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財務省が語らない「借金」問題
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37563
2013年11月24日(日) ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
財務省の最新の発表によると、「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」が1011兆円を突破した。メディアは「国の借金」が過去最大額になったと騒ぎ立てている。しかし、実はこれ以外にも政府からは様々な種類の「国の借金」が発表されていることはあまり注目されていない。
「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」は、財務省理財局が公表している数字だが、同じ財務省主計局からは「国及び地方の長期債務残高」、内閣府からは「国と地方の公債等残高」、「一般政府総債務」が公表されている。
'12年3月末の実績数字はそれぞれ960兆円、895兆円、850兆円、1097兆円と数字も違っている。それぞれがバラバラな定義になっているためだ。
たとえば財務省理財局発表の数字は、普通国債670兆円、財投債111兆円、借入金等62兆円、政府短期証券117兆円を合計して960兆円となる。一方で主計局の数字は、普通国債670兆円、借入金等25兆円、地方債務200兆円の合計で895兆円だ。
理財局は、財投債や政府短期証券をカウントし、地方債務はカウントしていない。主計局は、財投債や政府短期証券をカウントせず、地方債務をカウントする。借入金等の数値は理財局が主計局より大きいが、主計局はその差の多くを地方債務とカウントしている。
いずれにしても、普通国債はわかるとして、財投債、借入金、政府短期証券はあまり聞いたことがないという人も多いだろう。政府はそれらをどのように使い分けているのか。
財投債は、政府系金融機関や特殊法人などへ資金を流すための調達方法で、見かけ上は普通国債と全く区別がない。
借入金は、各省の特別会計が財務省から借りたりするときに使われる。この多くは、総務省の交付税特別会計が財務省や民間金融機関から借り入れたもの。交付税特別会計自体が地方へ資金を流すためのものなので、主計局ではその特別会計の借金は地方の借金と考えて、地方債務に計上している。
ただし、借入金の大半は、政府が政府から借りているので、夫婦の貸し借りみたいに、国民との関係で言えば借金とはいえない。
政府短期証券は、外為資金に化けている。政府短期証券で調達した資金を外債投資しているのだ。借金して財テクしているようなものだ。一応名目は為替介入といっているが、変動相場制の先進国で、日本ほど多くの外為資金がある国はない。これは金融機関向けの「公共事業」といわれているが、こんな不透明な借金は早くやめた方がいい。この財テクをやめるだけで、国の借金は117兆円も少なくなる。
では、われわれは国の借金を知るのになにを見るのが賢明なのかといえば、国のバランスシートの負債総額を見ればよい。バランスシート上では、普通国債総額が負債計上されず普通国債のうち国の所有分は差し引かれ、借入金も国からのものは控除され民間からのものだけしか計上されない。その一方で、財投債も政府短期証券も、さらにそのほかの債務も包括的にすべて計上されるからだ。
'12年3月末の国の負債合計は1088兆円。ならば、財務省はこのバランスシートの負債合計を発表すればいい。しかし、バランスシート上には負債合計とともに資産合計も出てくる。資産は629兆円。その中身は天下り先への貸付金や出資金なので、財務省はこれを大っぴらには言いたくないのだろう。
『週刊現代』2013年11月30日号より
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