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2013-11-15
内閣府は昨日、7〜9月期のGDP速報値を発表しました。物価の変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増、4半期連続のプラスということで、甘利経済財政・再生相は記者会見で「(景気の)良い循環は始まっていると思う」と述べていますが、実態は全く異なります。
日経は昨日付記事で事実を淡々と記していますが、中身を精査すれば景気が浮揚しているなんて嘘だということが直ぐに判ります。
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS14009_U3A111C1MM0000/)
GDP実質1.9%増 7〜9月年率、4四半期連続プラス
内閣府が14日発表した2013年7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は物価の変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増となった。4四半期連続のプラスだが、年率3.8%増だった前期に比べ伸び率は縮んだ。公共投資や住宅投資がけん引する一方、成長率を押し上げてきた消費や輸出に一服感が出た。
実質成長率の速報値は民間エコノミストの予想の平均(1.5%増)を上回った。生活実感に近い名目成長率は0.4%増、年率で1.6%増となった。実質GDPの前期比の増減にどれだけ貢献したかを示す寄与度でみると、国内需要が0.9ポイント押し上げる一方、輸出から輸入を差し引いた外需はマイナス0.5ポイントと、3四半期ぶりに押し下げ要因となった。
政府の経済対策による効果が続き、公共投資が6.5%増と前期(4.8%増)に比べ伸びを高めたほか、消費増税前の駆け込みをにらんだ住宅投資も2.7%増えた。
個人消費は0.1%増と、4四半期連続のプラス。自動車や宝飾品などの高額消費が堅調を保った半面、株価の上昇が一服して証券売買手数料が減り、前期の伸び率(0.6%増)を下回った。
設備投資も0.2%増と、火力発電や自動車など輸送用機械への設備投資が堅調で、3四半期連続のプラスとなった。伸び率は1.1%増だった前期に比べ鈍った。
輸出は0.6%減と、3四半期ぶりにマイナスに転じた。アジア向けが減ったほか、米国向けも自動車などの一部企業が現地工場に生産を移したことにより、日本からの輸出が落ち込んだ。
甘利明経済財政・再生相は記者会見で、冬の賞与は増える見込みなどを踏まえ「(景気の)良い循環は始まっていると思う」と語った。
総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比マイナス0.3%と、前期(マイナス0.5%)よりも下落幅が小さくなった。国内の物価動向を表す国内需要デフレーターはプラス0.5%と、2008年7〜9月以来5年ぶりのプラスに転じた。
GDPデフレーターは消費者物価と計算法が異なり、国内物価と輸出物価の合計から輸入物価を差し引く。このため原油高など輸入価格の上昇はデフレーターを押し下げる方向に働き、GDPデフレーター全体ではマイナスとなった。名目値が実質値を下回り、デフレの象徴とされる「名実逆転」は解消していない。 (下線は引用者による)
要するに国内消費はダメ、世界的な不景気で輸出も振るわなかったわけです。それでも1.9%増となったのは、公共投資と増税前の駆け込み需要で住宅投資が増えたからです。どちらも政府主導による小手先のかさ上げで、自律的な景気回復なんてそのカケラもありません。
アベノミクスは、お金をジャブジャブにして景気が良くなったかのように見せかける騙しの手法で、大企業や一部の金持ちが得をする仕組みです。国全体の富が増えないのにお金を大量に発行すれば、相対的に貨幣価値が下がって、なけなしのお金を貯金している庶民が割りを食うことになります。
貨幣価値が目減りするという点では貧乏人も金持ちも同様ですが、目減りするには時間がかかりますから、早い時点でお金を使った人が得をすることになります。お金の流れの上流にいる人が有利なのです。
そういう人たちは株などを買って大儲けしたわけですが、元々インチキなシステムですから長続きせず、早くも息切れ状態に陥っています。加えてヨーロッパや新興国でも金融緩和の動きが見られますから、円安傾向にも歯止めがかかり、以前の状態に逆戻りする可能性もあります。
単に逆戻りするだけならよいのですが、金融緩和したツケは支払わなければなりませんから、今後酷い有り様に見舞われることは必定です。2020年の東京五輪までは何とか持ち堪えるだろうと、楽観的に見ている人もいますが、単に先送りされるだけですから、五輪後の落ち込みは目も当てられないものになります。
来年4月からの消費増税で景気は確実に落ち込みます。その影響は一時的で、緩やかに回復してゆくという見方もありますが、それも来年一杯の話で、2015年には深刻な不況に見舞われると予測されています。
2016年秋に消費税の再増税が行われる予定ですが、とんでもない話で、7〜9月期のGDPで減速傾向が明らかになったわけですから、来年4月からの税率アップも中止すべきです。国民の生活など何とも思っていない人たちに何を言っても無駄ですが…。
駆け込み需要で、低金利の今の内にローンを組んでマイホームを購入する人が増えていますが、そんなことをして大丈夫なのか、傍目で見ていて心配になります。この不確実な時代に長期の借金を抱えるなんて、リスク感覚がなさ過ぎます。雇用だってどうなるか判りませんから、不自由を忍んでも生活防衛に徹するべきだと思うのですが…。
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