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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131121-00010005-bjournal-bus_all
Business Journal 11月21日(木)18時30分配信
保険は不測の事態に備えて加入するものだが、あれもこれもと特約をつけていくと月々の保険料がけっこうかさむものである。そのせいか、「掛け捨てはもったいない」と考える人は少なくないようだ。
確かに掛け捨ての場合、平穏無事に過ごせれば戻ってくるものはない。そのため、積立型のほうが魅力的に見えるのだろうが、よくよく理解して入らないと痛い目を見ることになる。とりわけ注意が必要なのが「アカウント型保険」だ。
このアカウント型の商品には、「ライフアカウントL.A.」(明治安田生命)、「ライブワン」(住友生命)などがある。
アカウント型保険は、保障と積立(アカウント部分)の2段構造になっている。毎月の保険料が、それぞれに振り分けられる仕組みだ。アカウント部分に積み立てられたお金は、保障の見直しに充ててもいいが、引き出して旅行や養育費など好きなように使えるのが特徴である。
保障がありお金も貯まる、自由に引き出して使える、ということで、アカウント型保険はいいことづくめに思えるかもしれない。ところが、専門家が常にワースト1に挙げるほど、とんでもないシロモノなのだ。
●積立が、ほとんど増えていかない仕組み
アカウント型保険は、正式には「利率変動型積立終身保険」という。この名称は一見すると終身保険のようだが、実は終身保険ではない。更新型の定期保険と積立を組み合わせたもので、保険料払込期間が終わったあとに終身保険を購入する権利があるというだけである。
では、アカウント型保険の実態とは、どういうものなのだろうか。主契約はアカウント部分で、医療保障や死亡保障など、保障に関する部分はすべて特約。期限が来れば更新しなければならず、そのたびに保険料は上がっていく。値上がりした分をアカウント部分から充てることも可能なので、実際にはそれほど負担が大きくはならないことも多い。だが、確実に積立は減っていくのである。
しかも、この積立がクセモノだ。仮に1万5000円の保険料を払ったとしても大半が保障部分に回ってしまい、積立はせいぜい1000円余りといった具合なのだ。将来のために貯蓄をと思っても、とてもアテにはできないことがわかるだろう。
保険料の払い込みが終了すれば、その時点で一切の保障もなくなる。医師の診査がなくても終身保険に加入できる権利だけは持っているとはいえ、新たに購入しなければならない。この時、積立金を利用することはできるのだが、実際に貯まっているお金は微々たるもの。さらに高額な保険料を支払わなくては、終身保険には加入できないのだ。
オイシイ部分ばかりに気を取られてしまうが、素人が手を出すには複雑すぎるのがアカウント型保険。どんなに誘われても加入しないほうが賢明だ。必要最低限の保険に掛け捨てで入り、残りを自分で貯蓄したり運用したほうが、ずっとメリットは大きいといえるだろう。
長尾義弘/フィナンシャル・プランナー
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