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米経済の急ブレーキ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52517224.html
2013年10月27日 在野のアナリスト
25日、日経平均が急落しました。理由は様々に語られますが、実は単純で、月曜に欧州CTAスジが、米雇用統計前のイベントドリブン型の大きな買いを入れました。通常、水曜には吐きだす売りを、金曜に行っただけのことです。それが、米金融緩和の長期化に伴う円安期待の剥落、終末の益だし売りと重なり、予想外の大幅な売りになった、というだけの話です。しかし、こうした株価の上下だけでなく、世界経済にはふたたび暗雲が漂い始めてきており、そこに不安があります。
一つは米国の金融規制強化策の検討です。バーゼル3より厳しい規制をかけ、米国債などの流動性の高い資産を買わせる。つまりこれは、FRBの金融緩和の終了と同時に、米国債の買い手として規制強化に伴う、金融機関への国債保有義務付け、という意味をもちます。しかしだからと言って、米国債が今後も、安泰な投資先であり続ける保証はありません。それは今回の政府機関のシャットダウンにも表れるように、米国の突然死に対応せざるを得ない、という宿命でもあり、蓄え過ぎたFRBの資産とともに、金融機関だけでは今後も増え続ける米国債をカバーし切れないのかもしれません。
それはこれまでの米国債の買い手だった、中国の変調とも重なります。これまでは高成長で、膨らみ続ける外貨準備として、米国債の保有を膨らませましたが、不動産バブルの影響から、今後は吐きだす方向でしょう。経済のパイがそれだけ縮むからですが、これは他の新興国も同様、成長が止まり、外貨準備に回す資金へ減らします。基軸通貨たるドルへの投資は今後、減る見込みです。
しかも米製造業の景況指数や、不動産価格の一服にみられるように、米経済に急ブレーキがかかった。QEを止めるだけで、これだけ経済の下押し圧力がかかる中、FRBの大量購入の受け皿に金融機関が当たればどうなるか? 民間投資は減り、それがさらに金融資産の減少をもたらし、益々経済のパイを減らさざるを得なくなる。つまり米経済はある日、突然死する可能性を強めているのです。
日本経済は、以前からとり上げているように、政策的に外需に期待する構図が鮮明です。しかも安倍ノミクスは、巨額なバラマキが伴うため、一見すると内需が堅調な一方、外需が取り込めていない。これが今の貿易赤字の構図です。原発停止で燃料輸入が…なんて、輸入される天然ガス、原油の3割しか燃料には回らない中、ナンセンスな議論です。根本は安倍ノミクスにより、国内の富が海外へと放出される形が今、定着しているだけです。そしてこれは消費税増税前の、駆け込み需要がつづく間は、米経済の変調、中国経済の不安とともに、外需が落ちこむ中で続くのでしょう。
さらに、日本では株式の優遇税制が廃止され、個人の売りが観測される点にも問題があります。来年はNISAがはじまりますが、当面それが株価を押し上げることはないでしょう。国会の予算委で、民主党の前原氏が政府、日銀に対して出口戦略を問いましたが、米国でさえ失敗しそうな今、政府、日銀に答えられるわけがありません。そして米FRBがQEを終了するタイミングで、そこにある危機が現実化することになる。だからといってQEをつづけると、FRBの資産の膨れ上がりにより、米経済はそれこそ突然死します。世界に覆いはじめた暗雲とは、QEを終了できない、といったジレンマに基づく、突然死への警戒といった側面、そんな恐れを強めているのでしょうね。
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