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2013/11/15 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
7―9月期のGDPが4四半期連続のプラス成長となった。もっとも伸び率は年率換算で実質1・9%増だから、前期の3・8%増に比べて鈍化している。目立つのは公共投資や住宅投資ぐらい。消費にはブレーキが掛かり、輸出はマイナスに転じた。
甘利経財・再生相は、「景気の良い循環は始まっていると思う」と見立てたようだが、とんでもない。状況は非常に厳しくなっている。
2・7%増となった住宅投資は、増税前の駆け込み需要だ。どうせなら来年4月に消費税率が引き上げられる前に買っておこうという動きである。これは長続きしない。実際に10月の景気ウオッチャー調査では、景況感を示すDIの住宅関連が9月から7・6ポイントも落ち込んでいる。駆け込みは早くも一巡してしまった格好だ。
0・1%増の個人消費も、この先は上がり目がない。すでに伸び率は前期の0・6%増から縮んでいるが、消費者心理の冷え込みは想像以上だ。10月の消費動向調査によると、一般世帯の消費者態度指数は前月を4・2ポイントも下回った。下げ幅は、東日本大震災の直後となった2011年4月以来の大きさである。
安倍政権は財界に賃上げを要求しているが、成果はさほど上がっていない。経団連によると大手企業の冬のボーナスは前年比5・7%増(1次集計)となるそうだ。しかし、ベースアップや基本給の引き上げに踏み切る企業は極めて少ない。所得が増える見込みがなければ、こちらも、駆け込み需要が終われば沈んでいくだろう。
それに、たとえ給与が上がったとしても、恩恵にあずかる正社員はどんどん減っている。7〜9月の労働力調査によると、正規の従業員は前年同期に比べて32万人も減少した。一方で、非正規の従業員は79万人も増加している。非正規の割合は36・7%と3期連続で上昇中だ。雇用は全然改善されていない。バシャバシャと買い物を増やすなんて流れは生まれていないのだ。前期から0・9ポイント減った設備投資はもっぱら海外が主流になっているし、輸出が0・6%のマイナス成長となるのは国内生産が減っているのだから当然だ。日本が輸出立国だったのは、遠い昔の話である。
安倍政権の誕生から間もなく1年だ。「3本の矢」とか「異次元の緩和」とか、派手にブチ上げてきたが、化けの皮は剥がれてきた。年末から年明けにかけて、日本経済は非常に厳しい流れが映し出されることになるだろう。
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