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第3次ホテル戦争の舞台裏と、相次ぐ外資系進出のワケ〜東京五輪、観光立国政策も後押し
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131118-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 11月18日(月)6時25分配信
2020年の東京五輪開催が決定し、東京ホテル戦争が一気に過熱し始めた。
12月3日に「東京マリオットホテル」(東京都品川区)が開業する。それに先立ち、客室が報道陣に公開された。スタンダードの客室タイプとして公開されたデラックスキング(宿泊料4万2000円)は、38平方メートルと、ゆったりした空間を確保した。御殿山の桜をモチーフにしたカーペットやグレージュを基調とした色調などで、和を感じさせるつくりとなっている。ホテルからは東京湾の夜景や羽田空港などの眺望が広がる。早くも「2020年の部屋を予約できるのか」との問い合わせが来ているという。
「御殿山ガーデン ホテルラフォーレ東京」(経営は森トラスト、運営は森トラスト・ホテル&リゾーツ)は、6月から改装中。外資系ホテル「東京マリオットホテル」として、同じく12月3日から営業を始める。客室数は249室。ラフォーレ倶楽部などの会員制度は、そのまま引き継がれる。
米ホテル首位のマリオット・インターナショナル(本社・米メリーランド州)は、リッツ・カールトンやルネッサンスなど約3400の高級ホテルを世界74カ国で展開する、世界でも有数のホテルチェーンだ。航空券のマイレージのように、同グループのホテルに宿泊するとポイントがたまり、割引などの特典が得られる仕組みになっている。
国内最大手のプリンスホテルは、港区にある「ザ・プリンス さくらタワー東京」の9月14日のリニューアルオープンに合わせて、マリオットが手掛けるブランドの1つであるオートグラフ・コレクションに日本のホテルとして初めて加盟した。オートグラフは世界の50の独立ホテルで構成されており、個々のホテルは名前を変えずに運営する。プリンスは自社のブランドを維持したまま、セールスやマーケティングでマリオットと連携することになる。日本でマリオットは名古屋、沖縄にある。来年にコートヤード・バイ・マリオットを新大阪でも開業する。
ほかの外資系ホテルの動きも活発だ。来年、森ビルが運営する虎ノ門ヒルズにハイアット・ホテルズの「アンダーズ」が開業。シンガポールを本拠とする高級ホテルのアマンリゾーツも千代田区大手町に初進出する。2016年には大手町に三菱地所の再開発ビルがオープンする計画で、外資系ホテルの誘致が確実視されている。
●外資系ホテル、なぜ東京に注目?
外資系ホテルが東京に注目するのはなぜか。ホテル業界では「東京はニューヨークやロンドンと比べてラグジュアリー(高級)ホテルが少なく、伸びる余地が残されているから」と見られている。政府は30年までに訪日外国人数を3000万人(12年は836万人)とする目標を掲げる。20年の東京五輪の開催も追い風だ。訪日外国人の獲得競争に、一層拍車がかかる。
帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニが「ホテル御三家」と呼ばれるようになったのは、前回1964年の東京五輪からだ。帝国ホテルは日本にも本格的な西洋式ホテルを誕生させようという国を挙げての願いを受け、渋沢栄一や大倉喜八郎によって設立された。ホテルオークラは戦後の公職追放で帝国ホテルを離れた大倉財閥の2代目、大倉喜七郎が日本にマッチしたオリジナルなホテルとして構想したものだ。ホテルニューオータニは東京オリンピックに際し、訪れる外国人観光客を受け入れるホテルとして、大谷重工業社長の大谷米太郎が建設した。
バブル崩壊でホテルの勢力図は塗り替わった。第1次ホテル戦争は1990年代前半。フォーシーズンズホテル椿山荘東京(現ホテル椿山荘東京)、パークハイアット東京、ウェスティンホテル東京といった外資系ホテルが相次いで進出した。この3つのホテルに、94年に「新御三家」の称号がついた。
2000年代に入っても、外資系の勢いは止まらない。第2次ホテル戦争は05〜07年にかけて。マンダリンオリエンタル東京、ザ・リッツ・カールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京は「新・新御三家」と称された。
東京での外資系ホテルの誘致合戦を主導したのは、大手不動産会社だった。大規模複合ビルに「超高級ホテルが入ればビルの格が上がり、高い賃料収入が得られる」との思惑からだ。地価が高く採算が合わないと尻込みしていた外資系も「ビル全体ではなく、中高層階だけの運営なら収益が出る」と見込んだ。
だが、08年秋のリーマン・ショックで、ホテル業界は長い冬の時代を迎えた。空前の開設ラッシュで供給過多に陥っているところに外国人観光客が減少したため、値下げ競争となったからだ。さらに11年の東日本大震災が追い討ちをかけ、外国人観光客は激減した。
●政府の政策も後押し
政府は観光立国を目指し、訪日外国人観光客の呼び込みに力を入れる。13年の訪日外国人旅行者数を12年の836万人から1000万人に増やすため、タイ、マレーシアからの観光客のビザを免除した。格安航空会社(LCC)を含む航空ネットワークの拡充、成田空港や羽田空港へのアクセス改善も提示した。
観光立国に向けたインフラの整備を横目ににらみながら、外資系ホテルは中断していた東京進出プロジェクトを相次いで再開させ、第3次東京ホテル戦争の様相を呈しつつある。外資系の攻勢に対し国内勢はどのような手を打つのか、攻勢をはねのけ、ブランドを維持することができるのか、その行方にホテル業界の注目が集まっている。
編集部
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