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欧米日「レアアース輸出規制」 WTO仮決定は中国に不利
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/546.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 10 月 31 日 02:57:13: Mo7ApAlflbQ6s
 


欧米日「レアアース輸出規制」 WTO仮決定は中国に不利

 日本「産経新聞」が26日に伝えたところによると、米国、欧州連合(EU)、日本による中国のレアアース(希土類)の輸出規制に対する共同提訴で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は中間報告を発表して、欧米日の主張はおおむね合理的であるとの見方を示し、中国に不当な行為を是正するよう勧告した。「国際金融報」が伝えた。

 報道によると、11月下旬に最終報告が出される予定で、今回の判断が覆ることはなく、欧米日が勝訴する可能性が高いという。WTOの紛争処理では欧米日の主張が通ることが多く、中国の20年来の資源外交戦略は現在失速気味だといえる。

 廈門(アモイ)大学中国エネルギー経済研究センター長の林伯強氏は、「こうした見方はそれほど誇張とはいえない。日本メディアの報道は公的な確認を経たものではなく、たとえ事実であっても、中国のレアアース産業に大きな影響を与えることはない。なんといっても、戦略的資源が中国の手中にあるのは間違いないことだからだ。また現在の情況をみると、中国は環境保護などのため、(レアアースの)割当制度を短期間で取り消すわけにはいかない」と話す。商務部(商務省)、工業情報化部(工業情報化省)などの部門・委員会はまだレアアース訴訟に関する情報を対外的に出しておらず、WTOもまだ情報を出していない。


 ▽WTOの仮決定は中国に不利

 中国の原材料輸出について、2009年に貿易戦争が「横行」した際、米国とEUはWTOの枠組内で中国を対象に貿易紛争案件を提出し、中国がボーキサイト、コークス、蛍石、マグネシウム、マンガン、金属シリコン、炭化ケイ素、黄リン、亜鉛の9種類の原材料について輸出割当、輸出関税、価格や数量の規制を行って、2001年のWTO加盟時の承諾に違反するとともに、鋼材、アルミ材、化学製品の製造・輸出で他国を劣勢に追いやっていると批判した。

 WTOは12年1月30日、中国が実施する多くの工業原材料についての輸出税と輸出割当はWTOルールに違反するとの裁決を下し、仮決定に対する環境保護や供給不足を理由とした中国側の上訴を退けた。

 この裁決に欧米諸国は小躍りして喜び、業界には中国のレアアース政策に対する懸念がさらに広がった。中国はレアアースでも同じように割当制を取っていたからだ。案の定、昨年3月に外部に情報が流れると、今年6月27日、米欧日は中国の3種類の原材料(レアアース、タングステン、モリブデン)の輸出管理措置についてWTOに提訴し、パネルに専門家チームを発足させて調査するよう求めた。

産経新聞によると、日米欧が中国のレアアース輸出規制は不当だとして共同提訴し、WTOのパネルは中間報告で日米欧の主張を大筋で認めた。

 日本の共同通信社によると、WTOは関連国に中間報告を提示し、中国などに同報告に対する意見を聞いた上で、最終報告を作成する。最終報告は年内に発表される見込みだ。一般的にいって、中間報告の内容は基本的に最終報告に引き継がれるという。

 日本メディアの報道について、中国は公式なコメントを出していない。林氏は、「さきの9種類の原材料での勝訴の経験から、中国がレアアース輸出で敗訴しても意外ではない。だが全体としていえることは、グローバルな貿易環境をみると、欧米は中国よりも世論の支持を受けているといえる。実際のところ、割当制度を採用したのは中国が初めではなく、唯一でもない。最も典型的な例はOPEC(石油輸出国機構)加盟国の石油輸出で、割当制度に基づいて行われている。だが欧米諸国はこのことに何も触れていない」と話す。


 ▽政府と産業界は断固上訴すべき

 ある消息筋によると、一審の裁決に相当する専門家チームの報告は11月中旬に発表される予定だ。裁決の流れでは、専門家チームの審理は一審に相当し、専門家チームの報告に対して不満があれば、中国はWTOの上級委員会に上訴して、意見を最終決定に反映させることができる。

 国際訴訟を手がけるカク俊波弁護士によると、中国に不利な結果が出れば、中国がWTOの枠組内で提訴することは確実だ。なんといっても、レアアースは中国の利益に関わる重要な資源であり、放棄するのでなく、より大きな利益のために戦い、より大きな損失を回避するべきだという。


 ▽業界の合併再編を強化・スピードアップ

 昨年にレアアース貿易の関係者やアナリストを多数取材したところ、レアアース訴訟で敗訴すれば、中国はレアアース政策の規制を解除する可能性があるとの見方が返ってきた。規制が解除されるとどうなるか。割当制度がなくなると(輸出規制がなくなると)、巨大な利益につられて、中国のレアアースは無計画な採掘や法律違反の密輸といった問題が再び起こり、以前のような激安価格に下がる可能性が増大する。

 レアアース関係者は、「このような事態になれば、中国のレアアース産業の良好な循環発展にとってさらにマイナスになる」と話す。

 あるメディアの報道によると、WTOは輸出規制を撤廃するよう原則として要求するが、2つの免除条項を設けている。すなわち、「国民、動植物の生命または健康を保障するために必要な措置」と「枯渇する可能性のある自然資源の保護に関する措置、このような措置は国内での生産・消費の規制とともに実施される」という。

 これについて対外経済貿易大学中国世界貿易機関研究院副院長の屠新泉氏は、中国のレアアース産業は以上の規定の大部分に合致しているが、輸出割量と国内の消費量が同じになるようにはしてこなかった。このため中国はWTOの枠組内でレアアースの輸出割当制度の継続を要求できるし、割当量を国内の消費量と同じ水準まで拡大することができるという。

 だが林氏によると、長期的にみれば、中国のレアアース割当制度が繰り返し非難を受けることは確実だ。そこで最も根本的な戦略は「国内を先にし国外を後にする」こと、つまり、まずは国内のレアアースをめぐる混乱を収め、それから対外的な戦略を考えるということだ。

 林氏の考えでは、中国の戦略で重要なことは、大規模なレアアースグループを徐々に形成し、小規模なレアアース企業や家内工業的なレアアース企業を徹底的に市場から淘汰する、または統合すること。そして密輸や無計画な採掘を徹底的に防ぐことだという。(編集KS)

 *カク:「おおざと」に「赤」

 「人民網日本語版」2013年10月30日

http://j.people.com.cn/94476/8440726.html

 

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コメント
 
01. 2013年10月31日 14:05:59 : e9xeV93vFQ
米財務省為替報告が独の輸出依存を批判、「世界経済にデフレバイアス」
2013年 10月 31日 09:05 JST
[ワシントン 30日 ロイター] - 米財務省は30日、為替報告書を発表し、ドイツの輸出依存度の高さが欧州経済の安定を阻害し、世界経済に悪影響を及ぼしているとの認識を示した。

中国の為替操作国認定は見送られた。

日本については、日本の経済政策で内需を拡大できるか注視していると指摘。日銀の積極的な金融緩和で円安が進行したことについては、日本は他国同様、通貨安を目標にしないことを公約しているとし、「そうしたコミットメントを維持することが重要だ」と指摘した。

報告書は、ドイツなど輸出依存度の高いユーロ圏諸国に対し、国内経済の拡大にさらに注力して、欧州経済の安定度を高めるべきだと主張。「ドイツの内需の伸び悩みと輸出依存が(ユーロ圏経済の)リバランスを妨げている」とし、「この結果、ユーロ圏と世界経済にデフレバイアスが生じている」と指摘した。

為替報告書はこれまで中国の為替政策を批判することが多かったが、今回は中国よりもドイツに対する批判が目立った。

たとえば、報告書は2012年のドイツのモノ・サービス・資本の純輸出が、中国の同輸出を上回ったと指摘。報告書では世界経済の安定化に必要な対策が列挙されているが、ドイツに対する注文が目立った。

米独関係をめぐっては、米情報機関によるメルケル独首相の電話盗聴疑惑が浮上、ドイツ政府が米国に担当者を派遣し、説明を求める事態となっている。

エコノミストの間では、ドイツの内需が拡大すれば、経済危機に苦しむ南欧の輸出が伸びるとの見方が出ている。

中国については、同国が今年大量の外貨を購入しており、人民元が「大幅に過小評価」されていることが浮き彫りになったとしながらも、為替操作国の認定は見送った。

最近の元高は「米経済にとって良いこと」とも指摘。中国に対して、元高ペースを加速させることも求めた。

韓国については「特別な場合」を除き、為替介入を控えるべきだと主張。為替の特定の水準を目標にすべきではないとの認識を示した。

 


 
コラム:「敵失のユーロ高」反転リスク=唐鎌大輔氏
2013年 10月 30日 13:06 JST
唐鎌大輔 みずほ銀行 マーケット・エコノミスト(2013年10月30日)

米財政協議をめぐる混乱は一応の決着を見たものの、あくまで暫定合意にとどまったことで、年明け以降に同様の混乱を不安視しなければならない状況が残ってしまった。

これにより量的緩和(QE)の段階的縮小(テーパリング)が年内に始まる「芽」はほぼ摘まれた感があり、ドルは積極的に買いにくく、円は買い戻しが入りやすい地合いとなっている。そうした中、一段と騰勢を強めているのがユーロだ。本稿執筆時点のユーロドル相場は年初来高値を断続的に更新し、約2年ぶりの高水準で取引されている。

とはいえ、ユーロ圏から特に前向きな材料が出ているわけではない。足もとのユーロドル上昇は完全にドル全面安の裏返し、言い換えれば「敵失のユーロ高」と形容して差し支えない。

以前も述べた通り、筆者のユーロ相場に対する基本認識は「域内でディスインフレ傾向が強まる結果、実体経済の脆弱さとは裏腹に意外な底堅さが維持される(ユーロが「円」化していく)」というものだ。だが、これは物価測度をベースにした、せいぜい5年単位の長期的なスタンスである。仮にユーロのポジションを持ち、目先半年程度の値動きにこだわるならば、「2014年1―3月期のテーパリング実施」という要素を念頭に置き、ドル買い相場の到来と共に「敵失のユーロ高」が反転するリスクも忘れてはならない。

円相場の歴史を振り返っても分かるように、局面によっては安定的に円安へ振れることも逐次あったが、変動相場制移行後のチャートを眺めれば、「円相場の歴史」は結局、「円高の歴史」だった。ユーロ相場も同様に時間軸を区切って複眼的に分析する必要があるだろう。

一部、ユーロ相場の騰勢を過剰に期待し、2000―08年の「ユーロフォリア」のようなブームが再来するとの見方もあるようだが、騰勢が実現するとしても当時のような明るいムードを伴うとは思わない。あくまで円が「失われた10年」の中で上昇したようなイメージを抱いている。

<長期平均から乖離するユーロ高>

さて、現状のユーロドルは今年2月時点の水準に近いが、当時、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ相場の上昇を受けて行った発言が思い出される。具体的には、2月ECB理事会後の会見で、ユーロ相場の水準に関して、実効ベースで見れば「長期平均と近いので問題視しない」と言いつつも、「物価安定の観点から将来のリスク要因」と述べた点が注目された。これがECBの口先介入と解釈され、2月理事会直後にユーロは急落したのだった。

その後、テーパリング観測の強まりと共にドル相場は上昇。6月ECB理事会後、ドラギ総裁は「輸出が最大のドライバー」と明言した。今思えば、ユーロドル相場が軟化しつつある当時の状況を踏まえた上での発言だったのかもしれない。だが、9月のテーパリング開始が見送られ、ユーロドルが勢いを取り戻す中で行われた10月理事会後の会見では再びユーロ高の悪影響が話題となった。現状はテーパリング観測が盛り上がる以前の今年2月時点の構図に戻った感が強い。

なお、国際決済銀行(BIS)が公表するユーロの実質実効相場(ナローベース)に関し、長期平均からの乖離率を計算すると、9月時点は2月時点よりも上方乖離が拡がっている(ちなみに長期平均はユーロが導入された99年1月から足もとまでの平均)。具体的には、長期平均に対する乖離率は2月時点でプラス4.4%だったの対し、9月時点でプラス5.7%となっており、恐らく10月時点はもっと拡大していると思われる。

直近の10月会見時にユーロ高について問われたドラギ総裁の口からは「長期平均に一致している」との言葉は聞かれなかった。後述するように、今後ECBの政策運営においてユーロ高がどのような捉え方をされていくのかは1つの見所である。

<1.40ドルは歴史的に見ても高値>

ここで、ユーロドル相場の具体的水準について簡単に整理しておきたい。市場ではすでに1.40ドル台を期待する声すら出ている(ちなみに、日本時間30日午前11時現在は1.37ドル台で推移している)。

結論から言えば、1.40ドルは歴史的に見ても高めの水準である。まず、ユーロ導入以来の過去最高値(1.6040、08年7月15日)と過去最安値(0.8228、2000年10月26日)の中間値は1.21ドル程度だ。また、金融危機後(07年8月以降)の最高値(過去最高値と同じ)と最安値(1.1876、10年6月7日)の中間値は1.40ドル程度。さらに直近3年(10―13年)に限れば、最高値(1.4904、11年5月4日)と最安値(1.1876、10年6月7日)の中間値は1.34ドル程度である。こうして見ると、ここから先の上昇については警戒感が芽生えても不思議ではない。

参考までに今後パニック的な混乱が起きた時に備えて下値目途も提示しておくと、ユーロドルの実勢相場は購買力平価(99年1月基準)をボトムとして推移してきたという経験則がある。これは具体的には1.20ドル付近になるが、偶然にもユーロの史上最高値・最安値の中間値であり、意識されやすい心理的節目と言える。

問題は、この1.40ドルをうかがうような為替水準にユーロ圏経済が耐え得るのかという点である。ユーロ圏輸出とユーロ相場の間には緩やかながらも「ユーロ安が輸出増につながる」関係が認められ、ドラギ総裁の言うように「輸出が最大のドライバー」だとすればユーロ高は今後の成長の足かせになりかねない。

また、ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は次第に伸びが鈍化しており、ユーロ高がECBの政策運営にとって障害と見なされる可能性は強まっているように思われる。もちろん、為替相場はECBの直接的な政策目標ではないが、ユーロ高を理由にディスインフレ傾向が強まっていると判断されれば、追加緩和の理由になり得る。

より具体的に言えば、鈍化する輸出の結果として域内の成長率が伸び悩み、財政再建の進ちょくに遅れが出てくれば、再び債務危機がはやし立てられる可能性もゼロではない。少なくとも、今夏以降のユーロ高を踏まえ、「最大のドライバー」たる輸出が減速してくれば、たとえば今年12月5日公表のECBスタッフ見通しが下方修正される可能性はある。それは利下げや新たな長期流動性供給(LTRO)も含めた追加緩和に踏み切る絶好のロジックとタイミングをECBに与える可能性が高いと筆者は考えている。

参考までにECBの金融政策に関して筆者の現時点の予想を示すと、次の一手があるとすれば、それは利下げの可能性が高いと考えている。新たなLTROも確かに有力な選択肢だが、来年半ばに欧州銀行監督機構(EBA)によるストレステストが予定される以上、その結果を踏まえた上で決定したいのがECBの本音と推測する。「分断化している域内金融市場に対し利下げは無意味」との意見は確かにある。だが、すでに供給されたLTRO資金の利払いは「借入期間中の政策金利の平均」で決まるのであり、利下げは間接的にユーロ圏金融機関の資本充実を助ける一手にもなる。

<来年前半は1.30ドル割り込む展開も>

いずれにせよ、以上のようなユーロ高に付随する各種副作用を勘案すれば、ユーロドルが1.40ドルを突破し、1.45ドル、果ては1.50ドルまで上伸するという見通しを作るのは簡単ではない。要するに、「現状のユーロ高」が「将来のユーロ安」要因となり得る可能性まで踏まえて、中期的な見通しを練ることが必要だと考えている。

そもそも現状見られている「敵失のユーロ高」はあくまで「テーパリング観測の後退」に起因する産物であり、ユーロ圏の身の丈に合った通貨高ではない。ユーロ圏経済が受け入れるにあたってはどうしても不都合が生じる。ユーロ圏9月HICPが前年比1.1%上昇と10年2月以来の低い伸びに押さえられている事実はその不都合が表面化している一例とも言えよう。物価安定をとりわけ重視するECBがこれを理由に緩和に踏み切っても不思議ではない。

来年にかけて、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング観測が再び強まるタイミングでECBが追加緩和に踏み切っている可能性は十分あるわけで、その際にユーロドルがどのような値動きをするかは火を見るより明らかだ。たとえば、6月18―19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でバーナンキFRB議長がテーパリングのスケジュールを口にした際、ユーロ相場が激しい調整を迫られたことは記憶に新しい。

今後半年程度のユーロドルの見通しを整理すると、第一に14年1―3月期にテーパリング観測が台頭するのに伴い「敵失のユーロ高」が巻き戻される確度が高いことを忘れてはならない。少なくともその際は、断続的に1.30ドルを割り込むような地合いになっている可能性が高い。

第二に、それ以前の年内の展開として、ユーロ高(に伴う低インフレ)を腹に据えかねたECBが追加緩和に踏み切り、1.30―1.35ドルのレンジ取引に引き戻される可能性も想定しておくべきだろう。

最後に来年をざっと見通すと、まずギリシャの財政再建の進ちょくやそれに伴う政局流動化への不安は常にくすぶっているだろう。また、加盟国で足並みが揃っているわけではない、ストレステストをめぐる資本注入問題(各国政府負担なのか、それとも欧州安定メカニズムによる直接注入なのかなど)もその帰趨が注目される。加えて、来年半ばにはポルトガルが国際支援プログラムから無事卒業を迎えることができるか否かも論点となりそうだ。敵失ではなく、自力を反映したユーロ高を展望するにはまだ不安は多い。今夏以降のユーロ高が半年以内に大きな調整を迎える可能性には警戒が必要だ。

*唐鎌大輔氏は、みずほ銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構後、日本経済研究センター、ベルギーの欧州委員会経済金融総局への出向を経て、2008年10月より現職。欧州委員会出向時には、日本人唯一のエコノミストとしてEU経済見通しの作成などに携わった。2012年J-money第22回東京外国為替市場調査ファンダメンタルズ分析部門では1位。

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02. 2013年11月01日 05:57:01 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
レアアースの大鉱脈を待ち望むグリーンランド
2013年11月01日(Fri) Financial Times
(2013年10月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

気温2度上昇でグリーンランドの氷床が融解の危機、WWF
ウラン採掘の解禁で大きな変化が訪れようとしている(写真はグリーンランド西岸のイルリサットの街並み)〔AFPBB News〕

 グリーンランドの首相は、デンマークからの経済的・政治的独立と、レアアース産出における中国の支配に対する挑戦に向けた大きな一歩としてウラン採掘禁止の解除を賞賛した。

 わずか5万6000人の住民しかいないこの広大な国は、議論を呼んだ僅差の投票結果で議会が四半世紀に及ぶウラン採掘禁止を覆した後、北極圏の商業開発に関する議論の中心に割って入った。

 グリーンランドは潜在的に世界のレアアースの最大4分の1を供給できるため、採掘の解禁は世界的な地政学的意味合いを持つ可能性がある。レアアースは携帯電話や電球から武器システムに至るまであらゆるものに使われている鉱物で、現在は中国が生産の約90%を支配している。

デンマークからの独立に向けた大きな一歩

 「これは独立に向けた大きな一歩だ」。グリーンランドの自治政府首相アレカ・ハモンド氏は、オスロで開かれた北欧理事会の会合に参加している際、本紙(フィナンシャル・タイムズ)に対してこう語った。

 グリーンランドは2009年に自治国になったが、防衛・安全保障とグリーンランドの予算の3分の1を占める年間約33億デンマーク・クローネの補助金を依然デンマークに依存している。主な産業は水産業で、グリーンランドの輸出の80%以上を占めている。

 「経済が1つの源泉、しかも非常に弱い源泉に基づいているため、それが我々を経済的独立に連れていってくれることは決してない。失業率が高く、我々は次世代のために雇用を創出したいと思っている」とハモンド氏は話す。

 さらにハモンド氏はこう付け加える。「我々の経済は、デンマークからの補助金ではなく、我々が持っているものに基づくべきだ。我々がウランのある山、鉄鉱石のある山、レアアースのある山を持っていることは、私にはどうしようもないことだ。鉱山開発は非常に少ない人口にとって素晴らしい選択肢だ」

 採掘はまた数年先のことで、グリーンランドは鉱物を産出するために外国の手助けを必要とするだろう。「今回の政策変更は、国を変える出来事だ。採掘を解禁したことで、世界の大鉱山の1つが前進できることを意味する」。オーストラリアに本拠を置くグリーンランド・ミネラルズ・アンド・エナジー(GME)の最高経営責任者(CEO)、ロデリック・マキルリー氏はこう話す。

採掘解禁がもたらす大きな変化

 同氏の話では、GMEがグリーンランド南部で手がけるクヴァネフィールド・プロジェクト――いくつかの発見の中で最も注目を集め前進しているもの――は、ひとたび生産が開始されれば、グリーンランドの国内総生産(GDP)を最大25%押し上げる可能性があるという。

 GMEは、2015年までは開始されないと見られる建設と、早くても2017年になる生産に関する許可を巡ってグリーンランド政府と協議を開始する。

 ウランの採掘解禁とは別に、首都ヌークに近い巨大な鉄鉱石鉱山は、ハモンド政権によって承認されたばかりだ。だが、これは国内で強い感情を引き起こすことにもなった。インフラを建設するために3000人の労働者――ほとんどが中国人になる可能性が高い――が必要になるからだ。

 採掘解禁はグリーンランドの人々にとってはさらに議論を呼び、不満を表す人たちの多くが、解禁決定のための住民投票を行うべきだったと主張している。ハモンド氏は悪びれず、自分は解禁に向けて努力するという公約の下で3月に選ばれたのだと主張する。

 だが、グリーンランド史上最大級のデモや政治家の公開演説といった論争の激しさに衝撃を受けてか、ハモンド氏は、GMEのような企業が生産計画がどのようなものになるか明らかにした段階で住民投票を行う可能性があると述べ、批判的な人々に和解の気持ちを表した。

 「私は恐らく住民投票を行うだろう。今は副産物としてのウラン採掘を始めるべき時期なのか? それは人々が決めることだ」とハモンド氏は言う。

デンマークとの緊張も

 採掘解禁は、デンマークとの緊張も生み出している。デンマークのへレ・トーニング・シュミット首相はオスロで、「グリーンランドは自治国家であり、こうした選択をするかどうかはグリーンランドの政府と当局次第だ。これは我々が最大限の敬意を払っていることだ」

 「ウラニウムを地上から取り出し始める場合には、適用されなければならない一定のルールがあり、これらのルールに関しては、デンマーク王国の手に委ねられていることも明らかだ」

 ハモンド氏はこれに異を唱え、デンマークは2009年に鉱物の産出に関する権限を委譲したと述べている。だが、ハモンド氏とトーニング・シュミット氏は、デンマークの防衛と安全保障上の利益が確実に尊重されるようにするための作業グループを設置することで合意している。

新しいクウェートにならないように備え

 グリーンランドの首相は、潜在的に膨大な資金の流れが国を不安定化させることが絶対にないようにしたいとも思っている。グリーンランドは既にノルウェーの石油基金に似たやり方で基金を設立している。

 「我々は、新しいクウェートにならないよう準備を整えなくてはならない。ノルウェーは素晴らしいお手本だ。ノルウェーは水産国だが、同時に石油を持つ高度に工業化された国でもある」とハモンド氏は言う。

 だが、ハモンド氏は、鉱山は潜在的に「私が生きている間にあっさりと」デンマークの補助金に取って代わることができるため、変化は多くの人が考えているより早く訪れるかもしれないと言う。

 さらに、こうも付け加える。「我々は、これを受け入れる準備ができているのだろうか? 何千人もの人が働くために外からやって来る鉱業国になる準備ができているのか? 我々は、グリーンランド人が少数派になるのを食い止めることができるのか? これは甚大な影響を与えるし、私はこの影響が確実に良い方向に向かうよう懸命に働かなくてはならない」

Richard Milne, Nordic Correspondent


 


 
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
銀行審査と金利上昇に悩むECBのジレンマ
2013年11月01日(Fri) Financial Times
(2013年10月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 長期の流動性を供給する潜在的必要性を巡る欧州中央銀行(ECB)のジレンマは、金融政策の守護者と主たる銀行監督者の役割を兼ねるうえで同行が直面する、相反するプレッシャーの早期の試金石となっている。

 ECB内で1年後にユーロ圏の銀行を監督することになる部門は、圏内の大手金融機関128行のバランスシートの健全性審査を行うことでその責務に備えている。ECBのマリオ・ドラギ総裁は、審査は厳格なものになり、ECBの担当者は銀行を不合格にする用意があると語っている。

 一方で、ECBの中核機能である金融政策を担う政策立案者は、短期のインターバンク(銀行間)金利がじわじわ上昇している状況と、低利資金として市中銀行に1兆ユーロを供給したECBの長期資金供給オペ(LTRO)が2015年初めに返済期限を迎えることについてどうするか検討してきた。

 短期金利の急上昇は融資の妨げになり、経済に打撃を与え、ただでさえ低すぎるインフレ率を一段と押し下げる。また、主要政策金利を長期にわたり現在の過去最低水準以下に据え置くというECBの判断に反する動きでもある。一部の銀行は、LTROの返済期限を「崖」になぞらえ、それが短期金利にさらなる上昇圧力を加えると見ている。

新たなLTROの実施が妥当だが、下手をすれば裏目に

 となると、明白な答えは何らかの形で新たなLTROを実施することだろう。ドラギ総裁が10月に述べたように、「今から景気が回復するまでの間に流動性の事故が起こることは誰も望んでいない」のだ。

 しかし、ここに葛藤がある。銀行のバランスシートの健全性を審査する直前に低利の流動性を供給することで、ECBはその弱さを見つけようとしている金融機関そのものを支える結果になりかねない。特にスペインやポルトガルのような圧力のかかった国の弱い銀行は、新しいLTROに応じて資金を調達し、利回りの高い自国の国債を買うかもしれない。これはまさに誰も望んでいない結果だ。

 これが、ECBがLTROプログラムの更新を急いでいない1つの理由だ。

 2015年の「崖」問題は、視界に入ってきたら実は些細な問題になる可能性もある。ECBの最新の四半期銀行貸出調査では、全体では調査対象の銀行133行が貸出を阻む要因として自行の流動性ポジションを挙げておらず、状況が改善したことが示されていた。

 資金のコストとバランスシートの制約は実際、平均すると、第3四半期に企業向け融資の与信基準の若干の緩和に貢献した。与信基準の緩和は2009年第3四半期以来初めてだ。もっとも、その他の要因を考慮に入れると、全体像はまだ与信基準の厳格化を示している。

 貸出調査の全体像は、もちろん、著しい地域差を覆い隠す可能性がある。だが、純粋に金融政策の観点からすると、ECBは、全体的には流動性の問題がなく、もし周縁国の一握りの銀行が問題を抱えているとしたら、それはそれで仕方ないという見方をすることができる。

 それでも、銀行がLTROの資金を早期に返済していることで、ユーロ圏の短期金融市場の過剰流動性の基準は低下してきた。10月29日時点で過剰流動性は1730億ユーロと、ドラギ総裁が2月に短期金利の上昇を招く水準として特定した2000億ユーロというレベルを下回っていた。ただし、総裁は最近、この予想を取り下げ、前後関係次第だと述べている。

高まる金利上昇圧力、ECBの選択肢は?

 上昇するユーロ相場と米連邦準備理事会(FRB)が資産購入を段階的に縮小する可能性は、どちらもユーロ圏の短期金融市場の金利に対する上昇圧力を高める。このためECBは新規のLTROに代わる策を検討する可能性もある。預金準備率を引き下げることもできるが、この選択肢を取り上げたECB高官は1人もいない。それより可能性が高いのは、ECBがいわゆる「固定金利・金額無制限オペ」を実施することだろう。

 最後の選択肢は古き良き利下げで、政策金利を0.5%未満に引き下げ、中銀預金金利を現行の0%で据え置くかECBとして初のマイナス金利を採用することだ。ECBの理事会は、ユーロ圏に回復の兆しが見えていることを考えると、最後の選択肢を議論する価値があるのかどうかについて意見が割れている。

 だが、利下げは目標値に届かないインフレ率の問題に対処することになるし、銀行監督の邪魔にならずに済む。

By Michael Steen in Frankfurt
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[12削除理由]:無関係な長文多数

03. 2013年11月01日 15:28:21 : e9xeV93vFQ
コラム:ユーロ高は長続きせず=カレツキー氏
2013年 11月 1日 14:13 JST
アナトール・カレツキー

[31日 ロイター] - ユーロに何が起こっているのだろう。多くの企業や投資家にとって、もちろん世界を飛び回る家族やつつましい旅行者にとっても、為替相場は株価や債券利回りより重要だ。だからユーロ高が最近ほとんど注目されていないことは意外感を誘う。

ユーロは10月28日に2011年以来の最高値を付け、9月から5.5%、7月初めからは8%以上も上昇した。対円では2008─09年の世界金融危機以来の高値に達するなど上昇著しく、欧州の輸出業者は競争力を失っている。欧州に住んだり旅行したりする米国人やアジア人は不公平な気分を味わい、多くのエコノミストは芽生えたばかりの欧州の景気回復が腰折れするのではないかと心配し始めた。

対照的に、純粋な金融プレーヤーはここ数年になくユーロ高に熱を入れているようだ。ユーロ高を予想する投機的先物ポジションは2011年夏以来の最高水準に膨らんだ。過去10年間で11年夏を上回ったのはリーマン・ショック直前の一回きりだ。重要なことに、この2回の投機的ポジション増大の後は、いずれもユーロが急落している。外為市場は概して、強気心理が極端な水準に達すると方向転換するからだ。しかし天井知らずに見えるユーロ高の反転を予想するのには、もっと深い理由がほかにある。

通貨は何年もの間、トレンドに沿って動く傾向を見せている。事実として、ユーロの対ドル相場の長期トレンドは過去数カ月の急上昇にもかかわらず、今なおほぼ間違いなく下向きだ。

ユーロのドルに対する長期トレンドが明確に下方向に転じたのは5年以上前だ。2008年4月に1ユーロ=1.60ドルで天井を付けた後は、高値と安値を徐々に切り下げながら、幾つものサイクルを形成してきた。今週の高値の前のピークは2011年4月の1.48ドルで、その前は2009年11月の1.52ドルだ。これらに続いて10年6月と12年7月に付けた安値はいずれも1.20ドル前後だった。来年あたりに再びこの水準を試すと予想するのが妥当だろう。

ドルのユーロ(その前はドイツマルク)に対する長期トレンドの方向性は常に、欧州ではなく米国の出来事によって決定されてきた。ドルが1980年から85年にかけて急上昇したのは、米国の地政学的影響力に対する信頼感の強まりと、レーガン政権下での経済再生が原動力だった。続く85年から91年にかけては、レーガン元大統領とブッシュ元大統領が意識的にドル安政策を追求したため、先の上昇をも上回る勢いで急落した。95年までは横ばい圏で推移した後、2001年にかけては並はずれた米経済成長と、クリントン政権下で初めて財政赤字が消滅したのを背景に、ドルは再び力強く上昇した。ジョージ・W・ブッシュ元大統領が選出されて数週間中にこのトレンドは反転し、ドルは01年1月から08年4月にかけてほぼ一本調子で下落した。

この数十年間、欧州の出来事は、東西ドイツの統一やソ連崩壊、ユーロ誕生といった大事件ですら、為替の長期トレンドの決定要因としてはわき役に過ぎなかった。トレンドを決定付けてきたのは米国に対する信頼感の満ち欠けだ。

現在、ユーロ相場の鍵を握るのは米国に対する信頼感がさらにしぼむか、あるいは復活するかという問題だ。大半の投資家と米連邦準備理事会(FRB)の予想通り、米経済の成長は加速するだろうか。ワシントンの政界は財政をめぐる対立を打開できるだろうか。いずれか、もしくは両方が実現すれば、ユーロ相場は突如として反転する可能性がある。

そうなれば、輸出競争力を心配していた欧州のエコノミストや投資家、ビジネスマンは喜ぶだろう。しかし彼らは注意すべきだ。欧州の輸出業者を苦しめてきたユーロ高は、ユーロ圏のマクロ経済を安定させるという予想外の恩恵ももたらしてきたのだから。

純粋に経済的観点に立てば、強いユーロは輸出に過度に依存した欧州経済を消費主導型へと是正し始めている。欧州の貿易黒字は持続不可能なほど膨らんでいるため、このリバランスは健全だ。貿易相手国にとっても受け入れがたい状況になっており、米財務省は今週、為替報告でドイツの貿易黒字に対して異例の批判を展開した。

第二に、ユーロ高は欧州の政策協議の軸足を緊縮から拡張的な金融・財政政策に移すという、驚くべき政治的恩恵を生み出した。ドイツ連銀はこの夏まで、欧州中央銀行(ECB)によるイタリアやスペイン国債の支援策と、弱体銀行に対する低利の流動性供給を声高に攻撃していた。しかし弛緩したECBの政策がユーロの価値を損なう、という不吉な警鐘はドイツ国内でさえ真面目には受け止められていない。この間、ユーロはドルのみならず円やポンド、スイスフラン、中国人民元に対しても上昇し、世界最強通貨となっている。

予想外のユーロ高により、ドイツ連銀の強硬派は欧州版「ティーパーティー(茶会)」と化した。無責任な金融・財政政策をくどくどと批判するくせに、差し迫った脅威がインフレかデフレかさえ判別できず、銀行は与信に甘過ぎるのか渋過ぎるのか、通貨は弱過ぎるのか強過ぎるのかも分からないような、口うるさい老人グループだ。

ドイツ連銀と、緊縮支持でドイツと手を組むオーストリア、フィンランドが脇に寄っている間、フランス、イタリア、スペインの各国は緊縮財政を緩めることが可能になり、おずおずと景気回復の一歩を踏み出すことができた。一方、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁はユーロ防衛のために本当に「何でもやる」自由を確保し、イタリアおよびスペインの債券市場と金融システムの信頼を回復している。これまでのところ、万事良好だ。しかし仮にユーロが長期下落トレンドに向かい始めたら、どうなることやら。

*アナトール・カレツキー氏は受賞歴のあるジャーナリスト兼金融エコノミスト。1976年から英エコノミスト誌、英フィナンシャル・タイムズ紙、英タイムズ紙などで執筆した後、ロイターに所属した。2008年の世界金融危機を経たグローバルな資本主義の変革に関する近著「資本主義4.0」は、BBCの「サミュエル・ジョンソン賞」候補となり、中国語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語に翻訳された。世界の投資機関800社に投資分析を提供する香港のグループ、GaveKal Dragonomicsのチーフエコノミストも務める。

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04. 2013年11月01日 15:42:48 : e9xeV93vFQ
ユーロがほぼ全面安、追加緩和観測で−対円で2週間ぶり安値

  11月1日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、ユーロがほぼ全面安の展開となっている。ユーロ圏のインフレ率が予想を下回ったことなどを受けて、欧州中央銀行(ECB)による金融緩和期待が強まっていることが背景。
午前11時44分現在のユーロは、主要16通貨のうち15通貨に対して前日終値を下回っている。ユーロ・円相場は前日に引き続き、ユーロ売り・円買いが進み、一時1ユーロ=132円99銭と10月16日以来のユーロ安値を更新した。ユーロ・ドル相場も一時1ユーロ=1.3540ドルと、2週間ぶり安値を付けた。
バークレイズの門田真一郎為替ストラテジストは、市場では「ユーロ圏のインフレ指標が弱かったので、追加緩和期待が高まっている」と指摘。「来週のECB金融政策理事会でドラギ総裁がどのような示唆をするのか見極めたい。緩和期待は盛り上がっているものの、経済予測が公表される12月の段階で追加緩和として新たな長期リファイナンシングオペ(LTRO)を実施すると予想している」と述べた。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が前日発表した9月のユーロ圏失業率は12.2%と過去最悪だったほか、10月のユーロ圏インフレ率も予想を下回った。
JPモルガン・チェースのユーロ圏エコノミスト、グレッグ・フゼジー氏は、ECBが12月5日の会合で政策金利を0.5%から0.25ポイント引き下げ0.25%にすると予想している。
前日は、ECBの政策委員会メンバー、ノボトニー・オーストリア中銀総裁がCNBCテレビとのインタビューで、LTROの終了による、崖から落ちるような影響を避けたいと発言したこともユーロ売りの材料となった。
ドル・円
ドル・円相場は1ドル=98円前半で推移している。米製造業の景気転換の先行指標とされる米供給管理協会(ISM )製造業景況指数の発表を控え、小動きにとどまっているが、国内株価の下落とともに若干ドル安に振れている。
前日の米国市場では、ISM製造業景況指数との関連性が指摘されているシカゴ地区の製造業景況指数が10月に2011年3月以来の高水準を記録したことを受けて、98円57銭前後までドルが買われた。ただ、10月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表後に付けた98円68銭には届かなかった。
バークレイズの門田氏は、「FOMC声明で予想ほどハト派的な内容が出なかったことで、対円、対ユーロでドル高が進んだ。シカゴ製造業景況指数が強かったこともあり、基本的にはドル高の流れを引き継いでいるものの、前日に日本株が下げて、ドルが下落したこともあって、98円台前半でのもみ合いにとどまっている」と説明した。
MNIシカゴ・リポートの10月の製造業景況指数 (季節調整済み)は65.9と、前の月の55.7から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は55.0だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。
10月のISM製造業景況指数はこの日の日本時間午後11時に発表される予定。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55と活動の拡大と縮小の境目を示す50を超えると見込まれている。9月の同指数は56.2だった。
午前の東京株式相場は朝方高く始まり、後半にかけて徐々に失速した。日経平均株価 の午前の終値は前日比105円91銭安の1万4222円03銭、TOPIXは9.07ポイント安の1185.19だった。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 Yuko Takeo ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/11/01 11:55 JST

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