http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/579.html
Tweet |
http://gendai.net/articles/view/news/145632
2013年11月1日 日刊ゲンダイ
金融緩和で高値更新した世界市場
世界全体の株式時価総額が63兆ドル(約6200兆円)を超え、最高値の記録を塗り替えたそうだ。米国やドイツ、イタリア、フランス、豪州、インド、韓国では株価指数が過去最高を更新。日本も、日経平均株価は1989年12月の3万8957円に及ばないが、年初来の騰落率を見ると世界トップの水準らしい。
もちろん、世界の市場が沸いているのは、企業業績に対する高い評価もあるのだろう。ただ、相場を押し上げているのは、金融緩和でジャブジャブになっているマネーだ。日銀は「異次元」と名付けた“黒田節”を踊っているし、米連邦準備制度理事会(FRB)も米国債などを月額850億ドル購入する緩和政策を継続中だ。通貨供給量は、かつてないレベルに膨らんでいる。これが世界の株式市場に投資され、株価を支えているという構図だ。
低金利であふれているカネが企業の設備投資に回れば、経済は好転する。だが、日本の大手企業は、資金不足で投資を控えているわけではない。内部留保は過去最高レベルに達している。いくら金利が安くても銀行の融資を受ける必要はないのだ。
一方でカネを借りたい中小企業に銀行は融資しない。行き場を失った円はファンドマネーに吸収され、世界中の株式市場に流れ込んでいる。
ドルも似たようなものだ。緩和で共鳴した日米のマネーが大量に吐き出され、それを世界の市場がのみ込んで株価がつり上がっていく。これはもう「グローバル・バブル」といっていい。かつて日本が経験したバブルが、地球規模で発生しているのだ。
これを静かに収束させるのは至難のワザである。日銀は31日に開いた金融政策決定会合で、予想通り「異次元緩和」の継続を決めた。FRBも、30日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の維持を決めている。緩和縮小の時期は迫っているが、慎重に進めなければ、影響は世界に及ぶ。「異次元」の転換も難しい。タイミングを誤れば、「グローバル・バブル」ははじける。リーマン・ショックの比ではない衝撃が、世界を襲うのである。
日本はバブル崩壊後に失われた20年を過ごした。いまもデフレの病からは立ち直れない。
次は全世界で同じ苦しみを味わうことになる。
【高橋乗宣】
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。