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老朽化した交通インフラの改修にシンジケート・ローンが一役買いそうだ
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131030/ecn1310300732003-n1.htm
2013.10.30
安倍晋三政権が進める「3本の矢」のうち、成長戦略のカナメとなるのが「岩盤規制」を突き崩す抜本的な規制緩和。「国家戦略特区」はその中心施策であり、11月上旬には規制改革の内容を盛り込んだ関連法案が国会に提出される見通しになっている。
この動きに呼応して各業界も政府あて規制緩和の働き掛けを積極化している。うち銀行界では18日、「都銀懇話会」が関係省庁に「規制緩和要望書」を提出した。45項目におよぶ規制緩和要望メニューはまさに多岐にわたるが、なかでも目を引くのは、国内外にわたる融資の伸長を目指した規制緩和の数々だ。
具体的には「PFI事業(コンセッション)における規制緩和」「国際協力銀行による本邦民間銀行向け貸付(ツーステップローン)の要件緩和」などのメニューが並ぶ。特に、規制緩和が実現すれば銀行融資を大きく伸ばし、景気押し上げ効果が大きいと思われるのは「シンジケート・ローンにおける資産査定の統一化」であろう。
シンジケート・ローンでは、とりまとめ役のアレンジャー銀行が他の金融機関に呼び掛け融資団を組織することで、一銀行では担えない大型の融資を実行できる。「与信リスクを参加する融資銀行間で分散できるメリットがある」(メガバンク幹部)というわけだ。
通常、シンジケート・ローンでは、融資先のメーンバンクであるメガバンクなどがアレンジャーとなり、地域金融機関が融資団に参加するケースが一般的だ。「同一の債務者向け融資であるにもかかわらず、参加金融機関はそれぞれ別個に自己査定を行い、その結果を金融庁の検査でチェックされる」(同)ことになっている。
だが、アレンジャーとなるメーンバンクと参加金融機関が持つ債務者情報には質量両面で差がある。にもかかわらず「金融庁検査では同一目線で資産査定が行われかねず、シンジケート・ローンへの参加に踏み切れない金融機関が見受けられる」(同)といわれる。
このため規制緩和では、シンジケート・ローンにおける自己査定をアレンジャーの資産査定と統一化することで、地域金融機関がより積極的にシンジケート・ローンに参加できるよう配慮を求めている。
この点、参考になるのが米国のSNC(シェアード・ナショナル・クレジット)という制度。同制度では、3行以上の金融機関が参加して実行される総額2000万ドル以上のローンについては、当局がアレンジャーに対して実施した査定結果を各参加金融機関に通知し、各金融機関は原則としてそれを自己査定とすることができる。かつ、SNCの対象案件は、アレンジャーとなった銀行で、それ以外の金融機関は検査でチェックされない。
アベノミクスでは老朽化した社会財の更新や海外向けインフラ輸出といった巨額なプロジェクトが推進されると予想される。それだけにシンジケート・ローンの役割は大きく、規制緩和の促進が期待される。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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