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2013/11/18 晴耕雨読
農業情報研究所:2013年11月16日
米国EPA バイオ燃料使用目標削減を提案 トウモロコシ相場下落 飼料米助成の日本との摩擦も必定? から転載します。
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/energy/news/13111601.htm
米国環境保護庁(EPA)が15日、2014年の再生可能燃料基準(RFS)、すなわち使用が義務付けられるバイオ燃料の量について、EPAが予告していた通り(米EPA バイオ燃料の義務的使用目標を初めて切り下げへ 市場に柔軟に対応と,13.8.7)、また大方の予想通り、RFSについて定める2007年エネルギー独立安全保障法(EISA)が成立して以来初めての削減を提案した。提案されたRFSは2007年法が定める181億5000万ガロンを16%も下回る152億1000万ガロンで、前年(2013年)の165億5000万ガロンをも下回る。
エタノール(大部分はトウモロコシ原料)はガソリンに10%をブレンドしたE10燃料として使われるだけである。EPAは15%ブレンドのE15の使用も大半の車では安全と認めているが、消費者もガソリンスタンドも、エンジン損傷を恐れて買わないし、売らない。従って、エタノール市場はガソリン消費量の10%を超えられない(ブレンド・ウォール)。他方、ガソリン消費量は車の燃費向上やライト・トラックの普及で2008年をピークに減りつつある。エタノール利用は減りこそすれ、増えることはない。EPAも、ついにこの市場の現実を認めざるを得なかったということだ。
EPA Proposes 2014 Renewable Fuel Standards / Proposal Seeks Input to Address “E10 Blend Wall,” Reaffirms Commitment to Biofuels,EPA,13.11.15
提案は大豆を原料とするバイオディーゼルやサトウキビを原料とするブラジルのエタノールのような「先進的バイオ燃料」(温室効果ガス排出は少ない)の義務的使用目標を25億1000万ガロンから20億ガロンに減らした。トウモロコシ原料エタノールについては特定の量を示していないが、先進的バイオ燃料の量からして127億ガロンから132億ガロンと推量され、これは2007年法が定める144億4000万ガロンにはるかに届かず、2012年のレベルにも達しない。
少なくとも来年は、トウモロコシ・エタノールの減産が避けられない。この提案は受け、ADMなどエタノールメーカーの株が下落、多少は回復の兆しが見えていたトウモロコシのシカゴ先物相場も大きく下げた(シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物 相場の推移)。米国トウモロコシ農家は飼料としてのトウモロコシの需要拡大に活路を見出すしかないだろう。
ところで、そんな時、日本は米の生産調整見直しとかで、手厚い助成で飼料用米増産を目指すという。米国との抜き差しならない貿易摩擦が避けられないだろう。
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