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マネーという怪物 欧州中央銀利下げ、過去最低水準 (ひょう吉の疑問) 
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/682.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 08 日 07:46:00: igsppGRN/E9PQ
 

マネーという怪物 欧州中央銀利下げ、過去最低水準
http://blog.goo.ne.jp/akiko_019/e/a1f86a867f1ab0e293123b0abcfe2b62
2013-11-07 23:15:09  ひょう吉の疑問


ヤフーニュースより
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131107-00001219-yom-bus_all

欧州中央銀利下げ、0・25%に…過去最低水準

読売新聞 11月7日(木)22時0分配信

 【ロンドン=五十棲忠史】欧州中央銀行(ECB)は7日の理事会で、ユーロ圏17か国に適用する政策金利を0・5%から、0・25%に引き下げた。

 ECBの利下げは今年5月以来半年ぶりで、0・25%は過去最低の水準となる。

 10月31日に発表されたユーロ圏の消費者物価(10月)は、前年同月比0・7%の上昇にとどまった。
ECBが政策運営の目標としている「2%未満だが2%に近い水準」を大きく下回り、デフレに陥る可能性が高まったことなどから、利下げに踏み切った。
ECBのドラギ総裁は、理事会後の記者会見で、利下げに踏み切った理由について、「消費者物価の上昇率が1%を下回った」ことなどを挙げた。
今後については「必要がある限り(金融緩和を)続ける」と述べた。

最終更新:11月7日(木)22時50分

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【私のコメント】

世界中が金融緩和だらけ。
アメリカも、日本も、そしてヨーロッパも。
アメリカは、QE3の継続による量的金融緩和。
日本はアベノミクスと黒田日銀の量的金融緩和。
ヨーロッパは金利引き下げによる金融緩和。

ジャブジャブのマネーは今後どうなるのか。
世界中がジャブジャブになったとき何が起こるのか。

これは通貨安競争でもある。
まず最初にドルが下がった。これはドル・ショック以来続いている。
つづいて日本の円が下がった。これがアベノミクスである。
今度はユーロが下がる。

通貨安競争は近隣窮乏化策などと言われるが、近隣どころか、世界中が窮乏化する恐れがある。
ヨーロッパ(EU)は、アベノミクス当初から日本に対して批判的であった。
そのことは十分理解できる。
ユーロだけが高くなるのだから。
自国通貨が高くなれば輸出が伸びない。

そんな中でアメリカの株価だけが最高値を更新している。
日本は今まで富をアメリカに奪われていたが、昨年からのアベノミクス効果により、今年日本企業は息を吹き返しつつある。
先進国ではユーロ圏だけが出遅れている。

アメリカがして、日本がしていることを、ヨーロッパがしていけないわけがない。
だからこのことを批判することはできない。

しかし世界中にお金がジャブジャブにあふれた時一体どうなるかは、正確に言い当てた人はいない。

正確には言えないが、このような国際金融の状態は何かおかしい。
物を作らず、お金を刷るだけで、またはお金をまき散らすだけで、世界経済がよくなるとは思えない。
誰もが思う素朴な疑問だと思う。

今先進国だけが潤おうとしている。
東南アジアなどの発展途上国にしわ寄せが来るだろう。
ドル安・円安・ユーロ安とくれば、東南アジアなどの自国通貨は切り上がるだけだからだ。

日本の安倍政権はべったりとアメリカにへばりついているが、ヨーロッパはアメリカに対して対抗姿勢をみせているようだ。
アメリカがドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していたことなどとも関係があるかも知れない。

日本は今、日本版NSCなる言葉でごまかされようとしているが、国家安全保障会議なるものが設置されようとしている。
それと抱き合わせる形で、特定秘密保護法案なるものも国会で審議されようとしている。
要はアメリカの戦争を擁護するためのものだ。

ヨーロッパもその仲間入りをしようとしているのか、それともアメリカとの対決姿勢を明らかにしようとしているのか、どちらなのかはわからないが、
今の世界情勢が、経済的にも軍事的にも非常に不安定な状況にあることは見て取れる。

日本は民主党政権誕生時にはそのようなことから距離を置こうとしていたが、菅直人が首相になった時から方向が変わった。
そしてそれが安倍政権になってアメリカべったりになった。
まさに第二の小泉政権さながらである。

次には中国が金融緩和に動き出すだろう。
中国のシャドーバンキングの実態はよくわからないが、日本では中国経済の景気減速が必要以上に伝えられている。
そもそもシャドーバンキングなる言葉が一体誰が名づけたのかさえよくわからない。
中国のPM2.5の被害状況もことさらに強調されているように思える。
これから冬場にかけて日本にそれが西風に乗って流れてくることをマスコミは一大事だとばかりに伝えているが、本当にそうなのかどうかはわからない。


ヨーロッパが金利を引き下げれば、理屈上はユーロ安になる。それは裏を返せば日本の円がユーロに対して高くなることでもある。つまり円高になることである。

今TPPなどの貿易面でも、日米間の軍事面でも、通貨安競争という金融面でも、何か大がかりな操作が行われている。
日本に設置されようとしている国家安全保障会議は議事録さえ残さないという。
特定秘密保護法案とあわせて、国家ぐるみで秘密を作ろうとしているように思える。
国民には何も知らされないまま、怪物のように国家が動き出そうとしている恐ろしさを感じる。

まずはマネーという怪物が暴走しそうだ。


 

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コメント
 
01. 2013年11月08日 13:23:01 : nJF6kGWndY

>通貨安競争は近隣窮乏化策などと言われるが、近隣どころか、世界中が窮乏化

バカか


02. 2013年11月08日 16:53:54 : hViZKmZ9hk

>物を作らず、お金を刷るだけで、またはお金をまき散らすだけで、世界経済がよくなるとは思えない。

物はたくさん作ってるでしょ。
お金が足りないからデフレになるの。
 


03. 2013年11月08日 18:05:20 : e9xeV93vFQ

 
米政府機関、一部閉鎖による損失は数十億ドル=行政管理予算局
2013年 11月 8日 14:36 JST
[ワシントン 7日 ロイター] - 米ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)は7日、16日間の政府機関閉鎖による経済的損失に関する報告をまとめ、閉鎖によって数十億ドルの政府資金が無駄にされ、政府の機能に頼る個人・企業に打撃を与えたとの見解を示した。

OMBは、民間セクターのアナリストの試算を引用し、政府機関閉鎖が第4・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率を0.2─0.6%ポイント押し下げる見込みとしている。

またホワイトハウスの経済諮問委員会の分析を引用して、雇用創出を12万人程度圧迫したと指摘した。

さらに、閉鎖で提供できなかった行政サービスの損失は20億ドルに上るとした。

OMBのシルビア・マシューズ・バーウェル局長は、民主党のバーバラ・ミクルスキ上院議員の要請で報告をまとめたとし、ホワイトハウスは政府機関閉鎖の影響を記録しておきたかったと語った。

財政協議をめぐる議会の対立で生じた政府機関の閉鎖は政府からの融資や認可の申請に加え、税還付の手続きなどで個人・企業にもさまざまな影響を及ぼした。

OMBの報告によると、閉鎖によって土地管理局は約200件の掘削申請の認可プロセスが滞り、連邦政府所有地でのエネルギー開発に遅れが生じた。

輸出入免許の付与や貿易促進活動が停止したことで国際貿易にも影響が広がった。

米議員らは上院と下院での予算案をめぐる対立点を議論するための協議を開始している。民主、共和両党とも政府機関が再び閉鎖される事態は避けたい意向だが、歳出と税をめぐる両党の溝は深い。

議会はさらなる政府機関の閉鎖を回避するには1月15日までに予算案で合意する必要がある。

 


 

ECBの利下げ決定、独連銀総裁ら3人以上が反対−関係者 

  11月8日(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)の7日の利下げにはドイツ連邦銀行(中央銀行)のバイトマン総裁と少なくともあと2人の政策委員が反対したと、ユーロ圏中銀の当局者4人が明らかにした。
関係者の2人が匿名を条件に述べたところによると、バイトマン総裁のほか、伝統的に独連銀と同調する国の政策委員らはECBの最新景気予測やより多くのデータが出そろう12月まで利下げの決断を待ちたい考えだった。利下げはECBのチーフエコノミストであるプラート理事が提案し、フランス中銀のノワイエ総裁らから支持を得たという。アスムセン理事は利下げに反対したと関係者の2人が述べた。ECBの報道官はコメントを控えた。
ECBは7日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、0.25%とした。4年ぶり低水準に落ち込んだインフレ率が物価安定維持の責務遂行を脅かすと判断した。決定は「十分な過半数」によって支持されたとドラギ総裁は述べた。ブルームバーグの調査に答えたアナリスト70人のうち利下げを予想したのは3人のみだった。予想外の利下げ決定を受けてユーロは7日急落した。
関係者によれば、11月の利下げには23人で構成する政策委員会のメンバーの約4分の1が反対した。このグループは12月まで待って、利下げを流動性措置と組み合わせたより大型のパッケージを検討することを望んだと関係者の1人が述べた。
17カ国の中銀総裁と6人のECB理事会メンバーで構成する政策委員らは決定会合での投票行動を開示しない。
独誌シュピーゲルはECBが7月に利下げを検討したものの、バイトマン氏とアスムセン理事を含む7人が反対したと当時報じていた。オランダやオーストリア、フィンランドは今までに独連銀と同調してきたが、関係者はこの日の利下げにどの国のメンバーが反対したかは明らかにしなかった。 
更新日時: 2013/11/08 17:06 JST


 


 
フランスを「AA」に格下げ、低成長が財政改善の足かせ-S&P 

  11月8日(ブルームバーグ):格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、フランスの信用格付けを引き下げた。低成長が財政改善に取り組む政府の足かせになるとの見通しを示し、オランド大統領の改革の成果に疑問を投げ掛けた。
外貨建てと自国通貨建ての長期格付けは1段階引き下げられ最上級から3番目の「AA」となった。S&Pは2012年1月にフランスの格付けを最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げていた。
フランスが金融危機後のリセッション(景気後退)からの回復に苦戦している状況が浮き彫りになった。オランド大統領の労働法や所得税改革はフランスの競争力低下に歯止めをかけられていないと、欧州連合(EU)の欧州委員会が5日の報告書で指摘していた。
S&Pは発表資料で、格下げは「税制および製品、サービス、労働市場に関する財政および構造改革への仏政府の現在のアプローチが同国の中期的な成長見通しを大きく改善させることはないとの当社の見解を反映したものだ」と説明。「既に高い税水準をさらに引き上げる政府の一連の動きが財政の柔軟性を損なっている。総支出を大きく減らす政府の能力も欠けている」と指摘した。
フランスは7月にフィッチ・レーティングス、昨年11月にムーディーズ・インベスターズ・サービスの最上級格付けを失った。
欧州委と仏政府は今年の成長率を0.2%、来年を0.9%と見積もっている。2015年位は1.7%に加速する見込み。
原題:France Credit Rating Cut to AA by S&P on Weak GrowthProspects(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Shamim Adam sadam2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Stephanie Phang sphang@bloomberg.net
更新日時: 2013/11/08 16:37 JST

[12削除理由]:無関係な長文多数

04. 2013年11月08日 18:21:46 : e9xeV93vFQ
2013年 11月 08日 12:19 JST
ECBの政策判断発表前からユーロ急落、高速取引との関係は不明

By IRA IOSEBASHVILI
 欧州中央銀行(ECB)は7日、通常の政策判断発表時刻よりも数秒遅れで予想外の利下げを発表したが、その間、まだ何も手掛かりがない状態でユーロが下落し始めるという動きが見られた。

 ユーロがドルに対して急落し始めたのは、ECBが主要政策金利を0.5%から0.25%に引き下げると記者団に発表する30秒以上も前のことだった。ECBが発表を終えたころには、ユーロは1.3500ドル台から1.3458ドルまで下落していた。この下げは、ECBの利下げ発表直前と直後の数分間に見られた下げ幅の約半分だった。

 ファロス・トレーディングのマネジングディレクター、ブラッド・ベクテル氏は「ユーロは下げ始めたが、材料は何もなかった」とし、「明らかにおかしな動きだった」と述べた。

 外為市場では、1000分の1秒単位での売買が可能な「アルゴリズム」と呼ばれる自動売買プログラムが普及した影響などから、重要な発表が行われる前に相場に異常な動きが見られることが増えている。

 5月には、好調な内容だった米雇用統計の発表前に円安・ドル高が進行し、市場関係者を動揺させた。さらに1年前には、米雇用統計が発表され、予想を下回る内容だったことが明らかになる数秒前に、ドルが円に対して急落したこともあった。

 ECBが7日に利下げすると予想していたストラテジストも一部いたが、ウォール・ストリート・ジャーナルが今週実施した調査では、大方の市場参加者が利下げを見送ると予想していた。

 ECBはフランクフルト時間の午後1時45分(日本時間午後9時45分)に記者団に向けて政策判断を発表する予定だったが、実際は数秒遅れた。利下げの一報がメディアで報じられたのは、通常よりも30秒ほど後のことだった。

 一部の市場観測筋によると、重要な声明や統計の発表前には売買が薄くなることが多いが、そのタイミングに乗じて投資家が売りを仕掛けたことが7日のユーロ急落の原因かもしれない。

 投資家は、重要な政策発表が予定されている場合、取引している通貨ペアについて足元の水準よりも高い、あるいは低い水準に「ストップロス」として知られる注文を置いて発表に備えることが多い。アルゴリズム取引では、何らかの発表がある前にこうした注文を一気に執行させることが時折ある。売買高を急増させることで他の参加者も取引に巻き込もうという思惑のためだ。

 相場が上下に動く中、こうした高速取引を手掛けるトレーダーは瞬時に売買を繰り返し、わずかな値動きで利益を上げる。

 タブ・グループのアナリスト、ポール・ロワディ氏は「混雑した劇場の中で『火事だ』と叫ぶようなものだ」とし、「こうしたトレーダーは相場を動かそうとしている。商いが薄い状態では、この動きで相場に一定の変動が生じる」と述べた。

 ロワディ氏は、為替直物市場の透明性が不足していることを理由に、7日の値動きが実際にアルゴリズム取引によるものかは判断しかねると語った。


 

 
MONEYBEAT2013年 11月 07日 15:28 JST
ユーロ圏はデフレかデフォルトか―ECBの選択肢狭まる

 欧州中央銀行(ECB)は7日に定例理事会を開くが、どの問題よりも政策担当者を苦しませるとみられる不安材料がある。それはユーロ圏が気掛かりなほどデフレに傾いているということだ。

 ただ、ECBの理事会メンバーが自分自身に正直になれば、物価下落はユーロ圏が抱えている経済問題の解決策だということに同意するだろう。

 デフレが理想的な解決策だと言っているわけではない。むしろ、デフレは過酷な解決策だ。それでも、ユーロ圏の政策担当者に、他の先進諸国が追求している金融面や財政面の対策を導入する意志も能力もないとすれば、デフレは唯一の選択肢だ。

 デフレとは、物価水準全体が恒常的に下落する状態を指す。インフレ率の減速を示すディスインフレや、一部産業での限定的な値下げとは異なり、このデフレという経済全体に及ぶ現象は、世界恐慌や日本が完全な脱却にいまだ苦労している「失われた20年」といった景気の不振に伴って起きる傾向がある。デフレにこうした悪いイメージが付きまとうのは、物価の下落(この結果、名目ベースでの賃金や所得が減少する)は自己増幅的に進むことが多いためだ。デフレが予想される状況では、消費者や企業は今後物価が下がると見込み支出を抑えるようになる。その結果、経済活動が停滞し、さらなるデフレ圧力が生じる。

 ただデフレには、その国の世界的な競争力を高めるという一定のメリットもある。デフレ国の輸出品は割安になり、やがてその国を生産拠点として考えた場合の費用対効果が向上するため、海外から投資を呼び込むことができる。

 しかし、国民の所得を減らすことには痛みが伴う上、物価下落が執拗(しつよう)に自己増幅を繰り返すというリスクもあるため、競争力を向上させる手段としては、デフレよりも通貨切り下げのほうが圧倒的に得策と言える。通貨切り下げの場合、調整に伴うコストの一部を海外の生産者に転嫁することになる。

 問題は、欧州が為替をユーロ安に誘導できそうもないことだ。ユーロ圏の成長率は米国や日本のそれを下回っているが、ユーロの対ドル、対円相場は約2年ぶりの高値圏にある。このため、責任追及の矛先は、ECBによるソブリン債購入を制限しているECB憲章に向かうことになる。ECBがこうした手段に出ればユーロ紙幣を増刷する形になり、大胆な「量的緩和」策を導入し自国通貨を下落させている米連邦準備制度理事会(FRB)や日銀に追い付く。現在は、市場に毎月ユーロよりも大量のドルや円が新たに供給されている、というだけの話だ。これが通貨戦争なら、ユーロは敗北寸前だ。

 だがそれでも、ユーロ圏の債権国の間で基本条約を改正し、ECBの手を縛るのをやめるという意欲は見られない。基本条約では、加盟国政府の救済策として債券買い入れを行うことは違法とされている。ドラギECB総裁は債券市場の安定化に向け、規模も対象も限定した債券買い入れ策「アウトライト・マネタリー・トランザクションズ(OMT)」を打ち出したが、ドイツでは既にその合憲性が争われている。一方、ユーロ圏の成長が鈍いのは、債務水準の抑制を狙った緊縮策に加え、低迷が続く周縁国の成長押し上げに向けた追加融資の実施にドイツなどの債権国が消極的なことがある。

 このように伝統的な政策手段を利用することができないため、デフレが、少なくとも苦境に立たされているユーロ圏諸国の大半にとっては債務不履行(デフォルト)回避に向けた解決策となっている(例外はドイツだ。むしろ欧州からすれば、ドイツの労働者の賃金が上昇し、イタリアやフランス、スペインから商品を買ってもらい、景気の下支え役となってもらう必要がある)。

 政策担当者がデフレを意図的に引き起こすことはない。それは市場に任せれば良いのだ。この場合の市場とは、金融市場ではなく実体経済の市場を指す。やがて市場は、他の海外諸国と再び均衡する水準まで全体のコストや価格の水準を押し下げる。労働や商品の対価は次第に下落し、需給ギャップは埋まる。ここで注意して欲しいのは、労働者の賃金には硬直性があるため、このプロセスに長い時間がかかることだ。ユーロ圏が「日本の再来」と呼ばれているだけのことはある。

 これらはいずれも、物価の安定というECBの単一任務に大きな課題を突きつけている。ECBは物価安定を示すインフレ率を、中期的に2%をやや下回る水準と定義している。現在、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率はわずか0.7%にとどまる。このため、エコノミストの多くは、7日に0.25%の追加利下げがあり、政策金利が0.25%へ引き下げられると予想している。また、域内銀行に低利で資金を供給し、銀行の信用拡大につなげてもらうとの思惑から、ECBが長期資金供給オペ(LTRO)の追加実施を発表するとの見方もある。

 しかし、少なくとも米連邦準備制度理事会(FRB)による月額850億ドルの量的緩和や日本銀行が行っている7兆円(約700億ドル)の債券買い入れに比べれば、これらは小規模な措置だ。欧州中央銀行(ECB)が利下げした場合、ユーロはやや下落する可能性があり、そうなれば輸入価格は上昇するだろう。最近の輸入価格の下落はディスインフレの一因となってきた。ただ、FRBが現行措置を継続すれば、ユーロが再び上昇することも十分考えられる。これはユーロ圏を助けることにはならない。1年に及ぶリセッション(景気後退)を辛うじて脱しつつあるユーロ圏はなおも、直近の債務危機で表面化した深刻な構造問題に取り組んでいる最中だ。また、ユーロ高が進めば、デフレ(またはそれに近い状態)に陥ることは避けられない。

 このシナリオでは、失業が慢性化する。失業者の交渉力が弱いと、最終的に賃金全般が下がるからだ。欧州委員会はすでに、12.2%というユーロ圏の過去最高の失業率が2015年まで続くと見込んでいる。失業率の高止まりがこれよりはるかに長期化する可能性もある。

 欧州指導者らは法的枠組みを抜本改革し、経済成長の再活性化に向けて効果的に的を絞った金融・財政刺激策に着手すべきであり、そうすることが一段と望ましいのは明らかだ。

 だが、彼らはそうはしたくない考えだ。

 ユーロ圏の状況は悲しいほど日本と似ている。日本では、日銀が景気浮揚とデフレ脱却のため積極的な措置に乗り出すまでに長い時間がかかった。ユーロ圏経済は必然的にこのようなわなに陥ったわけではない。こうなったのは政策担当者らのせいだ。


 

 

REAL TIME ECONOMICS2013年 11月 08日 18:02 JST
10月の米雇用統計、注目すべき点とは 
By BEN CASSELMAN
 米労働省は8日、10月の雇用統計を発表する。先月の一部政府機関閉鎖による影響で1週間遅れの発表となる。エコノミストらは、10月の非農業部門就労者数が前月比12万人増となり、9月の速報値(同14万8000人増)から伸びがやや鈍化すると予想している。今回の雇用統計は特に重要性が高い。政府閉鎖が労働市場に与えた影響を知る最初の手掛かりとなるだけでなく、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策を大きく左右することも十分考えられるからだ。しかし、ただでさえ雇用統計には後日大幅な修正が入ることが多い上に、今回は政府閉鎖の影響を考慮する必要があるため、解釈が一段と難しくなるだろう。

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Bloomberg
 10月雇用統計で注目すべき点を以下に挙げる。

 政府閉鎖。先月の一部政府機関閉鎖は統計の発表を遅らせただけでなく、内容をわかりにくくさせることにもなった。雇用者数は毎月報告されるが、毎月12日を含む週や給与期間を基準に集計される。10月の場合、12日は16日間に及ぶ政府閉鎖期間のど真ん中にぶつかった。この間、数千人もの連邦政府職員が一時帰休で自宅待機していた。

 労働省が先週説明した通り、一時帰休は、事業所調査に基づき集計される非農業部門就労者数には影響しない。政府職員は一時帰休中に支払われなかった賃金を結局受け取ったからだ。だが政府閉鎖は、これと別に家計調査に基づく失業率には影響する。一時帰休の対象となった労働者は、仕事をしない期間が一週間に及べば「失業者」に数えられる。このため、エコノミストらは失業率が一時的に0.1ポイント余り上昇する可能性があるとみている(週の途中で勤務を再開した人たちは「経済的理由でパートタイム勤務する者」として集計され、より広範な指標である「U-6」失業率を押し上げることになる)。

 大半のエコノミストは、一般的により信頼性が高いとされているとの理由で、事業所調査の方に大きく注目している。しかし、政府閉鎖の影響を踏まえると、なおさら10月の家計調査はかなり用心して扱うべきだろう。

 次に、政府閉鎖による民間への波及だが、政府閉鎖の影響は政府職員の一時帰休だけではなかった。連邦政府の混乱は、政府の請負業者や他の一部の企業にも打撃を与え、一部の民間雇用者は仕事を失った。しかも、政府職員とは違って大半の民間雇用者は、後になっても賃金をもらえなかった。この影響は、経済全般の指標数値が大きく変わるほどの規模ではなかったかもしれないが、各産業の数値には表れる可能性がある。雇用者総数だけでなく、週平均労働時間からも目を離さない方が良い。影響を受けた企業の多くは、労働者を一時解雇せずに労働時間を短縮したかもしれない。

 間接的な影響もある。政府機関が一部閉鎖した頃、消費者と企業の信頼感は大幅に悪化した。このため、企業は雇用を抑制した可能性がある。悪影響の程度については、うのみにしないのも道理だが、一時的な減速につながることはあり得る。

 さらに、10月の雇用統計では傾向に注意すべきだ。政府閉鎖に関連した統計の混乱を踏まえると、単月で見るのではなく、統計のより長期的な傾向を捉えることがなおさら重要になる。最近の傾向は不安を感じさせるものだ。雇用者数の毎月の伸びは、1月から4月まで平均20万5000人だったが、5月以降はわずか15万6000人だ。この減速が本当のものなのか、それとも統計上の異常値なのかは分からない。ここ数年、雇用拡大の勢いは春・夏よりも秋・冬の方が強い傾向にあるが、これについて、政府の季節調整方法に不備があるからかもしれないと示唆するエコノミストもいる。しかし、雇用の弱さがこのまま数カ月続けば、雇用者数の増加ペースが本当に鈍化したことを示す兆候とも考えられる。

 FRBにも警戒する必要がある。FRBは9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で月額850億ドルの債券購入措置について、縮小を開始するという市場の大方の予想を覆し、現状維持を決定した。FRBは理由の1つとして、財政問題をめぐる議会・政府の対立が予想され、これが経済を混乱させる恐れがあると指摘した。以来この脅威は少なくとも一時的には過ぎ去った。FRBは10月のFOMCでも縮小を見送ったが、いかなる決定も経済指標次第だとして、12月の会合で「(買い入れの)段階的縮小」を検討する可能性に含みを残した。だからこそ、10月と11月の雇用統計が特に重要なのだ。


 

 
FEDウォッチ2013年 11月 08日 12:27 JST
FRBの緩和策、12月のFOMCでも維持の可能性 
 米連邦準備制度理事会(FRB)は失業率を政策上の基準としているが、その動向は、どれだけ多くの人々が正式に就業を望んでいるかによって左右される。

 FRBにとって12月は極めて重要な月だ。バーナンキ議長が60歳の誕生日を迎える月であり、その翌月の来年1月にはもう議長の退任が控えている。

 バーナンキ議長がこれについて少しばかり憂うつになっているとしても、FBR関係者は彼に、今の60歳は昔の50歳と同じだと言葉をかけることができるだろう。そして、関係者の中には、5.5%という失業率は以前に示した6.5%という基準に代わるもの、と判断している向きもあるようだ。この数字は、もう一つの12月の重大イベントである米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定を左右するに違いない。

[image]
民間人の労働参加率
 実年齢が本人の実感と同じだと告げたら人々がどう反応するかを予測するのは難しい。だが、ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁が、失業率が5.5%に下がるまでゼロ金利政策を維持する必要があるとの考えを示したことを、市場は間違いなく歓迎している。この水準は、FRBが提示している基準を1ポイント下回るものだ。ボストン地区連銀のローゼングレン総裁が、完全雇用を示す失業率は5.25%だと示唆したことも好材料となっている。

 8日に発表される10月の米雇用統計が市場に与える影響は、これより複雑なものとなるだろう。ダウ・ジョーンズ経済通信がエコノミストを対象に実施した調査では、失業率が0.2ポイント上昇し、7.4%になると予想されている。ただ、今回失業率が上がっていたとしても、それは政府職員の一時帰休による影響が家計調査に反映された結果という可能性もある。このため、サンプルには偏りが生じているかもしれない一方で、非農業部門就業者数の方は家計調査でなく事業所調査で集計されるため、こうした影響を受けていない。

 非農業部門就業者数は12万人増が見込まれており、極めて弱い予想だ。過去1年間の平均は18万5000人増だが、これはFRBが当初の計画通り9月に債券購入策の縮小を開始できる水準ではない。

 FRBが新たな基準として失業率5.5%を設定した場合、この水準が達成できるまでのスピードは、就業者数の増加だけでなく労働参加率にも左右される。9月の労働参加率は、35年ぶり低水準の63.2%に落ち込んでいる。

 UBSのエコノミストによると、労働参加率が1ポイント低下した場合、2015年10-12月期までに失業率が5.5%へ低下するには月間10万人の雇用増で十分だが、逆に労働参加率が1ポイント上昇すれば、月間30万人の雇用増加が必要になる。

 バーナンキ議長のようなベビーブーム世代の人々が退職期を迎えれば労働参加率は低下するだろうが、退職が強制でないとすれば労働参加率の低下傾向は穏やかなものにとどまる。こうした状況が失業率低下の背景だとすれば、FRBは12月のFOMCでも債券購入策を維持する可能性がある。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304218104579184691840970528.html

[12削除理由]:無関係な長文多数

05. 2013年11月08日 18:29:13 : 1geRdsjJSg
とりあえず目前の危機から逃れるのに精一杯で、そう先のことまで考えている余裕がない。緩和して企業活動を活発化せしめそれに伴い個人にカネが行き渡り需要が拡大し企業活動をより加速する、というトリクルダウン循環理論が正しければそれでいい。が、ただの机上の空論である。

実際には企業は個人にカネはやらず抱え込むから需要は増えない。それを企業はわかっているから投資は控え主に労働強化で対応、個人の余剰資金の底ざらえを狙うが在庫が積み上がるだけだ。実入りもないのに誰が虎の子を使うか。

だから資金は投機に向かう。しかしこの手の短期資金は所詮カネ転がしにすぎないので引き締めに入った途端市場から資金を抜いて精算にかかる動きが出る。それが出れば下落は間違いないから短期資金以外も一斉に手を引く。結果暴落となる。

将来の明るい展望がない。前回の東京オリンピックは戦後の混乱からここまで来たという満足とさらなる躍進を祝う祭だったが、今回のはオリンピック特需の恩恵に少しでもあずかろうというもので、祭というより浮浪者支援の歳末炊き出しに近い。オリンピックは赤字が常態化、しかもどういうわけかここのところオリンピック開催が決まった都市ではロンドンでもリオでも暴動が発生しているというおまけつき。

世は混沌に向かっている。国家は愚か他人の心配をするのもおこがましい。自分の利益を守ることを最優先することだな。そのためにはまず、何事であれ疑う習慣を身につけることだ。古今東西、信じて破滅した者は数多いが疑って破滅した者はいないのである。


06. 2013年11月12日 00:10:11 : niiL5nr8dQ
村上尚己「エコノミックレポート」

チーフ・エコノミスト 村上尚己が、ファンダメンタルズ分析を中心に内外経済・金融市場に鋭く切込みます。(@Murakami_Naoki )
 

2013年11月11日

低インフレのコストとECBの金融緩和

先週(11月7日)、ECB(欧州中央銀行)が予想外の金利利下げを行った。この点をテーマに、ロンドンで現地のエコノミスト何人かとミーティングを行ったがその解釈は様々だった。筆者同様にECBの政策を前向きに評価できるとする面談者は、以下の点を強調していた。

ユーロシステムの枠組みの中で、南欧諸国は極端に緊縮的な財政政策を強いられていた。同時に国債への信認低下で、ユーロ域内(海外)からの借り入れを減らす必要にも迫られ、輸入を大幅に減らすことで経常赤字を減らす"大緊縮"を余儀無くされた。

本来であれば、危機に直面する国は、自国通貨安で輸出採算を改善させる。ただ「ユーロの価値」はドイツのインフレ安定が最も重要な判断基準となり決まるので、南欧諸国にとって十分な通貨安は起きない。

なので、海外からの借り入れ難に直面した南欧諸国が経常収支を改善するには、輸入を減らす経済の"大緊縮"を起こす。そして、賃金を含めた物価下落によって、輸出採算を改善させる必要に迫られる。だから、ギリシャなどで賃金下落というコストが甚大な調整が起きる。

つまり、ユーロシステムを維持するために、南欧諸国がデフレを強いられる大きな調整が起きる。このインパクトを和らげるには、ドイツを含めユーロ圏全体のインフレ率を引き上げることで、南欧諸国が迫られる価格調整をマイルドにすることができる。その方が、必要な価格調整もコストが小さく進みやすくなる。

しかし、足元でドイツですらインフレ率が低下し、債務危機収束で落ち着きつつある南欧諸国が今後デフレを強いられるリスクが高まっている。イタリアにも、ギリシャやスペインのような賃金下落を余儀無くされる危惧も高まり、ドラギ総裁を中心としたECBのメンバーが危機感を抱き今回行動に移した。

2%に近いインフレ実現に強く拘り、ユーロシステムが抱える問題に現実的に対応しようとするECBの姿勢は、規律や構造調整を重視し「物価の超安定」を理想としてきたECBの政策が変わるシグナルということである。

一方で、ECBには追加金融緩和(量的緩和)の手段に制約があり、今後断続的な金融緩和は難しいとの見方が多かった。それが実現しないと、ユーロ圏は日本の二の舞になるのではと筆者は懸念しているがどうだろうか?

[12削除理由]:無関係な長文多数

07. 2013年11月12日 00:17:22 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
ユーロ圏はインフレ率を高めなければならない
2013年11月12日(Tue) Financial Times
(2013年11月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ユーロ圏、ギリシャ国債50%棒引きで合意 包括案まとまる
欧州中央銀行(ECB)は11月7日、政策金利を0.25%引き下げ、過去最低の年0.25%とした〔AFPBB News〕

 筆者が先週驚いたのは、欧州中央銀行(ECB)による利下げの決定ではなく、利下げを予想していた人がこれほど少なかったことだ。

 これが驚くべきことなのは、ECBが中期的に年率2%近い物価上昇を目指すというインフレ目標に届かないのが確実だからだ。ECBのマリオ・ドラギ総裁自身、先週、ECBは「中長期的」にしか目標を達成できないと認めている。

 総裁にとって大きな問題は、先に発表された10月の消費者物価指数の総合指数が前年同月比でプラス0.7%に低下したことではない。何しろ総合指数は大きく上下する。問題は、物価変動が激しい品目を除いたコア指数の上昇率が0.8%に落ち込んだことだ。

ECBの決定が提起する問題の数々

 ECBの金融政策の決定はいくつもの問題を提起する。利下げは奏功するのか? それは危機を終わらせる助けになるのか? ECBは単独で大きな仕事をすべて担えるのか? そして、そもそもデフレの脅威はどれほど深刻なのか?

 最初の2つの質問については、イエス、奏功する、ノー、危機を終わらせることにはならない、というのがその答えだ。まだ債務の解消が必要だし、経済政策も変わる必要がある。だが、これは金融政策に効果がないことを意味するわけではない。金利がゼロに近い今でも、だ。

 単純な利下げは恐らく大きな効果を発揮しないだろう。翌日物の市場金利が既にゼロだったからだ。この市場金利を低下させるためには、ECBは中銀預金金利――ECBに預けられる銀行の預金に適用される金利――を引き下げなければならなかった。

 だが、ECBは預金金利を据え置き、代わりに2つの決断を下した。政策金利の引き下げと、無制限の流動性供給を2015年7月まで延長することだ。

 この組み合わせは有効だ。というのは、2つの措置が一緒になると、向こう2年間にわたり金利に有効な上限を設けることになるからだ。ECBは政策金利を引き下げただけでなく、イールドカーブ(利回り曲線)の短い方を低く抑えているのだ。

 フォワードガイダンスについて語る時、ドラギ総裁が意味しているのは、このことだ。筆者はこの表現が好きではない。というのは、フォワードガイダンスは必要以上に長く低金利を維持する約束を暗示するように思えるからだ。ここでは、そういう意味ではないが、やはり将来を考慮した決断に当たる。

 現実社会に最初に生じるインパクトは、為替レート経由で訪れる。それよりゆっくりした――しかし、なお重要な――伝達経路は銀行経由のものだ。2015年まで無制限の流動性供給を延長することで、銀行はバランスシートをきれいにする時間を得ることができ、いずれは民間部門への銀行融資の拡大に貢献する可能性がある。

 2つ目の疑問は、迫り来るデフレが純粋に貨幣現象なのか、それとも何かもっと根深い作用が働いているのか、という問題だ。

 ミルトン・フリードマンは「経済生産より早いペースで貨幣供給量が増えることによってのみ生まれ得るという意味で、インフレは常に、いかなる場面においても貨幣現象だ」と述べた。論理的には、その反対の説明がデフレに当てはまる。

今のユーロ圏でも金融政策は効果を発揮し得る理由

 ユーロ圏は事情が違うのか? 筆者はそうは思わない。ECBは、たとえ逆境にあっても、デフレと戦うために必要な手段をすべて持ち合わせている。もしドイツや他の債権国が周縁国の債務減免を受け入れたら、あるいは債権国自身も調整しなければならないことや銀行同盟には何らかの負担共有が含まれなければならないということを受け入れたら、助けになるだろう。

 だが、こうしたことが何一つ起きなかったとしても――筆者はどれも起きないと思っている――、機能不全の通貨同盟内でさえ、金融政策はやはり効果を発揮し得る。だが、その場合、ECBが取る必要がある政策は次第に過激になっていく。

 ECBが持つ次の手段は、マイナスの預金金利や新たな長期の資金供給オペ、そしてソブリン債務や民間債務の購入という形の量的緩和だ。理論上は、ECBは銀行セクターを飛び越して、企業に直接融資することもできる。魔法のようにユーロ圏の存続を保証することはできない。だが、間違いなくデフレを防ぐことはできる。

 そして最後に、通貨同盟内でのデフレについては、我々はどう考えるべきなのか? スペインの消費者物価の下落はデフレではなく、単なるユーロ圏内の物価調整だ。通貨同盟内では、デフレの概念は集団レベルでしか意味をなさない。つまり、ユーロ圏の物価水準が持続的に下落する事態だ。だから、消費者物価のコア指数が0.8%上昇している状況は、デフレに当たらない。

 だが、この数字は2%近い水準というインフレ目標とは、容認できないほどかけ離れている。インフレ目標が2%であって、ゼロではないことには、いくつもの理由がある。

 実質インフレ率をプラスに維持すると、金利がゼロの下限にあることが、あまり大きな問題でなくなる。また、比較的高いインフレ目標は、目標を下回る時期が続いても、経済を債務デフレのスパイラルに陥れる可能性が低いことを意味する。

目標を下回るインフレと低い経済成長は長期化する

 筆者はインフレ率がマイナスの時期が長く続くと予想していないが、インフレ率が目標を下回ると同時に経済成長が極めて低い時期が長期化すると思っている。

 国内総生産(GDP)に対する債務の比率は、十分な早さで低下しない。そうなれば、ユーロ圏諸国のプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)は多額の黒字となり、それが一段と低い経済成長とさらなる物価下落圧力を生み出す。

 ユーロ圏は全面的なデフレにならなくても、窮地に陥る。しつこい低インフレになるだけで、ユーロ圏は悪循環にはまり込む。だからこそ、ECBはとにかく行動しなければならなかったのだ。

By Wolfgang Münchau
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/39152

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