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マンション建設費は上昇中だが、一戸建てはそうでもないという
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131027/ecn1310270726001-n1.htm
2013.10.27 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
困ったことになっている。先日、私の事務所にやってきた某中堅デベロッパーの仕入れ責任者が開口一番に発したのは「もうマンション事業ができませんよ」という悲痛な言葉。建築費が高くなって、とても採算の合うレベルで事業が組み立てられなくなったというのだ。
以前書いた通り、マンションの建築費は、ここ6年で1戸当たり約1000万円も高騰してしまった。いまやゼネコンは見積もりさえも出し渋る状態だという。
専門的になるが、東京なら山手線から私鉄の普通電車で10分ほど離れた場所で建設しようとすると、1坪10万円程度で土地を仕入れないと事業が成り立たないことになる。そういった場所の土地価格の相場は、1坪100万円から130万円なので、10万円で買えるわけがない。
「だったらマンションの価格を上げればいいじゃないか」
昔は、そういう方式でやっていた。バブル期などはその典型。しかし、今は売れない。
当たり前の話だが、マンションを分譲する側の都合で価格をつり上げても、購入する側の収入が増えなければ買ってもらえない。
まだ土地神話が生きていたころ、購入サイドは多少無理しても収入が増えることが見込めた上に、買ったマンションも値上がりした。
今はもうそんな時代ではないことを多くの人が知っている。だから、無理をしてまでマンションを買う人が極端に少なくなった。加えて、マンション購入の適齢期である30代人口が激減している。人口ピラミッドにおける団塊ジュニア世代の大きな山は、今年40歳に達した。後は減る一方である。
「高く売り出しても売れない」。2回のバブルを経験したマンション業界は、そのことに気づいている。ただ、各社ともすでに1年分くらいの用地は仕入れてある。会社によっては2年先まで仕入れ済みかもしれない。
では、どうするのか。
都心エリアの場合、多少高くしても需要層がついてくる可能性がある。年収2000万円クラスになると、価格が6000万円から7000万円に上がっても「まぁ、仕方がないか」になるかもしれない。しかし、4000万円の予算で探している層は5000万円に値上がりすると、もう手が出ない。
結局、都心では値段を高くして売り出されるのだろうが、それで本当に売れるかどうかは、やってみないと分からない。郊外では当面事業化を見送らざるを得ない。仕入れた用地は塩漬けだ。
今後、この建築費の水準が下がらなければ、新築マンションの供給はかなり減るだろう。マンション業界の危機である。
では、買う側はどうすればよいのか。
高い新築を無理に買う必要はない。中古を探せばいい。戸建てという選択肢もある。なぜか木造住宅の建築費はほとんど上昇していない。分譲戸建てとマンションが価格的に競合することも、十分ありえる時代になった。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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