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アベノミクスの最悪部分を模倣する中国の愚−W・ペセック (Bloomberg)
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/539.html
投稿者 五月晴郎 日時 2013 年 10 月 30 日 19:51:41: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MVEY066JTSEM01.html

10月30日(ブルームバーグ):

「まねすることが最高のお世辞になる」という英語の格言が本当なら、安倍晋三首相は投資意欲をかき立てるアベノミクスを中国指導部が模倣していることで気分がいいはずだ。

ただ中国がまねしているのはアベノミクスの本質ではなく、実際にないものをあたかも存在しているかのように見せる手法なのだ。広告キャンペーンを成功させる鍵はいかに顧客を魅了し、囲い込むかだが、安倍首相はPR会社エデルマンも驚くほど見事にこれをやってのけた。

安倍首相のキャンペーンのからくりはこうだ。金融政策、財政政策、成長戦略のいわゆる3本の矢を打ち出した後、時を置かず比較的取り組みやすい最初の2つを鳴り物入りで実施してアピール。アベノミクスの大規模な金融・財政刺激策を受け、株価は上昇し、海外投資家は夢中になった。そしてこの市場の高揚を隠れみのにして、経済の規制緩和や既得権者への挑戦といった本当に難しい第3の矢の実行を遅らせた。

今年に入って38%上昇している日経平均 に目を奪われがちだが、実は安倍首相はまだ一つの構造改革も実施していない。就任後約11カ月たっても、貿易障壁撤廃や労働市場の規制緩和、女性の労働参加率上昇、民間投資の促進、企業統治の改善、エネルギー市場の自由化、起業促進のための税改革といった課題はまったく解決されていない。しかし投資銀行やメディアは、アベノミクスにより日本経済が数十年ぶりに自律的な回復過程に既に入ったかのように称賛している。

二重写し

中国の李克強首相は、約30年前にケ小平氏が経験したような困難に直面している。李首相は国有企業の役割縮小、金融・財政システムの改善、土地・戸籍制度の見直し、経済の輸出依存解消、大気汚染対策といった難題に取り組まねばならない。既得権益の上にあぐらをかく中国共産党幹部を説得してこうした改革を実現するには相当の政治的覚悟が必要だが、残念ながら李首相と習近平国家主席にはそうした様子はうかがえない。

だからこそ、安倍首相の姿と重なるのだ。李首相と習国家主席が耳にたこができるほど「包括的改革」のお題目を繰り返した結果、エコノミストや投資家は何かが実際に進んでいるかのような気になっている。新指導者はアベノミクスと同じく、2つの方針発表で人々を幻惑し、第3の問題である改革から目をそらそうとしている。最初の2つとは、6月の与信規制と、景気過熱を阻止するとして成長にブレーキをかけているという宣言だ。

あいまいさ

中国は与信規制と成長鈍化の問題を改革と結び付けることに成功した。しかし、さらに深刻な問題は、両首脳が中国経済の今後の計画を明確に示さないことだ。中国国営の新華社通信が先週伝えた習国家主席のコメントは、「われわれは改革、発展、安定という3つの要素の関係を適切に処理する必要があり、一段と強い政治的勇気と賢明さをもって、心を開き、社会的生産性を解放・発展させ、社会の創造性を強化しなければならない」というものだった。

この文が何を意味しているかさっぱり分からない。大胆で賢明な改革が進んでいることを信じ込ませるためにキーワードを羅列する言葉遊びをしているかのようだ。

こういうわけで、中国共産党の兪正声政治局常務委員が、来月開催の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で前例のない改革が協議されるだろうと述べても私は一向に本気にしていない。李首相の「リコノミクス」も信頼に足る計画というよりむしろスローガンであり、期待できない。いかなる経済も抜本的改革には時間がかかるものだ。中国のように巨大で不均衡な経済であればなおさらだ。それなのに両首脳は安倍首相と同じく、大改革の策定が必要な時に口ばかり動かしている。

(ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:China Mimics the Worst of Abenomics at Worst Time: WilliamPesek(抜粋)

記事に関するコラムニストへの問い合わせ先:Tokyo William Pesek wpesek@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Greiff jgreiff@bloomberg.net
更新日時: 2013/10/30 11:19 JST  

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コメント
 
01. 2013年10月31日 11:48:40 : nJF6kGWndY

政治的強者の既得権を奪うような構造改革は、どこの国でも進まないものだ

だから後進国が先進国を追い越すパワーバランスの下剋上も起こるわけで、

後付けで言えば歴史の必然というやつだな


02. 2013年10月31日 17:01:43 : e9xeV93vFQ
コラム:中国が唱える「改革」に3つの問い
2013年 10月 31日 15:15 JST
By John Foley

習近平国家主席が率いる中国の新指導部にとって、改革とは「旗印」なのか、それとも単なる「お題目」なのか。11月9日から始まる中国共産党第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)で、その手掛かりを得ることができるはずだ。

過去の三中全会では、1978年に改革・開放路線へ大きくかじが切られたほか、1993年には社会主義市場経済が産声を上げた。中国共産党政治局常務委員で党内序列4位の兪正声氏は今月27日、今回の三中全会では「前例のない」経済的・社会的改革について討議すると述べている。中国ウォッチャーにとっては、ここで3つの疑問が持ち上がる。

まず第1に、どんな種類の改革になるのかということだ。それは、政治的に何が可能なのかにかかっている。最も可能性が高い「改革」は、権力者の中には敗者をほとんど出さない程度の調整だ。それには、電気や水道の料金値上げや、行政手続きの簡略化などが含まれるだろう。また、銀行預金と不動産以外の長期的投資の選択肢拡大が約束されるかもしれない。その他の大部分は、具体策というよりは言葉のレトリックにとどまる公算が大きい。中国には税制改革や妥当な社会保障制度の確立、国営企業の効率化などが必要であることは周知だが、それらの断行には恐ろしい既得権益層が立ちはだかっているからだ。

第2に、習近平国家主席がどんな力を持っているかだ。1978年には、トウ小平氏がまぎれもない中国の最高指導者として返り咲き、経済特別区設置など、後の難しい改革を断行する力を持った。対照的に、2003年に国家主席に就任した胡錦濤氏は、国中が沸いた初の有人宇宙船の発射によって影が薄れ、絶対的指導者というよりは、月並みな指導者として表舞台に出てきた印象が強い。習近平氏はこれまでのところ、この2人の中間に位置している。もし11月の三中全会で明確な主役を演じることができれば、それは、後の大きな改革の断行にも支持を得たことを意味するはずだ。

最後に、中国がどんな政治を求めているのかだ。中国共産党は本質的に謎に包まれており、三中全会の詳細についても、日程さえ最後のぎりぎりまで明らかにされない。故に、トーンの変化は明るい兆しだろう。胡錦濤氏は「報告書」を導入することで意思決定の形に微調整を加えたが、それは彼のコンセンサスを重視する姿勢を予兆する動きだった。共産党の元幹部・薄熙来被告の汚職裁判では、インターネットを通じて証言の模様などが公開されたが、中国には予期せぬ新たなアイデアが出てくる余地はまだある。もし、習近平国家主席が共産党の意思決定プロセスを刷新することができれば、国家を改革することもできるだろう。

[30日 ロイター]

*筆者は「ReutersBreakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

[12削除理由]:無関係な長文多数


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