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データ:日銀、www.chika−date.com
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131129/ecn1311290730001-n1.htm
2013.11.29 「お金」は知っている
「15年デフレ」で日本人は貧しくなったのだろうか。国内総生産(GDP)は約1割、50兆円も減った。生産はすなわち所得だから、生産から収入を得る勤労所得者の多くは貧しくなっている。ところが、家計の金融資産は約22%、285兆円増、このうち現預金は152兆円に上る。
家計の生産活動から創出されるカネが国内の消費や設備投資用に回らない。
景気をよくする答えは、はっきりしている。銀行が企業や個人に融資し、ビジネス活動を大いに後押しすればよい。アベノミクスで株価が上がって、家計の金融資産が増加しても、金融資産がおカネとなって生産部門に流れ込まないと、経済は再生しない。「異次元緩和」と称して日銀がいくらお札を刷っても、銀行が融資を増やさないことには、何も始まらない。
拙論について、「リフレ派」と呼ばれるエコノミスト、学者の方々は大して関心を示さない。米連邦準備制度理事会(FRB)流の量的緩和で、株など金融資産価格とインフレ率を引き上げることが先決で、銀行の融資増はそのあと2、3年後だ、と割り切っているようだ。
しかし、このままだと、日銀緩和は民間銀行の金庫をカネでいっぱいにしても、実体経済(われわれが暮らす経済)を担う現役世代の家計を潤すことがないだろう。銀行融資残高は日本の場合、GDP比で9割近くを占めるが米国の場合40数%に過ぎない。証券市場からの資金調達が主力である米国では、株価が上がれば企業の設備投資が増える。家計は株式中心に金融資産を運用しているので、株高は消費を刺激する。現預金中心の日本は銀行融資を増やす方向に誘導しないことには、アベノミクス効果は弱いし、時間もかかるのだ。
打開策は、融資増に渋る銀行に対して、マイナスの政策金利を適用することだ。日銀は民間銀行が日銀当座預金口座に止め置く超過準備預金に0・1%の金利を払っている。超過準備は約80兆円に上るが、日銀は銀行界に年間800億円も補助している。マイナス金利とは、逆に日銀が民間銀行から当座預金金利を徴収することだ。
もちろん、銀行が融資しやすくする条件を整備することも必要だ。その決め手は不動産価格である。グラフはデフレが始まった1998年以降の地価と銀行預貸率(預金に対する貸し出しの比率)の推移である。日本の地価は91年をピークに急落。つまり不動産バブルが崩壊し、98年には3分の1の水準に落ち込んだ。その後も下落基調は続いたが、2006年から08年にかけて底を打って大きく反転した。
ところが、08年9月のリーマン・ショックを受けて再び下落に転じた。預貸率は地価下落とともに下がり、地価の反転とともに下落に歯止めがかかることが読みとれる。
日銀は、不動産投資信託の購入を大幅に拡大すべきだ。政府も規制緩和で住宅市場を後押しすべきなのだ。(産経新聞特別記者・編集委員・田村秀男)
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