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欧米日「レアアース輸出規制」 WTO仮決定は中国に不利
日本「産経新聞」が26日に伝えたところによると、米国、欧州連合(EU)、日本による中国のレアアース(希土類)の輸出規制に対する共同提訴で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は中間報告を発表して、欧米日の主張はおおむね合理的であるとの見方を示し、中国に不当な行為を是正するよう勧告した。「国際金融報」が伝えた。
報道によると、11月下旬に最終報告が出される予定で、今回の判断が覆ることはなく、欧米日が勝訴する可能性が高いという。WTOの紛争処理では欧米日の主張が通ることが多く、中国の20年来の資源外交戦略は現在失速気味だといえる。
廈門(アモイ)大学中国エネルギー経済研究センター長の林伯強氏は、「こうした見方はそれほど誇張とはいえない。日本メディアの報道は公的な確認を経たものではなく、たとえ事実であっても、中国のレアアース産業に大きな影響を与えることはない。なんといっても、戦略的資源が中国の手中にあるのは間違いないことだからだ。また現在の情況をみると、中国は環境保護などのため、(レアアースの)割当制度を短期間で取り消すわけにはいかない」と話す。商務部(商務省)、工業情報化部(工業情報化省)などの部門・委員会はまだレアアース訴訟に関する情報を対外的に出しておらず、WTOもまだ情報を出していない。
▽WTOの仮決定は中国に不利
中国の原材料輸出について、2009年に貿易戦争が「横行」した際、米国とEUはWTOの枠組内で中国を対象に貿易紛争案件を提出し、中国がボーキサイト、コークス、蛍石、マグネシウム、マンガン、金属シリコン、炭化ケイ素、黄リン、亜鉛の9種類の原材料について輸出割当、輸出関税、価格や数量の規制を行って、2001年のWTO加盟時の承諾に違反するとともに、鋼材、アルミ材、化学製品の製造・輸出で他国を劣勢に追いやっていると批判した。
WTOは12年1月30日、中国が実施する多くの工業原材料についての輸出税と輸出割当はWTOルールに違反するとの裁決を下し、仮決定に対する環境保護や供給不足を理由とした中国側の上訴を退けた。
この裁決に欧米諸国は小躍りして喜び、業界には中国のレアアース政策に対する懸念がさらに広がった。中国はレアアースでも同じように割当制を取っていたからだ。案の定、昨年3月に外部に情報が流れると、今年6月27日、米欧日は中国の3種類の原材料(レアアース、タングステン、モリブデン)の輸出管理措置についてWTOに提訴し、パネルに専門家チームを発足させて調査するよう求めた。
産経新聞によると、日米欧が中国のレアアース輸出規制は不当だとして共同提訴し、WTOのパネルは中間報告で日米欧の主張を大筋で認めた。
日本の共同通信社によると、WTOは関連国に中間報告を提示し、中国などに同報告に対する意見を聞いた上で、最終報告を作成する。最終報告は年内に発表される見込みだ。一般的にいって、中間報告の内容は基本的に最終報告に引き継がれるという。
日本メディアの報道について、中国は公式なコメントを出していない。林氏は、「さきの9種類の原材料での勝訴の経験から、中国がレアアース輸出で敗訴しても意外ではない。だが全体としていえることは、グローバルな貿易環境をみると、欧米は中国よりも世論の支持を受けているといえる。実際のところ、割当制度を採用したのは中国が初めではなく、唯一でもない。最も典型的な例はOPEC(石油輸出国機構)加盟国の石油輸出で、割当制度に基づいて行われている。だが欧米諸国はこのことに何も触れていない」と話す。
▽政府と産業界は断固上訴すべき
ある消息筋によると、一審の裁決に相当する専門家チームの報告は11月中旬に発表される予定だ。裁決の流れでは、専門家チームの審理は一審に相当し、専門家チームの報告に対して不満があれば、中国はWTOの上級委員会に上訴して、意見を最終決定に反映させることができる。
国際訴訟を手がけるカク俊波弁護士によると、中国に不利な結果が出れば、中国がWTOの枠組内で提訴することは確実だ。なんといっても、レアアースは中国の利益に関わる重要な資源であり、放棄するのでなく、より大きな利益のために戦い、より大きな損失を回避するべきだという。
▽業界の合併再編を強化・スピードアップ
昨年にレアアース貿易の関係者やアナリストを多数取材したところ、レアアース訴訟で敗訴すれば、中国はレアアース政策の規制を解除する可能性があるとの見方が返ってきた。規制が解除されるとどうなるか。割当制度がなくなると(輸出規制がなくなると)、巨大な利益につられて、中国のレアアースは無計画な採掘や法律違反の密輸といった問題が再び起こり、以前のような激安価格に下がる可能性が増大する。
レアアース関係者は、「このような事態になれば、中国のレアアース産業の良好な循環発展にとってさらにマイナスになる」と話す。
あるメディアの報道によると、WTOは輸出規制を撤廃するよう原則として要求するが、2つの免除条項を設けている。すなわち、「国民、動植物の生命または健康を保障するために必要な措置」と「枯渇する可能性のある自然資源の保護に関する措置、このような措置は国内での生産・消費の規制とともに実施される」という。
これについて対外経済貿易大学中国世界貿易機関研究院副院長の屠新泉氏は、中国のレアアース産業は以上の規定の大部分に合致しているが、輸出割量と国内の消費量が同じになるようにはしてこなかった。このため中国はWTOの枠組内でレアアースの輸出割当制度の継続を要求できるし、割当量を国内の消費量と同じ水準まで拡大することができるという。
だが林氏によると、長期的にみれば、中国のレアアース割当制度が繰り返し非難を受けることは確実だ。そこで最も根本的な戦略は「国内を先にし国外を後にする」こと、つまり、まずは国内のレアアースをめぐる混乱を収め、それから対外的な戦略を考えるということだ。
林氏の考えでは、中国の戦略で重要なことは、大規模なレアアースグループを徐々に形成し、小規模なレアアース企業や家内工業的なレアアース企業を徹底的に市場から淘汰する、または統合すること。そして密輸や無計画な採掘を徹底的に防ぐことだという。(編集KS)
*カク:「おおざと」に「赤」
「人民網日本語版」2013年10月30日
http://j.people.com.cn/94476/8440726.html
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