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メニューの虚偽表示で記者会見するルネッサンスサッポロホテルの支配人=29日
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131030/dms1310301524014-n1.htm
2013.10.30
大手ホテルチェーンの阪急阪神ホテルズ(大阪)で発覚した食材偽装問題。火元となった同ホテルズの社長は辞任に追い込まれたが、別の有名ホテルでも同様の問題が次々と露呈し、業界全体に広がる勢いだ。消費者の信頼を揺るがす不祥事はなぜ相次ぐのか。都内の超有名ホテル5社を直撃。浮かび上がってきたのは、負のスパイラルに陥る業界の苦境だった。
出崎弘社長の辞任にまで発展した阪急阪神ホテルズの「偽装ショック」。問題発覚後、系列ホテルでの宴会やレストランの予約キャンセルが続出し、経営にも影を落とし始めている。
事態は、いちホテルの不祥事にとどまらない。業界に詳しい関係者は「氷山の一角。同じような偽装をしてビクビクしているホテルは他にもある。こんな騒ぎになって慌ててメニューを差し替えている所もあるのでは」と声を潜める。
実際、阪急阪神ホテルズの件が明るみに出て以降、ルネッサンスサッポロホテル(札幌)、ホテルコンコルド浜松(浜松)、ホテルクレメント徳島(徳島)など日を追うごとに偽装表示を行っていた施設が増え続けている。
実はこの不正行為、そもそもの震源は、プリンスホテル(東京)が運営するグランドプリンスホテル新高輪など4ホテルで6月に発覚した問題にある。利用客からの指摘などを受け、計18施設の27店舗、計66品目で偽装が判明。このなかには牛乳成分を誤表示していた大津プリンスホテル(大津)も含まれる。
止まらない偽装の連鎖で業界への信頼が大きく揺らぐ。プリンスを含む都内名門5ホテルはどんな対策を取っているのか。
ホテルニューオータニでは、すでに2度のチェックを実施。「すべて正しく表示されていることを確認した」(マネジメントサービス部)という。帝国ホテルは、マニュアルに基づき行っている全メニューの発注、納品業務を再確認し、「全グループのホテルのメニュー表示が問題ないことが分かった」(広報課)。グランドハイアット東京も「以前から社内で注意喚起を行っており、正しい表記を継続的に実施している」(広報課)としている。
ホテルオークラは「調査中のため、コメントは差し控える」(広報担当)と回答した。
問題の当事者となったプリンスは「再発防止策として調理、購買、レストラン部門の連携強化やメニュー表示基準の設置のほか、従業員向けの講習会などを行っている」(管理部)と名誉挽回に必死。利用客に総額約1億1000万円分の代金を返金したという。
信頼を売るホテルがなぜ虚偽表示に走るのか。
本紙で『高級ホテル 最新事情』(木曜)を連載するノンフィクション作家の桐山秀樹氏は「業界が抱える構造的な問題が関係している」と指摘し、こう続ける。
「10年程度前から経営合理化が叫ばれるようになり、2008年のリーマン・ショックでその機運が一気に高まった。コストダウンにばかり意識が向き、質の維持は二の次。それが裏目に出て安かろう悪かろうの食材が出回るようになった」
関係者によると、経営合理化に特に熱心だったのが、ほかでもない阪急阪神ホテルズ。業界に先駆けてより安い食材を提供する業者をインターネットで選定する方式を導入。これにならった同業者も少なくないという。
桐山氏は「かつては業者との取引は現場のシェフに一任されていた。そのため、取引先との信頼関係ができていたが、今では顔の見えない取引が慣例化し、業務がシステマティックになった弊害が出ている。ホテル業の本質を忘れて企業の論理ばかりを追求していけば今後も同様の問題が起きるだろう」と危ぶむ。
ホテルマンの誇りを取り戻すことが信頼回復の第一歩になりそうだ。
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