01. 2013年11月25日 18:29:04
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MARKETBEAT2013年 11月 25日 12:49 JST やけどした空売り筋は調整By GREGORY ZUCKERMAN 米株式は過去最高水準にある。ツイッターからリンクトイン、フェイスブックまでテクノロジー株は上昇している。上昇局面が続くかどうか疑問視していた個人投資家も今は資金を投入している。 [image] Bloomberg News キニコス・アソシエーツのジェームズ・チャノス氏 歯ぎしりをしているのは、株価が上昇するよりも下落する方に賭けることをなりわいにしている空売り筋だけだ。ヘッジファンドの動きを追っているHFRによると、空売りヘッジファンドは年初から10月までに15%近く落ち込んだ。 先週も、これらのヘッジファンドや株価上昇に懐疑的な気難しい投資家にとって惨めなものとなった。ダウ工業株30種平均は7週連続で上伸し、週末22日は1万6064.77ドルで引けた。S&P総合500株価指数は初めて1800を超えて越週した。 今株式に投資しようとしない投資家はほとんどいない。キニコス・アソシエーツのジェームズ・チャノス氏は、主にショートポジションを作るヘッジファンドを担当しているが、HFRによると、こうした企業はほかに24社あるだけだ。これらの空売りファンドの運用資金は約63億ドル(6380億円)にとどまっている。2008年のピーク時には78億ドルあった。 しかし、全般的な投資戦略の一環として空売りをする投資家は増えている。株式に投資する「ロング・ショート」ヘッジファンドは3700近くあり、資金総額は6860億ドルに上る。最近、これらのトレーダーは、市場の上昇が続いている間にリターンを絞り出すため、あるいは単に続けるためだけに、その戦略を大きく調整しなければならなくなった。 ペナント・キャピタル・マネジメントを運営するアラン・フォーニア氏は「ショートサイドに大きな痛みがあるのは明白で、人々は個々の銘柄を空売りするのを断念している」と話した。同社の資金は65億ドルで、株を買って空売りして、今年これまでにリターンは10%以上になった。同社の利益は、売上高面で圧迫を受けているブラックベリーと、保有土地の価値をめぐる空売り筋と争っている不動産デベロッパー、セント・ジョーの株式の空売りで得られた。 フォーニア氏は「空売り専門のファンドは店じまいし、他のファンドはロング専門になり始めている」と話した。ロング専門は株を買うがショートにはしない。 一部の弱気の投資家は、ポジションがネガティブになると、損失を最低限にとどめるために、いつもより早くショートポジションから抜け出ようとしている。他の弱気の投資家は、株価上昇が続いた場合の一段の打撃を回避するために、市場全体の流れと逆の投資を減らしつつある。中には、その企業がトラブルに陥ると見込んで、空売りを続ける投資家もいる。しかし、その他の投資家は、新興国の株式の空売りや米国市場の一部の弱い部分への投資へとシフとしている。 いずれにせよ、これらの投資家は傷をなめているのだ。ヘッジファンド、シーブリーズ・パートナーズ・マネジメントを運営するダグラス・カス氏は「これまでのところ、強気市場で弱気になるというのはばかげており、利益に対するヘッジということになる」と述べた。同ファンドは市場の流れと逆に賭けている。 ペナントのフォーニア氏は最近、市場の流れの逆に賭ける際に先物、オプション、その他の商品を使うのを避けている。同氏は今年6月、これらの商品を少しばかり使ったが、市場の力強さが続くと見てやめた。 一部の懐疑論者は、先行きが良い方向に転じる徴候が見られるとしている。彼らは電気自動車メーカー、テスラ・モーターズが10月初めから37%下落したのは、利益に比べて過大評価されてきた一部の銘柄がやっと下がり始めた兆しだと指摘している。 しかし、空売りの比率を適正にしている他のマネーマネジャーは、債券の低利回りが続き、実質的なゼロ金利を長期的に維持すると米連邦準備制度理事会(FRB)が約束する中で、市場は今後数カ月は上伸する可能性があると述べている。 運用資金30億ドルで、今年のリターンが18%になっているパスポート・キャピタルのジョン・バーバンク氏は、「バブル」状態にある社債と国債に比べて米国株式は高くなっていないとし、米企業は投資家の圧力もあって、資本の配分と投資家還元でこれまでよりいい仕事をしていると語った。 これがバーバンク氏が新興国株式に投資しない理由の一つだ。同株式はこの1年間、貧弱な動きを示している。パスポートは、新興国企業がトラブルを抱えると成績が上がる上場投資信託(ETF)に投資している。また、中国やその他の新興国の景気が減速すると下落する可能性のある金属、鉄鋼などの銘柄をショートにしている。 バーバンク氏は、新興のテクノロジー企業によって打撃を受ける可能性のある「旧来型テクノロジー企業」を空売りしている。同氏は、IBMやシスコ・システムズ、ヒューレット・パッカード(HP)といった企業は脆弱だと見ているのだ。 パスポートの全般的なポートフォリオは株価上昇で利益を得られるようになっているが、同氏は一部のショートポジションも手放さないでいる。これらのヘッジは、ボラティリティーが高まれば価値が上昇するとされる投資がそうであるように、市場が上昇する中でより安価になっている。ただ、同氏は銀行がかつてのように市場で大きな役割を演じていないことを懸念しており、市場が悪材料に見舞われれば、続いて突然の大幅下落が起こる恐れがあると見ている。 多くの弱気筋はまだあきらめていないとし、FRBが量的緩和策の縮小を始めれば市場は大幅な修正に向かうと述べている。多くのエコノミストやアナリストは来年にはこれが始まるとの見方だ。しかし、キニコスのチャノス氏は、今のところは空売りは面白くないとしている。ただ、それでも同氏は自分の戦略にしがみつこうとしており、「われわれはいつものように、下落するだろう株式を空売りしようとしている。これは少しばかり難しいことだが」と話している。 |