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大気汚染もお構いなしの中国経済。市民の健康はお先真っ暗だ(ロイター)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20131101/frn1311010725000-n1.htm
2013.11.01
★(4)
企業の目的は、利益を稼ぐことである(売り上げではない)。経済学的に言えば、付加価値を創出し、支払いを受けることだ。そして、企業を中心に国内で産み出された付加価値の合計こそが「GDP(国内総生産)」になる。企業単体にとっても、国民経済全体にとっても、企業には利益を稼いでもらわなければならない。さもなければ、中長期的な国民経済の成長はないのだ。
だからといって、企業は利益のためであれば「何をしてもいい」という話にはならない。当たり前だが、環境規制や安全基準の順守など、社会に迷惑をかけないことが「利益拡大」の大前提である。企業が利益「のみ」を、国家がGDP成長「のみ」を追求すると、環境は致命的なまでに破壊され、国民生活は地獄となる。
まさに、利益・成長至上主義により国民が地獄を見ているのが、現在の中国だ。10月21日と22日、中国東北部が濃いスモッグに覆われた。高速道路や空港が閉鎖され、小中学校も生徒の健康に考慮し、休校せざるを得なかった。ハルビン市の中心部では、視界が20メートル未満になってしまった地域もあったわけだから、半端ない。
また、首都・北京でも10月28日、有害な微小粒子状物質「PM2・5」の濃度が急上昇し、「深刻な汚染」と発表された。北京以外でも、天津市などにおいても「深刻な汚染」レベルの大気汚染が発生している。北京市は大気汚染が深刻化した際に、乗用車の通行を半減させ、一部の工場を操業停止するなどの対策を打ち出しているが、まさに焼け石に水であろう。
中国の環境汚染の真因は、同国の「権力」が、環境が破壊されることを無視して経済成長を追い求めた結果なのだ。中国共産党と結びついた企業家たちは、環境を無視してビジネスを拡大した。人民側が抗議しても、企業が国家権力と結びついているわけだから、どうにもならない。何しろ、中国人民には選挙権がない。民主主義国家であれば、有権者側が選挙で当選させた政治家が、環境破壊を食い止める法律を成立させることが可能だ。それに対し、中国人民には何の政治的権力もない。
結局のところ、健全でバランスがとれた経済成長は、国民が主権を有する民主主義国家でなければ成立しないのだ。ソ連に続き、中国もまた「独裁権力」が、いかに国民や環境を痛めつけるか世界に見せつけたうえで、経済成長路線にストップがかかるだろう。
この種の独裁国家に自ら接近しようとする韓国は、本当に面白い国である。「韓国は事大主義だから」と言われたら、それまでなのだが。
■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は株式会社「三橋貴明」事務所社長。著書に「目覚めよ! 日本経済と国防の教科書」(中経出版)、「日本大復活の真相」(あさ出版)、「いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由」(ワック)など多数。
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