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14日発表GDP統計が極めて重大な意味持つ理由
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2013年11月13日 植草一秀の『知られざる真実』
11月14日に、日本の2013年7−9月期GDP速報値が発表される。
もちろん、最重要注目指標はこの四半期の実質経済成長率である。
年率表示の成長率がどのような数値を記録したかが注目される。
2013年の1−3月期と4−6月期の前期比年率実質経済成長率は、
4.1% と 3.8%
だった。
高い経済成長率が記録された。
この数値の最大の意味は、これが2014年4月の消費税大増税実施の決め手とされたことである。
4−6月期のGDP速報値が発表されたのは8月12日。
改定値は9月9日に発表された。
速報値では経済成長率が2.6%だったが、改定値で3.8%に上方修正された。
私は、9月8日付のメルマガ記事に、GDP統計が改定値で3%台半ばの数値に上方修正されるとの見通しを書いた。
実際、その通りの数値が発表されたが、この数値を安倍政権は消費税増税実施の方針を決める根拠としたのである。
しかし、すべてが「出来レース」であったと言わざるを得ない。
2013年4−6月期のGDP成長率は高めの数値が出るように、「仕組まれていた」のである。
速報値から改定値にかけて上方修正するところまで「仕組んだ」のかどうかは判定しがたいが、この四半期の成長率が高くなるように「仕組んだ」ことは間違いない。
仕組んだのはもちろん財務省で、財務省は消費税大増税を実施するために、「工作」を行ったのである。
11月14日に発表されるGDP成長率は低い数値になる可能性が高い。
年率換算で2%程度、場合によっては2%を下回る可能性もある。
本年前半の経済成長率の約半分に減速する可能性が高い。
もっとも、統計には「振れ」があるから断定はできない。
2013年10月分の米国雇用統計も事前予想よりは強い数値になった。
統計数値は蓋を開けてみなければ分からないリスクを伴っている。
したがって、予断を持つことは避けなければならないが、可能性としては、弱めのGDP統計になる可能性が高いのである。
二つの事実を指摘しておく必要がある。
ひとつは、2013年前半は、経済環境、経済政策の両面から、GDP成長率が高くなる状況が存在したことだ。
昨年11月以降、円安・株高が進行して、これに伴う輸出数量の増加、個人消費の拡大が2013年前半に表れた。
「アベノミクス」が狙ったのは、この効果である。
もうひとつは、GDP統計に独特のリズム、振れがあり、そのリズムによって、2013年前半の成長率が高めに発表された可能性があることだ。
この点は、日本の四半期GDP成長率のグラフを確認するとよく分かる。
2007年以降の足取りを見ただけでも、大きな振幅が何度も描かれている。
最大の落ち込みを示したのは、2008年後半から2009年前半にかけて広がった、サブプライム金融危機に伴う景気の急落だ。
その次に大きな落ち込みを示したのが、2011年3月11日の大震災・原発事故に伴う景気の急落である。
しかし、これだけではない。
2012年後半にも日本経済は明確な落ち込みを示しているのである。
経済統計独特のリズム、振れという面もあるが、この時期の最大の出来事は、消費税増税の法律を成立させたことだった。
野田佳彦政権は主権者との契約を踏みにじって、消費税大増税の法律を国会で可決成立させた。
これを背景に、日本の景気は急落しているのである。
安倍政権はGDP統計が強いから消費税大増税を断行するとしたが、強めの成長率が示されたのは、2013年1−3月期と、4−6月期の、たったの2四半期だけである。
しかも、この高めの数値は、先に述べた「円安・株高」効果と、13兆円の巨大補正予算の効果によってもたらされたもので、言わば、人為的に「かさ上げされた」成長率なのである。
株価の上昇は5月22日で止まっている。
2014年度にかけて、史上空前の最強財政デフレ政策が実施されることになる。
経済活動は、すでに、本年5月以降は、緩やかな停滞に転じていると見られる。
7−9月期のGDP統計で、仮にこの点が確認されることになると、2014年に向けての経済見通しが大きく揺らぐことが予想される。
安倍政権の真価が問われるのは、これからである。
その意味で、11月14日のGDP統計を注視しなければならない。
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