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ただの赤身肉が…/(C)日刊ゲンダイ
ホテル厨房ウラ事情…海外の廃牛肉が日本で“霜降り”に化ける
http://gendai.net/articles/view/life/145781
2013年11月8日 日刊ゲンダイ
激安焼き肉店ならともかく、有名ホテルが牛脂注入の加工牛肉を使っていたとは驚きである。
大阪新阪急ホテルではステーキに使い、同系列の宝塚ホテルでは「やわらかビーフ」とか「柔らか牛肉」と表示してビーフソテー、サイコロステーキなどに利用。さらに、近鉄グループの7ホテルでも牛脂注入肉が使われていたことが判明した。
一般には聞き慣れない言葉だが、肉好きなら知らぬ間に口にしているのが牛脂注入肉だ。
どんな肉かというと、肉質の硬い赤身牛肉に牛脂液を注入した人工霜降り肉のこと。ショ糖エステルなどの乳化剤で牛脂の塊を液状化させ、注射針を束ねたような自動器具でそれを赤身に注入すれば、客を欺く霜降り肉が出来上がる。
その際、牛脂液と一緒に注入するのが、食肉業界ならではの“軟化剤”だ。うま味成分のアミノ酸を引き出し、同時に肉も軟らかくする。
搾乳効率が落ちたホルスタイン種や、出産能力が低下した繁殖用老齢牛は本来、“廃牛”扱いとなり、屠畜・解体される。オーストラリアでは、その種の硬い肉は動物園で肉食獣のエサにされるのが関の山だ。
<和牛の牛脂を混ぜればバレない>
とはいえ、世界一の畜産国だけに動物園だけでは始末しきれない。そこで大量の廃牛肉が日本に押し寄せてくる。それが牛脂注入によって霜降り肉に化けるのだが、食肉加工業者によれば、「牛脂は和牛のものを注入するのが鉄則」だ。そうすると、和牛のうま味と香りがのり移り、肉食獣のエサが大変身。一気に商品価値が高まり、全国の大手スーパーにも並ぶし、ファミレスや焼き肉店では“極上霜降り肉”“高級カルビ”になったりする。
また、細切れにすれば、サイコロステーキになるが、これには別の作り方もある。寄せ集めのクズ牛肉を結着剤のカゼインナトリウムとアルカリ性糊料などで練り固め、それに牛脂を注入して完成させるのだ。ただし、あくまでも成型肉だから、カレーやシチューなどの煮込み料理ではバラバラになってしまう。
問題なのは、細切れのクズ肉ゆえに、全体が外気にさらされ、汚染(細菌付着)のリスクが高いこと。それが固められることで細菌が内部に閉じ込められるため、衛生管理や調理に不手際があれば、食中毒を引き起こす危険性があるし、すでに相当数の被害者が出ている。
牛脂注入肉は、脂によるうま味と引き換えにカロリーを増加させているので、高血圧症や血糖値が高い肉好きは過食に注意すべきだ。一方、細切れ肉の接着をよくするため、リン酸塩が添加されていることにも要注意。リン酸塩の取り過ぎはカルシウム吸収を阻害して骨をもろくさせ、また動物実験では、腎臓結石ができることが確認済み。
牛脂注入肉などは、どう考えても有名ホテルが扱うべき食材ではない。
【ルポライター 吾妻博勝】
▽あづま・ひろかつ 福島県生まれ。放射能に汚染された山菜の出荷を告発して話題に。著書に「おいしい野菜の本当はこわい話」「コメほど汚い世界はない」「回転寿司『激安』のウラ」「初心者でもわかる人気食品の危険度」「新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街」など。
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