス・キム研究員は「米国政府はTPPをアジア外交の成果にしたいと考えているが、韓国のTPP参加はこの米国政府の方針を後押しする効果をもたらすだろう」との見方を示した。
今後、中国中心の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)とTPPが激しく勢力争いをする状況で韓国がTPPに参加すれば、TPPは米国中心の経済ブロックとしてさらに重みを増すことも予想される。韓国のTPP参加をきっかけに、フィリピン、タイ、インドネシアなどRCEP参加国や台湾など、アジアの他の国々もTPPに参加する「ドミノ倒し現象」が起こる可能性もある。
TPPを「自分たちへの包囲網」として警戒していた中国は、習近平体制発足をきっかけに警戒を緩め、何度か関心を表明してきたが、専門家はこのような雰囲気も今回の韓国の決定に影響を及ぼしたとみている。西江大学国際大学院の許允(ホ・ユン)教授(国際学)は「今年初めの時点で中国は韓国がTPPに関心を示すことについて、非常に敵対的な態度を取るなど神経質な反応を示した」「しかしTPPは日本が交渉に加わることで勢いがついた上、時間がたつにつれ韓国も政治的な観点から最終的に参加せざるを得ないとする見方が広まり始めた」と説明する。
しかし中国がTPPに参加することに関しては、当分は難しい見通しだ。ソウルのある外交筋は中国の動きについて「中国も市場への参加という観点からTPPの必要性を認識しているが、そのルールに負担を感じている」とした上で「脅威というよりも鶏肋(けいろく、さほど役には立たないが捨てるには惜しい、の意)と考えているようだ」と説明した。
対外経済政策研究院地域通商チームのキム・ヨングィ氏は「韓国が米国中心のTPP参加への関心を表明したことで、中国は現在進行中の韓中FTA交渉を急ぐ可能性が高い」と予想した。
パク・スチャン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/30/2013113000511.html 〖社説〗TPP参加、適期は逃したが話し合いに乗り遅れるな 米国が中心となり日本、オーストラリア、シンガポール、ベトナム、メキシコなど12の太平洋周辺国によって交渉が進められている環太平洋連携協定(TPP)について、韓国政府は29日の対外経済閣僚会議で「参加することへの関心」を表明した。この関心表明は交渉への参加を事実上宣言するものといってもいいだろう。TPPはアジア・太平洋地域の主要国が自国の製造業やサービス市場を今よりも高いレベルで開放する、いわゆる自由貿易交渉に他ならない。参加各国は当初、年内妥結を目指していたが、実際は完全合意にまでは至らず、来月の通商閣僚会議で暫定合意を発表するものと予想されている。 米国はこれまで機会があるたびに、韓国に対してTPPへの参加を求めてきたが、韓国政府は明確な回答を避けてきた。韓国としてはすでに米国や欧州連合(EU)と自由貿易協定(FTA)を締結しているため、TPPへの参加を通じて今よりもさらに市場を開放しても、追加で得られるものはさほど多くないと判断したのだ。しかもTPPには米国がアジア太平洋諸国の連携を強めることで「中国包囲網」を形成するという別の側面もある。しかし韓国にとって中国は最大の貿易相手国であり、昨年は対中貿易で535億ドル(約5兆5000億円)の黒字を記録した。
韓国政府によるTPPへの参加決定は、時期的に見れば中国が東シナ海に防空識別圏を一方的に設定し、韓国はもちろん米国や日本などとの対立が鮮明になった直後ということになる。日本は尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権争いが本格化した今年7月からTPP交渉に参加した。日本は農産物市場の開放という政治的なリスクや、金融と労働分野での経済的損失を甘受してでもTPP交渉への参加を決めたが、これは米日同盟を最優先に考慮した結果に他ならない。一方、韓国のTPP参加は、経済全体に占める輸出の割合が非常に高い韓国経済の特性を考慮したやむを得ない決断だ。ただし韓国は米日両国と中国との対立が激しくなった状況でTPPへの参加を決めただけに、政治的な負担が一層大きくなったといえるだろう。そのためTPP問題では中国から無用な誤解を招かないよう、外交面での努力が強く求められるところだ。
韓国がTPPに参加すれば、まずは農畜産物市場を開放しなければならず、また保険や外国為替市場でも開放の幅を今以上に広げなければならない。そのため追加の開放による損失に備える対策が必要だ。
天然資源や技術のない韓国は、開放政策を通じて輸出市場を確保し、これによって先進国の資金や技術を取り入れることで経済を成長させてきた。韓国経済が今の低成長から抜け出し、再び成長軌道に乗るためには、国の外で市場を確保し、海外の技術や資源を取り入れてさらに付加価値の高い商品とサービスを生み出していかねばならない。そのためにも韓国は世界の新たな通商秩序構築に向けたTPPの話し合いに、何としても加わらなければならないのだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/30/2013113000508.html |