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2013/10/31 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「アベノリンピクス」――。安倍政権の経済政策と2020年の東京五輪をかけ合わせたこの言葉は、竹中平蔵慶大教授の造語である。アベノミクスとオリンピックの相乗効果で、日本経済はグングン上向いていくと言いたいらしい。
竹中は、このばかげた造語を国際会議で披露している。多分に安倍へのゴマスリも含まれていると思われるが、いい加減、実態が伴わない言葉遊びはやめるべきだ。
確かに、五輪開催となれば、公共事業は膨らむだろう。特需の恩恵に浴する企業も少なくない。一時的に景気は上向く可能性はある。
ただ、祭りの後に残るのは、多額の借金だ。国庫にはカネがない。事業の原資は、国債の発行に頼らざるを得ない状況である。借金を返すのは、安倍でも竹中でもない。ツケはすべての国民に回されるのだ。
しかも、翌年の経済は猛烈な反動減に悩まされる。実際に前回は、昭和40年不況に見舞われた。五輪後の税収不足を補うため、政府は戦後初めて赤字国債の発行に踏み切っている。1964年の東京五輪は、今日の財政悪化の元凶なのだ。
政府がすでに1000兆円の借金を抱えている今回は、より深刻である。インフラ整備で借金が積み上がる上、翌年も穴埋めの景気対策で赤字を増やすわけだ。もはや正気の沙汰と思えない。
それなのに安倍の経済参謀の竹中は、臆面もなく「アベノリンピクス」などと言って悦に入るのだ。
◇偽りの力で経済を上向かせる安倍政権
同志社大教授の浜矩子氏(国際経済学)が言う。
「よくもまあ言えたものですが、この言葉には安倍政権のインチキな本質が如実に表れています。彼らが実践しているのはドーピングの経済学。『異次元』『成長戦略』『4本目の矢』などと次から次へと“薬物”を投与し、偽りの力で経済を上向かせようとしているのです。その瞬間、筋肉は働くでしょう。でも、しばらくすれば効果が切れてしまう。すると、また新しい興奮剤を投与するわけです。とうとう『五輪』まで注射しましたが、日本経済が抱える根本的な問題は何も解決していません。格差は拡大し、貧困は増えている。非正規社員は増え続け、持たざる者は、より厳しい状況に追い込まれています。本来なら病根にメスを入れ、基礎体力を回復させる必要がある。みんなが豊かさを享受できる社会にしなければダメなのです。実際、次々とドーピングをしているのに、円だって株だって意外なほど変わっていない。それなのに安倍政権は薬物注射だけに頼っている。ますます肉体はボロボロです」
黒田バズーカが炸裂して半年、円は1ドル=100円を超えていないし、日経平均株価は1万4500円台をウロウロしている。体力の回復を怠ったままでモルヒネを打っても、日本経済は活性化しないのだ。
◇「ダマシ」が効かなくなってきたマーケット
大方の予想では、次の国政選挙は3年後のダブルだ。夏の参院選に合わせて衆院を解散する。それまでは、安倍政権が続く可能性は高い。ドーピングも止まらないだろう。こうなるとお先真っ暗だ。東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏が言う。
「日銀による“ダマシ”は、すでに効かなくなっています。政府は1ドル=97円のラインを守りたい。そのために自分たちの注文を聞きやすい金融機関まで動かし始めている。円高になると株が下がるから必死なのです。ただ、そんなところにエネルギーを使っても日本経済は良くならない。ちゃんと国民の暮らしに手を差し伸べるべきなのです。日銀の黒田総裁と岩田副総裁は、デフレの原因は金融政策の誤りだと主張してきた。人口の減少や格差の問題を無視し、日銀がサボってきたからダメなんだと言ってきたのです。でも、半年やってみて、金融だけではどうにもならないと分かった。それで安倍首相も財界に対し、『賃金を上げてくれ』と頭を下げ始めている。それでもまだ、日銀に間違った政策を続けさせているのだから呆れます」
日銀の金融緩和で円安傾向が続けば、インフレも進行する。ただでさえ輸入食材やガソリン、電気の料金高騰で逼迫している暮らしは、さらに悪化だ。輸入コストが上がれば、原材料の調達を海外に頼る中小企業も追い込まれる。経営は上向かないし、給料だって上がらない。地方はますます疲弊し、都会はホームレスであふれる。そんな社会になってしまう。
◇「異次元」続行で信頼失う「通貨の番人」
異次元緩和が景気のためとされるのは、表向きの理由に過ぎない。実際は円安誘導を狙ったもので、そのために大量の国債を買い入れて紙幣を刷るのだから、国の借金はどんどん膨らむ。最後はパンクするしかない。
「異次元まで飛んでいった金融政策は、前の次元には戻れません。日銀が国債の購入をやめれば、買い手がいなくなる。だから、帰るに帰れない。みんな分かっていることです。そうなると国債価格は暴落だし、日銀が不足分を埋めるために買い続ければ、今度は“通貨の番人”としての信頼を失う。その結果、国債も円も暴落です。こうなると手の施しようがない。待っているのは日本発の世界恐慌です。安倍首相はまた病院にでも駆け込むつもりかもしれませんが、心中させられる国民は大迷惑。世界経済も混乱させられるのです」(浜矩子氏=前出)
安倍政権が続けば、国民の暮らしはグチャグチャになる。国債が売れなければ行政機能はマヒするし、円暴落ならハイパーインフレで暮らせない。輸入品なんて買えないし、原油だって入ってこなくなる。株も急落、企業はバタバタと潰れていく。
「アベノリンピクス」なんてペテン言葉に浮かれていると、3年後に地獄を味わうことになるのだ。
- 革命を起こさないのならドーピングしかないというのが、残念ながら日本経済の現実 あっしら 2013/11/01 04:15:48
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