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反日にばかり気を取られ、経済を悪化させている朴槿恵大統領。自国の国民の声は聞こえているのか(ロイター)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20131101/frn1311011810009-n1.htm
2013.11.01
株価が上昇基調で、国内総生産(GDP)も1%台の成長を確保するなど復調の気配もみえる韓国経済。しかし、肝心の国民の生活は絶望的な状況が続いているようだ。今年2月に朴槿恵(パク・クネ)大統領が就任後、国民の暮らし向きを示す指数が急落、評判の悪かった盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権や李明博(イ・ミョンバク)政権時すら下回っている。「親中反日」路線を突き進む朴政権の経済失政ぶりがあぶり出された。
韓国のシンクタンク「国家未来研究院」は、国民の暮らし向きについて数値化した「民生指数」という指標を算出している。
就業率や正規雇用者の比率、家計の所得のほか、不動産や株価など資産価格が上昇すれば指数は上向きに、食費や住宅関連の費用、税金などの負担が増えれば指数は下がる仕組みだ。
最新の数値である今年4〜6月期の民生指数は98・9と、1〜3月の99・7から低下した。これは、経済無策ぶりが批判された2003〜08年の盧武鉉政権時の平均値101・1、政権終盤にかけて急激に失速した08〜13年の李明博政権の平均100・5を大きく下回り、ここ10年間で最低の水準となっている。08年のリーマン・ショック後ですら99・6だったというから、現状の深刻度がうかがえる。
指数下落の要因について、国家未来研究院は「雇用構造の悪化や株価の下落に加え、住居費や教育費など、ほとんどの項目で支出が増え、コストが上昇したことが影響した」と説明している。
国家未来研究院は、昨年の韓国大統領選で朴氏のシンクタンクとして活動し、研究院トップの金広斗(キム・グァンドゥ)氏は、朴氏の経済の指南役を務めた。同研究院出身者から朴政権の要職に送り込まれた人材も少なくない。かつての“身内”から朴政権の経済政策に厳しい評価が下された形だ。
金氏は中央日報に対し「研究院は現政権から独立的」と説明、「経済の責任を負う政策当局は反省しなければならない」「若者たちに雇用を与える政策が出てこなければならない」と語っている。ちなみに同研究院が同様に算出している「国民幸福指数」は113・07と高水準だった。これは55歳以上の就業率が改善されたことが寄与したもので、若者の雇用環境が厳しいことをかえって浮き彫りにしている。
アジア経済に詳しい企業文化研究所理事長の勝又壽良氏は、韓国の雇用構造のゆがみを象徴するこんなエピソードを紹介する。
「韓国は子供の教育に金をかけているが、投資にふさわしい就職先がない。そのため、最大の企業であるサムスン電子に一極集中している。就活学生全体の3割弱にあたる約20万人が志願し、入社試験を受けるための塾まであるという異常事態だ」
若者がシワ寄せを受けている状況は数字にも表れている。韓国の9月の失業率は2・7%で、前年同月から0・2ポイント改善したのだが、15〜29歳の若者の失業率は7・7%と逆に1・0ポイント悪化した。
家計の債務問題も根が深い。朴政権は個人の負債減免措置を実施し、中央日報は「今年の対象者が60万人を超えた」と報じた。その一方で、個人再生手続きを裁判所に申請した件数は「史上最大の10万人を超える見通し」で、「今も毎月4万人を超える債務不履行者が発生している」といい、根本的な解決にはつながっていない。
韓国銀行(中央銀行)が発表した10月の消費者心理指数は106と1年5カ月ぶりの水準を回復したが、家計の景気判断の今後の見通しについては9月の97から95と下落している。
朴政権下で経済不安が続く背景について、前出の勝又氏は「極端な親中反日路線も影響している」と指摘する。「韓国では伝統的に強い側につく事大主義の面が強い。日本経済は弱いと見下して中国と“反日同盟”を結成したものの、中国経済に不安が広がり、日本経済は復調したことで大あわてになっているのだろう」
盧政権や李政権はそれぞれ公約に掲げた7%の経済成長に遠く及ばないまま幕を閉じた。スタートでつまずいた朴政権は立ち直ることができるのか。
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