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中東欧諸国の会議に出席した李首相は、日本からの技術移転である車両を含めた高速鉄道やインフラの商談に精を出した。
転載する記事の考え方はまっとうである。中国が一人当たり6千ドル強のGDP水準から先進国レベルの2万ドル水準に到達するためには、モノを造り輸出する段階から、モノを造るための機械設備や高度なインフラ設備を輸出する段階への飛躍が不可欠である。
そして、このような中国の戦略的動向は、日本にとって、現代的な産業政策が緊要な課題であることを意味する。
善し悪しはともかく、世界レベルで見れば、10億から15億人がモダンな生活を営んでいるだけで、残る55億人から60億人はモダンな生活を夢見ている状況だから、日本は、アメリカやドイツと棲み分けをしてきたように、中国ともしばらくは棲み分けができるだろう。
しかし、中国は人口が13億人を超える破格の国家であり、日本は、イノベーションを怠ったり中国(人)を軽んじる意識に取り憑かれたままであれば、は経済的成長を維持する道が閉ざされることになりかねない。
日本は、世界に向けて輸出できる高級消費財・コア中間財・ハイテク製造装置の開発と生産の増強をこれまで以上に努めなければならない。
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「メイド・イン・チャイナ時代」から「中国の設備時代」へ
「中国の設備の海外進出、特に新興国との協力の強化は、相手国のインフラのモデルチェンジとアップグレードにとって助けとなり、中国の過剰生産能力の消化、装備の質とサービス水準の向上にもプラスであり、双方や多くの国に幸福をもたらし、中国・EU協力のみならず世界にとってもプラスだ」。李総理は25日(現地時間)にルーマニアに到着すると、直ちに多忙な外交日程をこなし、休む間もなく中国の設備を「売り込み」、ハンガリー・セルビア鉄道の建設で協力することを発表した。
国家行政学院経済学部副主任の董小君教授は人民網の単独インタビューに「設備製造業を『製造業大国』から『製造業強国』への転換の突破口とすることには、現実的な戦略的意義がある。『メイド・イン・チャイナ時代』から『中国の設備時代』へと進むに伴い、グローバル・バリューチェーンにおけるメイド・イン・チャイナの地位は『スマイルカーブ』の両端で高まりつつある」と指摘した。
■グローバル・バリューチェーンは「諸刃の剣」
董氏は「過去30年間の中国経済の急成長はグローバル産業チェーン、グローバル・バリューチェーンのおかげだ。だがグローバル・バリューチェーンは『両刃の剣』でもある。中国はグローバル・バリューチェーンによって生産製造システムが形作られ、貧困と立ち後れから脱した。その一方で、グローバル・バリューチェーンのローエンドに長年居続ければ、『中所得国の罠』に陥る。グローバル・バリューチェーンにおける中国産業の現在の地位は『前に狼、後ろに虎』で、両面から挟み撃ちにされていると言える。中国の輸出が雑貨製造のイメージから抜け出すには、バリューチェーンのローエンドから出て行き、ハイエンド製造業主導の産業構造を全面的に構築しなければならない」と指摘。
「では、雇用圧力を抱える中国のような大国は、どうすれば産業の高度化を実現するとともに雇用圧力を解決できるのか?中国製造業にとっては革靴や靴下も、飛行機やロケットも製造できるのが、より理想的な状態だ。これは何によって製造するのか。もちろん設備だ」と述べた。
設備製造業はその国の戦略的産業・工業の台頭の目安であり、製造業の土台の競争力であり、コア・コンピタンスだ。設備製造業は現代産業システムの背骨であり、他の産業との関連度が高く、先導性が強く、雇用を多く創出する、エネルギー・資源節約型の、高付加価値産業だ。設備製造業を「製造業大国」から「製造業強国」への転換の突破口とすることには、現実的な戦略的意義がある。
海外進出は中国の装備製造業が「大」から「強」へと移行するうえで必ず通らなければならない道だ。董氏は「現在、中国の設備製造業は2つの大きな問題に直面している。1つはハイエンド製品の研究開発力の弱さ、もう1つはミドルレンジ、ローエンド製品の過剰生産能力だ。両問題はいずれも海外開拓によって解決することができる。海外開拓はハイエンド路線でも、ローエンド路線でも可能だ」と述べた。
■ハイエンド路線:技術、ブランド、販売網を獲得
「ハイエンド路線とは、欧米先進国志向の開拓によって、技術、ブランド、販売網を獲得することだ」と董氏は指摘。現在、欧米など工業先進国では設備製造業が製造業全体の40%以上を占めている。世界の有名設備ブランドは米国、独、イタリア、フィンランドなどに集中し、製造業のコア技術を掌握しており、業界の主導者だ。
「欧米諸国の良質の資産は中国の設備製造企業の主要買収目標となっている」。董氏は「デロイトの最新報告によると、2012年第1-3四半期、中国製造業の海外M&A総額の45%を設備製造業が占めた。その主要目標国が米国とドイツだ。2001年-2012年上半期までに中国は米国で8件、ドイツで19件のM&Aを行った」と説明した。
■ローエンド路線:設備製造業の過剰生産能力を消化
「ローエンド路線とは、発展途上国志向の開拓で、産業の国際移転を通じて、『比較劣位産業』を途上国に移転することによって、設備製造業の過剰生産能力を消化することだ」と董氏は指摘。近年、中国の設備製造業は過剰生産能力による競争激化現象が際立っている。自動車業界であれ、建設機械業界であれ、すでに過剰競争が少なからず見られ、中国の機械設備製造業全体の健全な発展に深刻な影響を与えている。産業の国際移転を通じて過剰生産能力を消化することは、先進国共通の法則だ。
「現段階で中国が設備製造業の過剰生産能力を消化するカギは、現有の莫大な生産能力に見合った需要を見いだすことにある」。董氏は「アフリカや中南米は中国の建設機械、精密工作機械、電力設備への相当大きな需要がある。例えばブラジルは2014年にサッカー・ワールドカップ、2016年にオリンピックを控えており、建設機械の需要が伸びる。中国の設備と技術は現地の経済構造と技術水準にも適応しており、比較優位にある。こうした新興市場に対する投資を増やすことは、国内の過剰生産能力の移転と貿易障壁回避の有効な道であると同時に、国家発展戦略にも合致する」と述べた。
■メイド・イン・チャイナは「スマイルカーブ」化へ
経済学には有名な「スマイルカーブ理論」がある。産業の付加価値の高い部分は「スマイルカーブ」の両端にある。1つは研究開発と知的財産権、もう1つはブランドとサービスであり、その間の付加価値の最も低い部分が製造だ。長年中国企業はコア技術と知的財産権を欠くためにグローバル・バリューチェンにおいて次第にグローバル企業のOEM工場などになり、「メイド・イン・チャイナ」はほぼ安価な製品の代名詞となった。
董氏は「現在世界の設備製造業は低迷しており、中国の設備にとっては台頭の絶好の機会だ。中国製造業の海外開拓はすでに設備製造業が先導する新たな段階に入ったと言える」と指摘した。
統計によると2013年第1四半期に中国の機械・輸送設備輸出額は2477億4900万ドルに達した。過去の統計に照らすと、2013年の機械・輸送設備輸出額は初めて1兆ドルの大台を突破すると見られる。「メイド・イン・チャイナ時代」から「中国の設備時代」へと進むに伴い、グローバル・バリューチェーンにおけるメイド・イン・チャイナの地位は『スマイルカーブ』の両端で高まりつつある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月29日
http://j.people.com.cn/94476/206575/8470039.html
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