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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131108/dms1311080723005-n1.htm
2013.11.08
景気回復で税収が上ぶれしてきた。財務省が1日発表した租税及び印紙収入額調によると、今年度上半期(4〜9月)の税収実績は、前年比で所得税5・5%、法人税3・6%、消費税5・7%、税収等全体が4・0%と伸びている。
今年度予算で見込んだ税収に対する税収実績は、所得税6・2%、法人税14・3%、消費税2・8%、税収等全体5・9%とかなりの上ぶれだ。
税収等は下半期に大きなウエートがあるので、上半期だけから判断するのは難しいが、これまでのところ、景気の好転によって税収は好調である。特に法人税が今年度予算の8・7兆円より2〜3兆円多くなる見込みだ。
こうしたときに、政府は来年度から消費税を増税し、予算案から3兆円削減する緊縮財政の方針だという。一方で、今年度中に消費税増税対策として5兆円の補正予算を組むことをすでに約束している。
これは、ストップアンドゴー政策の典型である。ただでさえ、来年度は消費税の駆け込み需要の反動や消費税そのものの景気抑制効果がある。それぞれ成長率に与えるマイナス効果は、0・7%と0・9〜1・5%程度で、併せて1・6〜2・2%程度もある。その上に、3兆円の歳出カットでは、マイナス効果を上乗せすることになりかねない。
来年度予算では、各省庁が消費税増税を見越して、あれもこれもと予算を要求しまくった。結果、過去最高額の概算要求となったわけなので、その水膨れ分を予算編成でカットするのは、財務省の自業自得であり当然だ。
そもそも、今の財務省は財政再建を本気で考えているのだろうか。過去の歴史をみても、財政再建のために増税(=税率の引き上げ)をするというのは、まったくの愚策である。
増税を打ち出せば、予算上の税収見積もりが増加するので予算上の歳出が膨らむ、となると、各省ともに予算要求が大きくなるのは当たり前だ。だから、増税を主張せずに同時に景気を良くして結果としての税収増になることで財政赤字を縮小させるのが王道だ。今の財務省は、歳出権の拡大を目標としていて、予算要求が増えるのを歓迎しているかのようだ。
もし財務省が財政再建でなく歳出権の拡大を目指しているというのなら、皮肉なことだが、今の日本経済にとって最悪ではない。消費税増税のような行動は全く困りものだが、歳出をその分増やすなら次善の策になる。もっとも、増税しないことが最善であるのはいうまでもない。
今回の3兆円の歳出カットも水ぶくれ分だけで、財務省のポーズと考えたい。そうすれば当初予算ベースでは一応格好がつく。そして、来年度も補正予算で大盤振る舞いすれば、最悪の事態は回避できる。ただ、財務省は金を徴収して配るのが目的だから、歳出ばかりで減税は嫌うのは困ったことだ。
ただ、歳出権を拡大したいあまり、税収中立など経済への影響を排除するという観点は今の財務省にない。それが表に出すぎるとまずいことになる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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