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企業は好況時でもリストラに走る 景気回復=雇用安定の時代は終わった (日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/736.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 12 日 00:02:01: igsppGRN/E9PQ
 

企業は好況時でもリストラに走る 景気回復=雇用安定の時代は終わった
http://ch.nicovideo.jp/nk-gendai/blomaga/ar388091
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-10258.html
2013/11/11 日刊ゲンダイ


 景気回復で、新聞紙上には連日「最高益」の文字が躍る。冬のボーナス増や、春闘のベースアップも現実味を帯びてきた。サラリーマンはひとまずほっと胸をなで下ろしているだろうが、安心はできない。

 大幅な赤字に陥っていたパナソニックが10月31日、9月中間期決算では過去最高益となる1693億円の黒字を計上したと発表した。円安やこれまでのリストラ策が奏功したという。一部では、「日の丸家電復活」などと報じられた。

 だが同社は、子会社のパナソニックプラズマディスプレイ(大阪府茨木市)の生え抜き社員250人をすべて退職させるというリストラ策も、併せて発表している。11月中に希望退職の募集を始め、応じない社員についても、プラズマ製品の生産をすべて終える3月までに雇用契約を終了させるという。 

〈儲かったんだから首を切ることはなかろうに……〉
誰もがこんな矛盾を感じるだろう。だが会社にとって、景気回復時こそリストラのチャンスなのである。人事ジャーナリストの溝上憲文氏がこう言う。

「好景気で資金に余裕ができた企業が、真っ先に着手するのはリストラです。いまや企業の論理は、好景気=雇用安定ではありません。好景気で現金を獲得できたからこそ、それまで処理したくてもできなかった懸案に着手するのです。特に輸出産業には、円安になると1円で数百億円も利益がかさ上げされるため、いまが大胆にリストラを実行する絶好のチャンスなのです。こうしたケースは、今後も増えるでしょう」

 社員の首を切るには、何より現金が必要だ。通常の退職金に「割増退職金」も上乗せして支払うからだ。

 例えば、年齢45歳、年収800万円の社員を早期退職させるとする。通常の退職金を1200万円、割増退職金が年収2年分に設定されていたとすると、1人あたり2800万円。250人に払うとなれば、70億円の現金が必要ということだ。

「好況時にリストラできる経営者こそ、しっかりした経営ビジョンを持ち、優秀だと呼ばれるのです。もしアベノミクスバブルの後に大不況がやってきて、ニッチもサッチもいかなくなって会社が傾けば、退職金の減額や未払いが発生する可能性もあります。経営者はそんな時のリスク回避も考えるのです」(溝上氏=前出)

 ただし、好況時のリストラは悪いことばかりではない。割増退職金をもらい損ねることはないし、不況時に比べて奮発も期待できる。そして不況時に比べれば、転職もしやすい……と、ポジティブシンキングでいくしかない。


 

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コメント
 
01. 2013年11月12日 00:24:30 : nJF6kGWndY
>企業は好況時でもリストラに走る パナソニックプラズマディスプレイ

まだ現在の為替水準では、日本の実質賃金は高すぎるから

特に国際競争力が低下している電気産業では当然だろう

ただしデフレ不況時だったら、倒産と空洞化の嵐が吹き荒れていただろうから、それよりは、遥かにマシだが



02. 2013年11月12日 00:57:03 : niiL5nr8dQ

ハイテク日本の足を引っ張る半端な事業
2013年11月12日(Tue) Financial Times
(2013年11月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 「プレイステーション」や「ウォークマン」が日の目を見る何十年も前は、ソニーの技術者たちはハイテクというよりは、むしろ平凡ものを扱っていた。原始的な木製炊飯器と電気座布団は、ソニーが生産する家庭用品のラインアップに入っていた製品だ。

 パナソニック、東芝、日立製作所、シャープのようなライバル企業は、幅広い製品・部品を供給する力が強さの源泉になると考え、ソニーに追随した。

 しかし、これら製品が概ねコモディティー(汎用品)化されても、日本の電機メーカーは――各社が打ち出す洗練されたハイテクなイメージに反し――、ローテク事業を切り捨てられなかった。その結果、何万人もの人員を雇用する不採算事業を抱え込んでしまった。

電機大手が抱え込む不採算事業の数々

 日立のデジタルメディア・民生機器部門を例に挙げてみよう。日立は原子力発電所や車両システム、ITシステムの建設から大半の利益を稼いでいる。だが、同社は炊飯器、冷蔵庫、掃除機など様々な家庭用製品の製造部門で2万5000人以上の従業員を抱えている。売上高がグループ全体の10%に満たない同部門は、過去8年間のうち7年間、赤字を計上してきた。

 またパナソニックの半導体製造部門を見ると、売上高1840億円に対して205億円の営業赤字を出した。一方、東芝では、ノート型パソコン、タブレット型端末、テレビ、ビデオカメラはここ2年間、利益を上げていない。

 「ほとんどの製品が概ねコモディティー化された」。ユーロモニターでコンシューマーエレクトロニクスのシニアアナリストを務めるマイコラ・ゴロブコ氏はこう語る。「これにより、1〜2年内に企業が市場シェアを大きく伸ばしたり失ったりする、浮沈の激しい競争環境が生まれる」

 パナソニックの半導体製造事業が好例だ。アナリストらは、同社の半導体の世界シェアは3%に満たないと見ている。SMBC日興証券のアナリスト、白石幸毅氏の試算によると、パナソニックが半導体部門の生産を半減すれば、200億円の営業赤字が150億〜200億円の営業黒字に転換するという。

 さらに、日立がテレビのようなデジタル製品の生産を停止する一方で小型白物家電の製造を続ければ、同事業は再び黒字転換する、と白石氏は付け加える。

 ソニーは2006年に、明らかに非中核事業であるフランス料理のレストランチェーン「マキシム・ド・パリ」の売却を決めた。だが、他社がこれに続くことはなかった。では、企業はなぜこうした事業にしがみついているのだろうか?

 事業売却をためらう理由として、1つには、どんなリストラも高くつく日本の保護的な労働法規が挙げられる。バーンスタイン・リサーチのアナリスト、マーク・ニューマン氏は経営者が難しい決定を先延ばしにしてきたと語る。

 「日本の技術が多くの分野で次第に競争力を失い、経営幹部はますます避けられないリストラを先延ばしにするようになった」とニューマン氏。

 現在は、一部の投資家の間で、安倍晋三首相が提唱する成長戦略「アベノミクス」が、企業に厳しい行動を強いた2008年の金融危機後とは異なり、企業のリストラをさらに妨げる可能性があるとの懸念も生まれている。

経営者が厳しい判断を下し始めた兆しも

 とはいえ、日本企業の取締役会が事業再編へのためらいを克服し始めた兆候も出てきた。

 パナソニックはヘルスケア事業の大半――糖尿病患者向けの血糖値測定機器や電子的な医療記録保存システムを製造する事業で、採算は取れているとはいえ非中核事業だった――をプライベートエクイティ大手のKKRに売却した。

 しかし、従来の関係を絶つのは難しく、パナソニックはなお同事業の株式の20%を保有している。パナソニックは今年、スマートフォンの生産打ち切りも発表している。

 東芝の新社長の田中久雄氏は、データストレージとヘルスケアを最も有望な成長部門として挙げた。ビデオカメラはリストの最下位にあった。「日本の経営者はようやく難しい選択を行い始めた」とニューマン氏は語る。

By Jennifer Thompson


[12削除理由]:無関係な長文多数

03. 2013年11月12日 02:00:45 : niiL5nr8dQ
ホンダが日本に工場を建てた真の狙い

台数を追わない国内生産の新しい形

2013年11月12日(火)  佐藤 浩実

 7ヶ月ぶりに訪ねたホンダの埼玉製作所寄居工場(埼玉県寄居町)は名実ともに、「工場」に育っていた。小型車の「フィット」が生産ラインを流れ、ぶつからんばかりに並んだ溶接用のロボットがクルマの骨組みを組み立てていく。

 10月から1日1050台のフル生産体制になったといい、建屋の外には部品企業の名前を書いたトラックが行き交っていた。真新しい設備だからという面もあるだろうが、製造現場には明らかに活気が溢れていた。


寄居工場ではフィットが次々と組み立てられていた
 筆者は日経ビジネスオンラインで4月30日に「サンショウウオが見たホンダ寄居工場の6年間」という記事を書いた。詳細はこちらを読んでほしいが、寄居工場の建設プロジェクトは、2008年9月のリーマンショックを境に大きな方針転換を迫られた。

 輸出を中心に据えた高級車工場から小型車工場への造り替えだ。だから11月7日に報道陣に公開した生産ラインに「アコード」や「アキュラ」の姿はなく、フィットばかりが流れている。

 しかし方針転換をしたとはいえ、ホンダは工場建設を止めはしなかった。リーマンショックの時点で建屋はできていたが、設備はまだ据え付けられてはいない。輸出から現地生産へ、という流れと国内市場の漸減傾向を踏まえれば、既存の工場だけで生産し続けるという判断もあり得ただろう。巨額投資になる完成車工場の新設は1歩間違えればリスクにはならないか。

 西本準埼玉製作所長と、寄居工場責任者の河野丈洋主任技師に、なぜ寄居工場の新設を貫いたのか。直接ぶつけてみる事にした。次ページに2人とのやり取りを掲載する。

海外ではダメなのか

寄居工場が稼働しました。しかしホンダの生産台数の8割はすでに海外です。今後伸びるのも海外。今、日本に新しい工場を造るのはなぜでしょうか。


西本・埼玉製作所長
西本埼玉製作所長: ホンダは2016年度に600万台超の販売計画を掲げています。(現状の約400万台から)増える分はほとんど小型車です。寄居工場でフィットと同じプラットフォーム(車台)のクルマを効率よく生産すれば、寄居で培った小型車生産の先端技術をグローバルに展開できる。今までより効率的に世界で拡大していくための発信基地だと考えています。

その役割は日本の工場でなければダメなのでしょうか。ホンダにも、例えばメキシコやインドネシアといった今後稼動する工場はほかにもあります。


河野・主任技師
河野主任技師: 海外でクルマを作ることはできます。経験も十分にあります。でも重要なのは、そのクルマ作りに競争力があるかどうかです。研究所(=本田技術研究所)があり、エンジ(=生産技術・設備を担当する子会社のホンダエンジニアリング)があり、材料メーカーなどもいる。色々な技術が日本には集積しています。

 そこで競争力があるモノを生み出して世界に展開していく。世界の拠点がばらばらにやったら効率が悪いし、平均的なクルマ作りの技術しかできないですよ。集積のある場所で集中してレベルが高いモノに収斂させていく事を選んだのです。

量のために建てるのではない

もう少し詳しく伺いたいです。寄居は海外で新設する工場と何が違うのでしょう。

河野氏:海外は量を増やすための工場です。ホンダが成長するうえで台数を追う工場です。じゃあ寄居はというと、量のための工場ではない。狭山(=埼玉地区にある既存工場)はもともと2ラインで1日2000台を作れるのです。台数を追うだけならば寄居は必要がありません。生産能力の問題であれば、狭山のラインを1本閉じて寄居に新しく1ライン造る意味はない。寄居は台数を増やすための工場ではなく、生産技術を供給するための工場です。そこが全く違う。

西本氏:フィットはグローバル機種ですが、ベース部分の開発は日本です。開発と生産プロセスを作る我々が一緒に近くでやれる意味合いは大きい。これはやはり、日本でしかできない。商品開発、商品の熟成と生産技術の熟成を一緒にできる。新しい塗装技術、塗料もその中で生まれました。

量のための工場ではなく生産技術を供給する工場という考えはいつから?

河野氏:生産技術を供給するという意識は最初(2006年)の建設プロジェクトの頃からありました。ただスタート当時は埼玉製作所(狭山と寄居の合計)で1日に3000台を作る構想でした。ホンダが高級車に力を入れるから1000台分が加わるだろうと。

つまり当時は、量を追うという意味もあった。

河野氏:そう。リーマンショックで市場環境ががらりと変わり、量の話はなくなりました。生産技術を追求する工場、というのだけが残った。

生産技術の供給基地としての役割を研ぎ澄ますという環境に否応なく置かれたわけですね。最新の生産技術は新興国に容易に展開できるのでしょうか。ガラパゴスな技術になりませんか。

河野氏:そうしないために寄居があります。これから工場が増えるのは新興国です。新興国で生産ラインを10本造るわけですから、日本でしかできないことは根づきません。効率が良くて、かつシンプルでなければいけない。難しいものを簡単に使えるようにここで仕上げて、海外に出す。その力を養うのです。

同じ1台でも違う1台

 どんな感想を持たれただろう。筆者は「狭山のラインを1本閉じて寄居に新しく1ライン造る意味」という河野主任技師の言葉を重く受け止めた。

 自動車業界は統計が整っている産業だ。自動車各社の国内外の生産台数は毎月公表されるし、日本国内であれば車名ごとの売れ行きもわかる。私たちもその数字を注視しながら記事を書く。景気回復の兆しから、足元は少し改善している。だが、業界全体で2012年度に955万台あった国内生産台数や、520万台だった国内販売台数をこの先どの程度維持できるのかは、この産業に携わる人々の大きな関心事だからだ。

 寄居工場がなければ狭山工場の旧ラインで作ったであろう1台のクルマも、寄居で作った1台も、公表値のなかでは「国内生産」の欄の数字を構成する1台として記載される。ただ実際には、どちらの1台かで意味は大きく異なる。冒頭で西本埼玉製作所長が述べたように、寄居で競争力のある小型車を作れるかどうかは、国内の雇用維持に限らず今後の新興国市場での成否にも大いに影響を及ぼすだろう。

 「寄居で『このやり方なら戦えるんだ』というのを実証して、それを渡さないといけない」と河野主任技師は言う。そこまで成功させて初めて、ホンダが日本に工場を作る意味があったと証明できる。


寄居工場に課せられた使命は大きい


このコラムについて
記者の眼

日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。

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04. 2013年11月12日 02:10:32 : niiL5nr8dQ
アベ相場1周年、企業財務の現場は今

円安が生じさせる企業経営上の困難

2013年11月12日(火)  深谷 幸司

 昨年の11月14日、当時の野田佳彦首相が突然、衆院解散・総選挙実施の意向を明らかにした。それからほぼ1年が経つ。

事実上のアベノミクス相場が始まって1年
円の対ドル相場(1ドル=円)

 改めて振り返れば、為替市場ではまさにその日をもって、長きにわたる円高局面が終止符を打った。円の対ドル相場はしっかりと1ドル=80円台を回復し、総選挙が実施された昨年12月16日には、それまで2年以上にわたり水準の「壁」となっていた85円の節目をうかがい、今年初めにかけて、その「壁」を突き抜けて円安・ドル高が進んだ。

 「円安進行はアベノミクスの成果」との見方もあるが、基本的には日銀の金融緩和姿勢によるものだ。安倍晋三・自民党総裁(当時)が「無制限の金融緩和でデフレ脱却」と選挙に向けて旗印を掲げたことで、市場の円安期待が醸成されたことは事実。そして日銀を実際に「動かした」のが安倍政権であるとすれば、日銀の独立性はともかくとして、政府の経済政策と金融政策が同調することは当然であり、その範囲内で安倍政権の功績ということはできる。

 しかし95円までの円安・ドル高は基本的にドルの自律反発と言えるだろう。外部環境や外部条件の変化により、戻るべくして戻った、つまり円高が修正されるべくして修正した、というわけだ。

貿易赤字下の円高終息は自然

 グローバルなショックは2012年には峠を越えたことが明確になり、特に米国経済は緩やかな拡大基調に入っていた。株価も右肩上がりだ。

 一方の日本では、東日本大震災後にエネルギー輸入の急増と円高に伴う海外への生産シフトなどによって貿易収支が急速に悪化し、その後は過去最大の貿易赤字が続いている。こうした環境で円高が終息し、「中立水準」に戻っていくことは自然なことだ。

 そうした流れのなかで、「安倍政権の政策」は市場の円安期待に火をつける触媒の役割を果たし、投機筋の円売りを活発化させたにすぎない。期待感を醸成した分、スピードが速かったが、その時間軸における成果に関しては「アベノミクス」を評価したうえで、価格軸においては評価を割り引いたうえで考える必要がある。

 そして今年4月以降、95円から103円台までの円安・ドル高の動きは黒田東彦・日銀総裁による「異次元緩和」、すなわち大胆な量的緩和に触発された投機主導の「行きすぎた」円安だ。相場の勢いに任せたオーバーシュート局面と言えよう。

 その後、円相場は今に至るまで大きく見れば、チャート分析上の「三角保ち合い」を形成し、100円台への定着はまだ実現していない。値動きだけから評価するなら、黒田緩和の効力が途切れた、とも言える。

 しかし米国サイドの条件によるドル高要因が整っていなかったというのが実情だろう。103円までの円安がそもそも行きすぎであり、期待先行による急激な円安・ドル高局面を捨象すれば、95円より円高・ドル安に行きにくくなっている現状は、十分に日銀による量的緩和の効果が持続しているとも言える。

急速な円安は中小企業に大きな影響

 この間、経済・為替動向を通じて企業に生じた変化は大きい。「粘着質の持続的な超円高」は企業の生産活動を一段と海外へ追いやった。「海外移転」の動きが広く中小企業にも拡散したのが先般の円高局面の特徴だろう。「国内の本社工場は完全に閉鎖して海外工場での生産一本に絞ることにしたよ」といった声が、中堅・中小企業経営者から多く聞こえた。

 円高で採算が悪化した大企業の製造業や輸出企業によるコスト改善圧力が仕入先へと及んだのも遠因だ。こうしたミクロの積み上げが日本の輸出入構造に不可逆的な変化を与え、貿易収支が構造的に悪化し、赤字が定着することに一役買っている。そして、その貿易赤字定着こそが、円高にブレーキをかけ、円安が進みやすい為替需給環境を整えたのだから皮肉な話だ。

 その状態から一気に進んだ円高の修正、円安・ドル高の進行はまた違った意味で企業に経営戦略・財務戦略上の困難を生じさせた。構造的に円高に対応しようと努力し、それを完成させた結果、逆に中立水準に向けた円高の修正局面=円安局面で、利益を享受することができなかったことが1つだ。

 大企業はすでに今回の円高到来よりも早く、プラザ合意の1980年代から90年代には海外展開をおおむね進めていたため、限界的には円安の享受もできた。しかし、円高に「構造的に、完全に対応した」中小企業には恩恵が少ない。「『アベノミクス円安』の恩恵が大企業に偏っており、中小企業には行き渡っていない」という現実や企業の声は、そのあたりの事情を反映しているようだ。

 また日本の産業構造においては、相対的に輸出サイドには大企業が多く、輸入サイドには中堅・中小企業が多い。

 急激な円安進行はそうした輸入企業・中堅中小企業に大きな影響をもたらした。それまで享受していた円高メリットが急速に失われたため、コスト増により収益悪化のリスクにさらされた企業が多い。

 過去、円相場が70円台の円高・ドル安になる前に相対的に高いドルを買う長期為替予約(例えば90円台での円売り・ドル買い)を入れていた企業にとっては、70円台の円高メリットさえ享受できなかったうえ、一気に100円近辺まで戻されて、高いドルを買うことになる。

 あるいはメリットを享受したものの、100円を付けたことで、組み入れていた長期の円売り・ドル買い予約が「消滅条件」に抵触し、せっかく安くドルを長期的に買えると思っていたのに、その目論見が外れてしまった企業もある。

 もちろん、大企業においても、ミクロレベルでは短期的に円安・ドル高の恩恵を受けそびれている。円相場が長らく70円台で推移した後、あまりに急速に円安・ドル高が進んだため、結果的に輸出予約を「早く取り組みすぎた」格好となった。

 例えば、100円近辺で推移しているときに、80円台で円買い・ドル売りをする契約が残っている。こうした状況は時間の経過とともに解消する。しかし、あまりにも急激すぎる為替変動は、それが企業や経済全体にとって不利な方向に進んだ場合はもちろん、たとえ有利な方向に進んだ場合でも、「損失」となることを端的に示している。

 その意味では、足元での円相場の安定は、ある意味で好ましい面もあろう。米国の財政協議の不調により、米量的緩和の縮小が先送りとなり、これが米長期金利の上昇を抑制して、結果的に90円台後半での「微妙な安定」がもたらされている。

スパイラル的な円安が進むリスク

 ただ米国の景気、金融政策、長期金利のトレンドが逆方向に転換したわけではない。コンセンサスは緩やかな円安・ドル高との見方が大勢だ。こうした状況下、企業財務の現場は、今、どのように為替動向と対処しているのか。

 大企業においては、そうした長期契約は決算上、ないし経営上、難しい行為だ。

 一方、果敢に、かつ機動的にリスクをとり、収益拡大、ないしリスクヘッジを目論見る中小のオーナー系企業には様々な動きが散見される。

 輸出企業はどちらかといえばそれほど慌てていないが、しかし、やや「あてが外れて」しまい、思いのほか円安・ドル高が進まないことでヤキモキしている状態だ。

 中堅・中小のドル売り需要のある企業は、あわよくば100円台、105円に近い水準での円買い・ドル売りの為替予約を確保しようと虎視眈々としている。

 より積極的に為替ヘッジを考えているのが輸入企業だ。中長期的な円の先安感は維持されており、来年には円相場は100円台に定着し、さらに3年後までを展望して一段の円安・ドル高を見込む声が大勢だ。長期的な相場循環として、「先の70円台はドルの大底だったのではないか」との意識は強い。そうしたことから長期的にドルを安く押さえておこうというニーズが高まっている。

 日本経済全体を見れば、すでに貿易赤字であることからして、過度な円安が進むことは好ましくない。貿易黒字のときこそ円安となることが好ましい。

 それが実現した最も良い事例は、2000年代の前半だ。新興国が絶好調で、世界経済が5%超の高成長を続け、日本の貿易収支は黒字が大幅に拡大。一方、リスク選好が強まるなか、内外金利差の拡大から「円キャリートレード」が全盛となって円安が進んだ。輸出企業にとってはまさにバブル並みの好環境となっていた。

 現状では外需がなおあまり強くないなか、内需は「アベノミクス」によって相応に堅調。原子力発電所の停止が続いており、高水準のエネルギー輸入も手伝って、貿易収支は大幅な赤字が続いている。

 一般論として景気にとって通貨安が好ましいのは確かだが、ミクロのレベルでは、様々な自助努力が強いられる。総じて家計は常に「輸入サイド」であり、それに近いビジネスは同様に「輸入サイド」となりがちだ。小休止した円安が動き始めたとき、好ましい、とばかりは言っていられない。とくに、構造的・不可逆的に日本経済が「輸入超過」となったとすればなおさらだ。

 日銀による大胆な量的緩和は物価上昇率が安定的に2%となることが見込まれるまで継続するという。国内の需給バランスがタイトになることにより、賃金の上昇とともに、それが達成されるのであれば問題はない。

 しかし、米国が量的緩和縮小にいよいよ動き始めるなか、円安主導で達成されるのであれば、通貨の対外価値の下落を伴う円安であって、必ずしも歓迎できない動きとなる。

 サービス業も海外に活路を求める動きが一段と加速し、それがさらに円安を加速することにもなりかねない。ビジネス構造の変化によって為替リスクも変化し、今よりさらに「輸入サイド」の性質が強まっている可能性がある。投資資金の動向もあることから必ずしもそれで円安が加速するとは限らないが、可能性として、スパイラル的な円安が進むリスクは念頭におく必要があろう。

このコラムについて
深谷幸司の為替で斬る! グローバルトレンド

円安進行の加速が目立つ為替相場。1ドル=100円を超え、さらに円安は進むかどうか、市場関係者にとどまらず、企業、そして国民の注目が集まっている。今後の円相場の行方は?また日本、さらには世界の経済はどう動いていくのか?国内外の銀行で為替ストラテジストを長らく務めてきた深谷幸司・FPG証券社長が、各国通貨のパワーバランスに垣間見えるグローバル経済の胎動をとらえたホットな話題を提供する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131108/255631/?ST=print

 


 


日本経済復活を楽観してはいけない

インテグラル代表取締役パートナー、佐山展生氏に聞く

2013年11月12日(火)  田村 賢司

 株価上昇、円安と共に日本経済復活が喧伝される。日本企業への投資も増えてきたが、内外の投資家はまだ手放しで信じているわけではない。企業への投資とM&A市場で長年、腕を振るってきたインテグラル代表取締役パートナー、佐山展生氏は、楽観ムードに釘を刺しながら、「経営改善をすれば、日本企業はまだまだ強くなれる。経営次第だ」とも主張する。佐山氏に日本企業復活の可能性を聞いた。
(聞き手は本誌主任編集委員 田村 賢司)
日本企業へ投資するファンドを今年9月に立ち上げた。投資資金は順調に集まったと聞くが、投資家の日本経済への姿勢は相当変わったのか。

佐山:当社はベンチャーと不動産系以外の日本企業に投資をしている。成長力を秘めているが、まだ資金不足の企業や事業上の問題を抱えていて、それを改善すれば良くなる会社などだ。


佐山 展生(さやま・のぶお)氏
帝人を経て1987年、三井銀行(現・三井住友銀行)入社。M&Aアドバイザリー業務を担当した。98年、ユニゾン・キャピタルを共同設立。代表取締役パートナーに就任した。2004年、投資アドバイザー会社、GCA(現・GCAサヴィアン)代表取締役パートナー就任。2008年3月、インテグラル代表取締役パートナーも兼任。2013年4月、専任に。
 後者の方は、我々が投資先会社の経営上の問題の改善に手を貸して、業績を向上させるというものだ。いずれも、業績向上後に株式を売却するか、上場させて投資を回収する仕組みを取っている。

 実は1号ファンドを作ったのは、リーマンショックの直前、2008年9月で、この時は投資家が一斉に資金を抑えたのでしばらくは大変苦労した。最終的に112億円を集め、計7社に投資したが、厳しい時期だった。

 投資家は銀行、生命保険会社など機関投資家と年金が中心。海外投資家も少なくないが、このところようやく日本企業への投資が戻ってきた感じだ。ただ、世の中で思うほど日本への投資が強く戻っているわけではない。

日本再注目を信じすぎてはだめ

外国人投資家は日本企業への関心を非常に強めていると言われるが、それほどでもないと。

佐山:リーマンショックの後は、全く日本への投資意欲をなくしていたから、その時よりは良くなっている。国内外の投資家は、「成長する中国やインドの企業にはとても興味がある」と目を輝かせながら、「日本には関心はない」とさえ言っていたほどだ。

 それに比べると、日本経済は良くなるのかもと注目をし始めているから、変化が起きているのは間違いない。ただ、気をつけないといけないのは今は、中国の景気が今ひとつで、インドも期待したほど順調な成長ぶりではないという相手側の状況が効いていることだ。それと、これまでがあまりにひどかったから、「今、日本に投資すればリターン(利益)は大きい」というどん底からの回復のような状況も忘れてはいけない。

 うかつに「Japan is back」などと楽観していると足元をすくわれる。投資家は、これから消費税が上がり、日本経済は本当にそれを乗り越えて成長力を回復できるのかを、慎重に見ようとしている。

政府は、消費税引き上げによる景気悪化を防ぐため、大型の経済対策も実施しようとしているが。

佐山:中身が問題だ。経済対策では、公共事業が兆円単位になり、また大きくなりそうだが、大事なのは成長戦略。法人税を下げる方向に動いているのはいいが、実現するかどうか。それと、設備投資減税なども考え方はいいが、大企業から中堅・中小企業まで投資が広がる施策も必要だ。

 雇用が増え、所得が上がることを意識した政策でないと、結局、日本企業は強くならない。外国人だけでなく、投資家はそれを注視している。成長戦略で、日本国内に投資が起こり、マネーが循環して雇用と消費を拡大する政策が出来るかどうかだ。

これまで、どんな企業に投資してきたのか。どういう企業に成長の可能性があるのか。

佐山:1号ファンドでは、請求書などを封書に封入・封緘する機械のメーカー、ビー・ピー・エスや、有名服飾ブランドのヨウジヤマモト、バックのSPA(製造小売り)、シカタと不動産のアパマンショップ、光通信の基幹部品メーカー、ファイベストなど計7社。海外に過大投資し過ぎて財務的に苦しくなった会社や、本業に近いが関係の薄いビジネスに投資して失敗した企業から、独自技術を持っているが、技術者集団で経営の強化が必要だった企業まで様々だ。

 だが、言えることは日本企業は経営を手直しすれば、相当に良くなる会社がかなりあるということだ。当社から、財務やマーケティングの専門家などを派遣し、長期に渡って支えている企業もある。これまでは中堅・中小企業ばかりだが、大企業への投資もしていくつもりだ。

経営改善で中小企業もグローバル化

ドイツでは中堅・中小企業がグローバル化し、海外に広く展開して成長している。その強さが国の経済下支えしている。日本の中堅・中小企業は、それがない。

佐山:これも経営強化ができるかどうかに尽きる。1998年に私は投資会社、ユニゾン・キャピタルを別の人と共同設立し、キリウという自動車部品メーカーに投資した。当時、キリウは日産自動車系で、売上高の70%以上は国内だった。

 しかし、ユニゾンが投資をし、経営改善をして海外を含め、他の自動車メーカーへの販路拡大を図った結果、海外売上高は50%を超えるまでになった。日本企業は、いい製品・サービスを持ちながら、海外に売る力がないところが多い。手助けをすれば、日本企業がドイツ並みになることは夢ではない。現に今、ヨウジヤマモトはロシアに自社ブランドの香水販売をしようとしている。当社の者が手助けをして進めている。こういう道はいくらもある。

投資成績はどうか。日本企業は今、海外企業へのM&A(合併・買収)に積極的になっている。一緒に海外企業への投資まで踏み込むことはないのか。

佐山:(最低限の投資収益である)ハードルレートで8%、投資の判断材料になるIRR(内部収益率)で30%を基準にしている。我々の報酬もハードルレートを超える収益を取って初めて発生する仕組みにしている。これまでは順調に来ていると思っている。

 海外企業への投資は考えていない。確かに日本企業の海外企業M&Aは増えている。しかし、私の長い経験から言えば、これを成功させるには、買い手側企業の経営者に相当な強いリーダーシップと、買収に伴う経営戦略も精緻なモノが是非とも必要だ。

 だが一方で、現実には投資銀行から持ち込まれた案件に飛びついたり、投資自体が成功だったのか失敗だったのかの検証すらしないケースが今も少なくない。海外企業への投資は、それができないととても難しいと思う。国内企業もそうだが、根拠のない楽観で投資をするのは止めた方がいい。

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05. 2013年11月12日 02:39:45 : niiL5nr8dQ
2013年 11月 11日 17:49 JST
アップル、日本が思わぬ「金鉱」に

By DAISUKE WAKABAYASHI AND MAYUMI NEGISHI
[image]
Agence France-Presse/Getty Images
9月からiPhoneの販売を始めたNTTドコモ
 米アップル AAPL -0.44% は思わぬ場所で金鉱を掘り当てた。日本だ。

 過去2年間で、日本はアップルにとって最も急成長を遂げる地域に浮上した。その成長ペースは本国の米国や好況に沸く大中華圏、アジアのその他地域を大きく上回っている。日本はアップルが最大の利益率を収めている市場であり、2013年9月期に営業利益が拡大した5地域のうちの1つだ。

 たいていの企業が日本を成長市場とみなさないことを踏まえると、これは予想外だ。日本は20年にわたり景気低迷にあえぎ、人口減少や高齢化問題にも直面している。さらに、家電に強い日本企業が海外同業を数十年にわたり抑えてきた。

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 宣伝への重点投資や通信会社の気前のよい販売奨励金を追い風に、スマートフォンの「iPhone(アイフォーン)」がアップルの日本での成功の推進力となった。日本の消費者がかつてルイヴィトンのバッグやバーバリーのマフラーに殺到したように、iPhoneも日本人のブランド熱に乗じた。

 BCNのアナリスト、森英二氏(在東京)は「ここでのアップルのブランド力には圧倒的なものがある」とし「仕様や合理性よりもアイフォーンを保有すること自体が重要になっている」。

 9月には契約者数6180万人を擁する日本の携帯電話サービス最大手NTTドコモ 9437.TO +0.97% が取り扱いを開始したことでiPhoneの販売に弾みがついた。東京のMM総研によると、今年4〜9月のiPhoneの日本シェアは37%と、NTTドコモの参入前でも既に日本で最も売れているスマートフォンだった。一方、カンター・ワールドパネル・コムテックによると、7‐9月期の米国におけるiPhoneのシェアは36%だった。

 MM総研によると、アップルのタブレット型端末「iPad(アイパッド)」は、13年3月期の日本タブレット市場でシェアが50%を超えた。

 日本の主要通信会社で最後にiPhoneに参入したNTTドコモは、他社の契約者を奪おうと新機種を積極的に値引きしているほか、既存契約者にはiPhoneへの機種変更に奨励金を出している。

 東京のドコモショップで先週、iPhoneを選んだカサイ・ミカさん(36)は「(シャープ 6753.TO -2.86% の)アクオスの携帯電話を持っているが、いつかiPhoneを試してみたいと思っていた」と話した。カサイさんはソニー 6758.TO -0.49% のスマートフォンも検討したが、4週間待ちにもかかわらずゴールドの「iPhone 5s」を選んだ。

 ドコモのiPhone参入に対抗しようと、日本の携帯電話サービス業界2位であるKDDI 9433.TO +3.65% 、同3位のソフトバンク 9984.TO +1.92% はそれぞれ独自のiPhone値引き販売を打ち出した。この3社は今やiPhone 5sの標準モデルを前金なしで販売している。

 カウエン・アンド・カンパニーのアナリスト、ティモシー・アルクーリ氏は、今年の日本でのiPhone販売台数が1100万〜1200万台と、昨年の推計500万〜600万台のほぼ2倍になると予想した。また、来年はこの数字が約2000万台に伸びるとみている。世界全体でのiPhone販売台数の伸びは今年が16%、来年が10%になると、同氏は予測している。

 アルクーリ氏は、日本では「(iPhoneは)来年、市場シェアが50%近くになる」と話した。

 ストラテジー・アナリティクスによると、今年1‐3月期に日本は中国、米国、インドに次いで世界4位のスマートフォン市場だった。MM総研によると、日本の9月末時点のスマートフォン契約者数は5015万人。

 iPhoneの日本でのヒットの背後にある2つの要素は所得水準の高さと、通信会社が端末代金を一部負担しながら複数年契約と共に販売する「ポストペイド」(料金後納)市場である米国との類似性だ。サンフォード・バーンスタインのアナリスト、トニ・サコナギ氏は「米国と日本はその意味で独特だ」と語った。

 大半の消費者が端末代金を前払いする市場では、iPhoneの価格の高さが販売に水を差している。

 世界最大のスマートフォン市場である中国では、iPhoneの最新機種である「iPhone5c」と「5s」の価格は、より大型の同国製端末の2倍程度だ。調査会社カナリスによると、アップルの7‐9月期の中国スマートフォン市場シェアは5位だった。

 アップルは中国の携帯電話サービス最大手、中国移動(チャイナモバイル)のネットワークでiPhoneが展開されるようになれば、さらに勢いを加速できそうだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9月に、アップルが中国移動にiPhoneを出荷する準備を進めていると報じた。

 調査会社IDCによると、インドではスマートフォンの3分の2が200ドル以下で販売されており、アップルの市場シェアは5%に満たない。同国の携帯電話サービス3位、リライアンス・コミュニケーションズは今月、iPhoneの2年契約に加入すると端末代金の一部を負担するインド初の通信会社になると明らかにした。

 日本の独自性の1つは、世界最大のスマートフォンメーカーである韓国・サムスン電子 005930.SE +1.28% の存在感が比較的薄いことだ。サムスン電子の日本のスマートフォン市場シェアはアップル、ソニー、シャープに次いで4位。日本では消費者が先入観により韓国ブランドを敬遠しがちだ。

 アップルは日本の総合電機メーカーの苦境にも乗じている。日本電気(NEC)は今年、スマートフォン事業から撤退した。パナソニックは9月に、個人向けのスマートフォンの製造を打ち切る計画を発表した。

 アップルの13年9月期(9月28日まで)の日本での売上高は135億ドルと、27%増加した。同じ期間の増収率は中国が12.8%、それ以外のアジア太平洋が4.1%だった。米ドル換算で売り上げを目減りさせる円安が増収の足かせになった。日本での12年通期の増収率は94%と、そのほかの地域をしのいだ。

 アップルの日本での営業利益率は50%超と、そのほかの世界の35%を上回っている。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304368604579191171412617060.html?mod=WSJJP_hp_LEFTWhatsNewsCollection


 

THE OUTLOOK 2013年 11月 11日 09:44 JST 更新
アベノミクス、新興市場の圧力受ける―第3四半期成長率、上半期の半分未満か
記事
By TAKASHI NAKAMICHI
[image]
AFP/Getty Images
 日本は今週、アベノミクスという経済再生の実験が今年夏に減速し、9月までの第3四半期の経済成長率が今年上半期(第1、第2四半期)に記録したペースの半分未満になった公算が大きい。

 ただし、これは安倍晋三首相が打ち出した円安と一時的なインフラ支出拡大を伴うアベノミクスが揺らいでいることを必ずしも意味しない。

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左図:GDP実質成長率(前期比、年率換算)、右図:輸出の増減率
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 14日に発表される第3四半期の国内総生産(GDP)統計は、過去20年間の低迷からの脱却をめぐる幾つかの主要な点を浮き彫りにするだろう。その進展は依然としてぜい弱で、国内と海外の市場変動、とりわけインドネシアからブラジルまで新興市場の変動の影響を受けやすい。そして日本経済のメカニズムについて国内民間需要への依存度を高めるよう改造すべきだとの議論が活発であるにもかかわらず、依然として政府支出と輸出に大きく依存しているのが現状だ。

 国際通貨基金(IMF)の日本経済審査を統括するアジア太平洋局副局長のジェリー・シフ氏は先週、ワシントンのピーターソン国際経済研究所での講演で、「アベノミクスは良いスタートを切った」が、同時に「ある意味で、困難な仕事がまだ残されている」と述べた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によるエコノミスト調査では、第3四半期の日本の実質GDP伸び率は年率換算で1.7%にとどまり、米国の2.8%を下回る見通しだ。これは主要7カ国(G7)中で最大だった第1、第2四半期の日本の伸び率3.8%と4.1%の半分以下にとどまる。

 日本の景気鈍化見通しの影響は、日本以外にも及ぶだろう。世界中の政策立案者が、日本が30年ぶりに復活すれば世界経済のけん引役になると期待してきたからだ。安倍首相自身、今年に入って成長戦略を発表した際、「今こそ日本が世界経済回復のエンジンになるべき時だ」と述べていた。

 少なくとも現時点では、日本は世界の成長をけん引しているというよりも、むしろ軟調な海外市場によって足を引っ張られている状態だ。今年夏に景気が減速したとみられる理由の一つは、過去数カ月間、輸出が減少していることだ。WSJのエコノミスト調査では、第3四半期に輸出が2%近く落ち込んだと推定されている。これはそれに先立つ6カ月間、2ケタの伸び率だったのとは対照的だ。

 財務省によれば、問題の大半は、日本の全輸出先の3分の2を占める新興市場諸国にある。IMFは、世界経済の成長予測を下方修正した。これは、新興市場諸国の成長が最近鈍化したことを受けたもので、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和策をいつまで続けるかをめぐる不透明感で、新興市場国の市場が動揺したためだった。

 ソニーの加藤優・最高財務責任者(CFO)は先月、不調だった四半期決算と通期の利益予測の下方修正について記者団に説明した際、環境は予想以上に厳しいと述べ、その理由として新興市場の鈍化を挙げた。同社の神戸司郎業務執行役員(SVP=上級副社長)は厳しい環境がしばらく続くと述べ、中南米と中東の弱さを挙げた。

 アベノミクスからの当初のもう一つの成長けん引役だった旺盛な消費支出も衰え始めている。当初の楽観論台頭の結果、東京市場の株価は急騰し、富裕消費者層が財布のひもを緩めた。しかし株価はその後、政策シフトに慣れるにつれて横ばいになり、それと同時に消費支出も頭打ちとなった。第3四半期の個人消費は年率換算でわずか0.4%増と、過去4四半期で最も弱いペースにとどまったと予想されている。第2四半期実績は3.0%増だった。

 第3四半期に景気を押し上げた要因のうち大きかったのは、政府の公共工事支出だ。今年国会によって承認された10兆3000億円(約1040億ドル)の包括的刺激策の結果、インフラ関連支出は年率35%増加し、他の分野の弱さを相殺した公算が大きい。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は輸出が弱い時、政府が大盤振る舞いして経済を前進させるが、そのパターンは「あまり変わっていない」と述べた。

 政府は来年もまた、5兆円の政府支出を計画している。しかし、公的債務比率がGDPの200%と、米国の2倍以上になっており、日本政府がこうしたペースで支出を続けるのは厳しくなってきている。

 消費者支出は、向こう6カ月間、加速して成長を押し上げるのはほとんど確実だが、この支出は人為的、一時的に水膨れしていると広くみられている。債務を抑制するため法制化された来年4月の消費税引き上げを控えて、消費者が購買意欲を高めたからだ。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304368604579190480060972194.html?mod=WSJJP_hpp_MIDDLENexttoWhatsNewsThird

[12削除理由]:無関係な長文多数

06. 2013年11月12日 10:40:29 : BDDFeQHT6I
当然、金が無ければ割増退職金などリストラの最大の武器が使えない、儲かっている内にリストラで収益構造を改善しようとするのは自然な流れだ。
問題は一部の企業だけが儲かる仕組みではリストラされた人の受け皿が無いことだ、世の中全体が好況ならリストラされても次の働き口はすぐ見つかるが不況下でリストラされるとたちまち路上生活者に転落する。


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