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藤田観光本社/(C)日刊ゲンダイ
「椿山荘」謝罪で業界激震… サケ・マス表示は底なしの闇
http://gendai.net/articles/view/life/145921
2013年11月14日 日刊ゲンダイ
<業界全体がもうアウト>
椿山荘やワシントンホテルを運営する藤田観光が13日、「食材偽装」を発表した。
「フランス産フォアグラ」は別の産地で、「和牛」は豪州産牛肉と悪質だったが、外食業界を震撼させたのは「サーモン」(サケ)と表示しながら、海水中で養殖された「トラウト」(マス)を提供していたことを謝罪したことだ。
実は、海水養殖の「トラウト」を「サケ」と銘打って客に出すのは、業界では公然の事実。「バナメイエビ」を「芝エビ」と呼ぶ以上に慣習化している。
藤田観光の謝罪は「サケまで謝られたら、業界総ザンゲになってしまう」と関係者を慌てさせているのだ。
例えば「吉野家」の牛鮭定食の「鮭」の原料は「トラウト」。藤田観光が謝罪したものと同じである。
「トラウトは厳密に言えば“ニジマス”ですが、『サケ属』に属する魚です。弊社で使用しているのは海水養殖モノ。養殖モノでも海で育てば『サケ』、川だと『マス』の名称になると認識しています」(吉野家広報)
成育地が違えば、同じ魚でも名称が変わるようだが……。
「大方の日本人が想像する塩鮭の『サケ』の正式名は『シロザケ』で、いわゆる『ベニザケ』の正式名は『ヒメマス』になる。じゃあ、ベニザケがマズいかっていえば、そうじゃない。イクラを採った後の『シロザケ』はマズくて熊も食わないといいますが、業者は平気で卸して世に出回っています。ホテルや寿司屋で提供される刺し身用の『サーモン』の大半は海外の海水養殖モノですが、同じサケ属の魚をいろいろと交配させており、正式には『サケ』なのか、『マス』なのか、もう分からない。最近は湖や池で養殖したモノまで、『サーモン』の名前で流通させている業者もいるし、サケマスの世界はカオス状態です」(水産ジャーナリスト・西潟正人氏)
藤田観光はパンドラの箱を開けてしまったか。
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