01. 2013年11月11日 12:37:18
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ドイツの書籍売上高が3年連続マイナスに 価格保護の崩壊を懸念、業界団体は書籍を自由貿易協定の対象外にと主張 2013年11月11日(Mon) シュピッツナーゲル 典子 毎年恒例のフランクフルト書籍見本市が10月9日から13日まで開催された。今年はブラジルをゲスト国として迎え、約28万人の入場客で連日賑わった。 書籍見本市開会式プレス会議にて・左より学術出版社ワイリーCEO・スミス氏、ドイツ図書流通連盟CEO・ホーネフェルダー氏、フランクフルト書籍見本市CEO・ボス氏(筆者撮影、以下同) 開会式の席上で、ドイツ図書流通連盟CEOゴットフリード・ホーネフェルダー氏は、「過去3年連続で書籍の総売上高が減少している。
一方、インターネット通販(以下ネット通販)の書籍売上高は、ここ10年ほど毎年10〜20%増の高成長を遂げている」と、報告した。 紙書籍と電子書籍がどう共存していくかが問われる現在、ホーネフェルダー氏はドイツ書籍業界の行く先の不安を明かした。 堅調な業績を達成し続けてきた独書籍業界は、今後、欧米間の自由貿易協定で書籍価格の保護が機能しなくなるのではとやきもきしている。 ドイツ書籍業界の現状 2013年フランクフルト書籍見本市のゲスト国、ブラジルの展示場にて まず、ドイツの書籍業界の現状を紹介したい。
ドイツ書籍業界の主軸は、フランクフルトに拠点を置くドイツ図書流通連盟。 この連盟は書籍流通の促進をはじめ、製作部門(出版社)、書籍取次部門、流通販売部門(代理店や書店)を統合し、図書取引事業の利害を代表する団体だ。 1825年に創立し、書籍価格の保護や著作権保護を中心に、国内外の書籍業界の交流を通して民間の立場で意見や提案を政府へ主張し、業界の活性化を図っている。現在、この連盟の加盟者数は、およそ5400。 同連盟によると、2012年の書籍総売上高は、約95億2000万ユーロ(約1兆1768億円)。 前年の売上高は96億ユーロというから0.8%の減少だ。書店での売上高は、約46億ユーロ(約5980億円)。書籍総売上高の50%弱を書店が占めるが、2011年比で3.7%の減少。 毎年書籍見本市開催中にノーベル文学賞が発表される。受賞が期待された村上春樹氏のポスターがあちこちに見られた 国内の書店数(キオスクやデパートなどの書籍販売コーナーも含む)は、6693店。そのうち、いわゆる街の本屋は4137店。その70%以上がネット販売に対応し、売り上げ増に務めている(ドイツ連邦統計局2011年)。
書店員の育成は、ドイツ図書流通連盟の運営する職業学校や各州にある州立専門学校が担当している。 だが、書店減少と書籍のデジタル化の影響を受け、書店員希望者も減少中だ。 書店員として職に就くには、書店で実習生として仕事を学びながら前出の学校で専門知識を習得し、終了後にはドイツ商工会議所の試験に合格すると書店員として就職できる。2012年は443人が同所の試験に合格し、書店員として職に就いた(2011年は650名)。 ネット通販と電子書籍の市場浸透で揺らぐ書籍業界 ヨハン・ラーファー氏の料理ショーには書籍業界関係者の人だかりが ドイツ書籍の価格は出版社が設定し、書籍価格の保護法により価格の全国統一が定められている。
この保護法により、これまで小規模の書店の存続にも効果を上げていた。 しかし、ネット通販やデジタル書籍の台頭で、国内の大手書店タリアやフーゲンドゥーベル、ウェルトビルドもそのあおりを受け、支店閉鎖や店舗売り場の縮小を強いられている。 例えば、ハンブルク拠点の国内最大手タリア書店。タリアは、支店数を年々増やし、売り上げも順調な成長を遂げていたが、2011年から減少し始めた(2011/2012 売上高:9億1500万ユーロ、約1189億5000万円)。 今年3月現在のタリア支店数は国内外で計283店。タリアは、2010年までに5店、12年に3店、13年に10店が閉店、14年にはすでにハンブルク店の閉店が予定されている。 親会社ドゥグラス(Douglas、香水・化粧品・衣料などを扱う)は、系列会社内の問題児としてタリアの経営作戦を模索中だ。 書籍見本市会場内で開催されたフォーラムやセミナーは大人気 特に、書店経営者が頭を痛めているのは、アマゾンをはじめネット通販の著しい成長だ。
2012年のネットによる書籍通販売上高は、前年比10%強の成長で、15億7000万ユーロ(2041億円)に達した。この額は、書籍総売上高の約19%を占める(ドイツ図書流通連盟2013年6月)。 電子書籍は、総売上高の2.4%(教科書や専門書を除く)を占める程度。だたし、バスや電車での移動中や旅行先での読書に最適と、電子書籍の人気が年々高まっている。 独IT・電子機器の業界団体Bitkomの調査によると、市民の3割弱は電子書籍を利用しているという。裏を返せば、いまだ市民の7割以上が紙書籍を好んでいることが分かる。 また、今年国内で販売される電子書籍端末(タブレット機を除く)は前年比22%増の83万台で、売上高にして8100万ユーロ(約105億円)という。 各国で電子書籍の課税方法が異なる現状、欧米自由貿易協定も悩みの種 活版印刷技術を発明した独ヨハネス・グーテンベルク博物館の展示場では当時の印刷を体験 ドイツ書籍業界が一番危惧しているのは、続々と海外の安価な書籍が流入することにより、書籍価格の保護が崩壊してしまうのではという点だ。
現在、ドイツの紙書籍の付加価値税(日本の消費税にあたる)は7%。一方、電子書籍の税率は19%。紙書籍は文化財という考えに対し、ポジションが曖昧な電子書籍は課税率が高い。 欧米間での電子書籍の課税率に対する見解が異なり、欧米自由貿易協定の妥協点が見えない問題も尾を引いている。これを受けてバローゾEU委員長は、「2014年末までに妥結を目指す」と声明。 例えて言うなら、日本は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で妥協点を探っている。かたやドイツは、欧米自由貿易協定妥結に頭を痛めているといったところだろうか。 ドイツの書籍業界が見本とする国はフランスだ。フランス政府は、欧米間における自由貿易協定の品目からすでに書籍を除外した。 ちなみに、フランス国内の書籍税率は、紙書籍、電子書籍とも7%。 ただし、フランスの電子書籍税率は、欧州加盟国の原則、「電子書籍は文化財ではないため、付加価値税は20%前後」という取り決めを無視した格好で、欧州内でも意見がまとまらず、書籍の税率妥協には時間がかかりそうだ。 「書籍は、文化財として自由貿易協定の対象外とすべしと訴えているが、ドイツ政府の反応は今のところない。政府は早急決断をして書籍業界を守るためにも迅速に動き出してほしい」と、ドイツ図書流通連盟CEOのホーネフェルダー氏。 2014年のフランクフルト書籍見本市ゲスト国はフィンランド。来年の開会式までに書籍業界ではどんな変化があるのだろうか。独書籍業界の行方をめぐる熱い議論は当分止みそうもない。 電子書籍・トレンド紹介会場で、いち早く情報をキャッチしようと集まる各国の業界関係者
今年の入場客は減少したが、国外ジャーナリストは前年比17%増(プレス室にて)
スペインでEU懐疑派が増えない理由 2013年11月11日(Mon) Financial Times (2013年11月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
スペインのマリアノ・ラホイ首相が来年の欧州議会選挙を不安な目で見つめるのには正当な理由がある。世論調査はこれまで、非常に高い失業率と汚職スキャンダル事件の後遺症と戦っているラホイ首相に優しくなかった。 だが、ラホイ首相には、心配しなくていいことがある。他の欧州諸国の指導者と違い、ブリュッセルに対する反対運動を行う極右やポピュリストの動きから来る大きな挑戦に直面していないのだ。欧州連合(EU)懐疑派の政党の台頭は、スペインを通り過ぎている。 スペインには、英国の「英国独立党」やドイツの「ドイツのための選択肢(AfD)」のような反EUの政治基盤に相当するものがない。またスペインは、フランスの「国民戦線」やオランダの「自由党」のような極右の反移民運動を生み出すことなく、5年以上にわたる経済危機を乗り切った。 どのような選挙の洗礼がラホイ首相と同氏が率いる与党「国民党」を持ち受けているにせよ、バスク自治州やカタルーニャ地方の地域政党と中道派の「進歩民主連合」にやられる可能性が最も高い。これらの政党はどこも反欧州ではない。例えば、カタルーニャの民族主義者たちは、自分たちはEUの不可分の一部にとどまるために分離したカタルーニャ国家を望んでいると主張している。 世論調査は、危機に対する欧州の緊縮主導型の対応への不満に駆られて、EUに対するスペイン人の信頼が近年急激に低下していることを示している。だが、そうした怒りが、欧州統合の拒絶や権限をスペインに戻すことを求める声高な要求に変わることはない。スペイン人はまだ、ブリュッセルはマドリードよりも優れた政治指南役だと見なしているように見える。 民主主義とEUは表裏一体 もちろん、そうした態度には最近の歴史が反映されている。スペインの民主主義は誕生してからまだ40年も経たない。40歳以上のスペイン人の大半は、1982年に失敗した軍事クーデターを鮮明に覚えている。そのわずか4年後にスペインが欧州共同体(EC)に加盟した時、多くの人は、欧州の機関を誕生間もないスペインの民主主義の保証人として見ていた。 「スペインは、人々が民主主義とEUを表裏一体と考えている国の1つだ」と欧州外交評議会(ECFR)のシニアフェロー、ホセ・イグナシオ・トレブランカ氏は言う。それは、EUの仕組みや政策に対する不満に勝る態度だ。 大政党に有利に働くスペインの選挙制度はもう1つの重要な要因であり、ブリュッセルへの反感を首尾一貫した政治基盤に成長させることのできるカリスマ的指導者の(現在までの)不在も同様だ。 これに加えて、スペインには他国には存在しない国家主義の側面がある。それは、スペインの右派は移住者よりも分離の脅威のことで頭がいっぱいだということだ。スペインの国家主義者が頭に血を上らせるのは、イスラム寺院の尖塔の光景ではなく、バルセロナのバルコニーに掲げられたカタルーニャ独立旗の光景だ。 恐らくこのことが、スペインの有権者がEU懐疑派や極右の政党に群がらない最も重要な理由につながっている。つまり、移住者の地域社会に対するスペインの温かな態度だ。 移民を受け入れる温かな態度 スペインは、2001年から2009年にかけて400万人を超える移民を受け入れ、人口に占める外国人の割合は3%余りから12%を超えるまで上昇した。さらに2004年には、マドリードがイスラム原理主義のテロリストらが欧州の地で起こした最も破壊的な攻撃に見舞われた。この時はアトーチャ駅の列車爆破事件で191人が死亡した。 移民の急増も列車爆破事件も、激しい反発の引き金にはならなかった。今でも、スペイン人の4人に1人以上が仕事を探しているにもかかわらず、外国人が自分たちの仕事を奪っているとスペイン人が不満を訴えるのを聞くことはめったにない。 外国人に対するスペインの友好的な態度は、極右政党だけでなく、反欧州の政党をも抑制する助けになっている。アナリストらは、移住者に対する敵意とブリュッセルに対する敵意の間には非常に密接な相関関係があると言う。前者がなければ、後者もめったに蔓延しないのだ。 与党が選挙での敗北に備えて心の準備をしているため、ラホイ首相にとっては、こうしたことはどれもほとんど慰めにならないかもしれない。だが、経済的な不安材料にもかかわらず、スペイン人は自分たちの国にやって来た人々を攻撃することは決してなかった。これは、欧州が5月に投票を行う時に認められる見通しの功績だ。 By Tobias Buck in Madrid 小さなイングランドか、大きな英国か 2013年11月11日(Mon) The Economist (英エコノミスト誌 2013年11月9日号)
英国は、心地よい孤立か、緊張感のある開放性かの選択を迫られている。選ぶべきは開放性だ。 英国旗でいっぱいの目抜き通り、ロイヤルウエディングで 英国が岐路に立っている〔AFPBB News〕 先行きが最も不穏な欧州の国はどこかと聞かれれば、多くの人は経済の崩壊に苦しむギリシャかイタリアを挙げるだろう。フランスと答える人も少しはいるかもしれない。何しろフランスは、国家主義的モデルの失敗をいまだに受け入れられずにいる。 英国を選ぶ人はほとんどいないだろう。英国はこれまで、比較的うまく危機を切り抜けてきたからだ。 だが、世界における英国の地位は、過去数十年に比べて不確かなものになっている。2014年5月の選挙では、有権者が欧州連合(EU)を毛嫌いする英国独立党(UKIP)の一団を欧州議会に送り込む可能性が高い。 さらに9月には、スコットランドで独立を巡る住民投票が控えている。2015年には総選挙がある。そして2017年末か、場合によってはそれより前に、EUからの離脱か残留かを問う国民投票が実施される予定だ。 そのすべてをくぐり抜けた後の英国は、今よりも小さく、内向きで、世界にあまり影響力を持たない国になっているかもしれない(政治が分裂している可能性もある)。一方、今より効率化し、自国のアイデンティティーと欧州での地位に自信を持った外向きの国になっているかもしれない。この2つのシナリオを、それぞれ「リトルイングランド」と「グレートブリテン」と呼ぶことにしよう。 信じ難いほど縮小する国 多くの意味で、現時点の英国には良いことがたくさんある。ユーロ圏の経済が停滞しているのをよそに、英国は力強く低迷から脱しつつある。政府は危機を利用して無駄を刈り込んだ。 英国が長く訴えてきた、EUの機能を縮小し、官僚主義を排し、企業の負担を緩和すべしという主張を、欧州大陸諸国がようやく受け入れ始めている。英国にとって大きな利益となる、サービス分野の単一市場の深化さえ話題に上っている。 ロンドンには相変わらず、才能ある人材や資本や企業が流れ込んでくる。国民1人当たりで見た場合、英国が外国から集める直接投資は先進国平均の2倍近い。その背後にあるのが、よそ者をオープンに受け入れてきた英国の歴史だ。その伝統の大部分は、経済危機の間も生き続けてきた。 英国人は移民を敵視しているものの、新参者を社会に同化させ、生産性の高い一員に変えることには優れている。EU加盟国のうち、学校の中退者数が、もともとの自国民よりも移民の方が少ないのは2カ国だけで、そのうちの1つが英国だ(英国で最も憂慮されるのは、貧しい白人英国人が多い地区だ)。 だが、これからの数年で、そのすべてが崩れ去る可能性がある。英国が縮小する最も直接的な道筋は、来年9月の住民投票でスコットランドが英国からの離脱を決めることだ。スコットランドが独立すれば、英国の規模は一気に3分の2に縮小する。世界における影響力は大幅に削がれるはずだ。自国を束ねられない国が、他国の問題にとやかく口を出す立場に立つことなど、到底できない。 EU離脱を巡る国民投票は、2012年にデビッド・キャメロン首相が実施を約束したものだ。保守党内の「リトルイングランド」支持者を黙らせ、英国独立党を撃退しようとしてのことだったが、それも虚しい試みだった。労働党党首のエド・ミリバンド氏も追随するかもしれない。 EUから離脱すれば、英国は自国の輸出の半分を受け入れる経済圏の形に口を出す権限を失うことになる。そして、英国がこれまで、その権限をよい方向に行使し、EUをオープンで寛容、自由貿易の方向に動かしてきたことを考えれば、その損失は欧州の損失でもある。 さらに悪いことに、EU離脱を巡る国民投票により、保守党が分裂する恐れもある。特に、キャメロン首相が2015年に再選を勝ち取られなければ、その可能性は高くなる。 さらに、いくつかの愚かな政策に固執すれば、英国は孤立を深め、ますます島国化することになるだろう。本誌(英エコノミスト)の特集記事でも触れているように、移民や入国者への制限政策は、経済に悪影響を与えている。 学生、特にインド出身の学生は、もっと快く受け入れてくれる(そしてもっと日当たりの良い)国に流れつつある。企業は、外国人労働者を雇うのが、熟練労働者でさえ難しくなっている。それが英国の輸出力を損ねている。 キャメロン首相は、既にいくつかの点で譲歩をした。例えば、中国では英国ビザを多少は取得しやすくなった。また、新興6カ国からの入国者に対して、逃亡を防ぐために多額の保証金を課すという常軌を逸した計画も撤回した。だが、移民に対する英国政府の姿勢は、完全に間違っている。英国の移民政策は、まずはじめに障壁を設け、悲惨な結果が明らかになってようやく緩和するというやり方なのだ。 EU離脱、スコットランドの独立、党の分裂――キャメロン首相の責任 英国の縮小のシナリオは、避けられないものではない。もっと明るいシナリオでは、英国は分裂せず、欧州にとどまり、EUの競争力向上と無用の官僚主義の撤廃を目指して戦う。EUでもその他の地域でもサービス市場に圧力をかけて徐々に自由化を進め、英国の弁護士や会計士が活躍できる大鉱脈を生み出す。 移民に対しては、愛するとまではいかなくても、今よりは寛容になる。最大の輸出産業である金融サービスのバッシングさえ止める――そんなシナリオだ。 「リトルイングランド」シナリオに向かうか、「グレートブリテン」シナリオに向かうか、その違いはリーダーシップにある。キャメロン首相がまず手をつけるべきは、首相が最も大きな決定権を持っている問題、すなわち移民政策の転換だ。 移民の自由化を進めれば、企業を活性化し、財政収支を健全化し、経済の規模に比較して政府の規模を縮小できるだろう。移民、とりわけ東欧からの移民は、彼らが消費する公的資源よりもはるかに大きな利益を生み出す。そのことはキャメロン首相もミリバンド氏も認識しているが、2人とも移民の流入に対する世間の敵意に怖気づいている。 欧州問題についても、英国の指導者たちは、臆病に世論に追従するのではなく、世論を導く努力をする必要がある。ミリバンド氏の政策は明らかになっていない。キャメロン首相の姿勢はこれまで、心配になるほどブレてきた。キャメロン首相は、英国はすべての国に利するようなEUの改革に力を注ぐと言ったかと思えば、内容を明確にしないまま、要求が満たされなければ離脱すると脅しをかけたこともあった。 賢明なのは、前者の選択だ。その道を取れば、英国の破滅的な離脱に至る可能性が低くなると同時に、EUがさらなる自由化に成功する可能性も高まる。 スコットランドについては、キャメロン首相もミリバンド氏も、「グレートブリテン」シナリオを支持している。だが、決断はスコットランド人に委ねられている。スコットランドは、北海の油田や天然ガス田の大半の保有権を維持できると仮定すれば、独立しても当面ある程度の経済的な自立は可能だろう。だが、北海の天然資源は枯渇しつつある。 英国の輝かしい未来のために 独立国としてのスコットランドは、石油価格に対してであれ銀行に対してであれ、ショックを吸収するには規模が小さすぎる。そして分離独立派は、通貨としてポンドを維持しながらどのように国を運営していくのか、その点を説明できていない。我が身を大切に思うのなら、スコットランドの有権者は、たわ言まがいの政治的主張にノーを突きつけるべきだ。 英国はかつて、世界を支配していた。大英帝国が崩壊して以来、英国は時折、体を丸めて隠れたがるようなそぶりを見せてきた。だが今は、逃げ隠れは許されない。最も輝かしい未来を実現できるのは、世界とのかかわりをしっかり保った、開かれた自由主義的な貿易国としての英国だ。政治家たちはそれを認識し、時には口にも出している。今は、その実現のために戦わなければならない。
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