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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131026-00010920-president-bus_all
プレジデント 10月26日(土)12時15分配信
地震保険の保険料が、早ければ2014年7月から改定される。15.5%の値上げと聞いて、早く入らなくてはと焦る人や、また、今後の加入を迷っている人もいるだろう。
ただし、15.5%はあくまで全国平均値。今回の保険料改定では、地域や建物の耐震性に応じたリスクの見直しを行っている。このため、大幅値上げになる人がいる一方で、実は値下げになるケースも少なくない。新しい保険料を参考に、わが家のリスクを再確認し、上手な加入方法を検討したい。
地震や噴火、これらによる津波などで住宅や家財に損害を受けたとき、“頼みの綱”になるのが地震保険だ。火災保険では、こうした損害は補償されない。
地震保険は火災保険とセットで加入するのが条件。保険金額は火災保険の50%が上限なので、地震保険だけで住宅を再建することはできない。だが、家も家財も失ったとき、とりあえず当座の生活を立て直す資金として地震保険が果たす役割は非常に大きい。
地震保険は法律に基づく公的制度で、保険料はどの保険会社で加入しても同じだ。まず、基本料率は「都道府県」と「建物の構造」の2つの要素で決まる。基本料率は地震危険度の高い地域ほど高く、また同じ木造住宅でもその建物の耐火性能により保険料は異なる。さらに、この基本料率から建物の耐震性に応じて決められた割引率が適用されて、保険料が決まる仕組みだ。
今回の保険料改定では、地域ごとに地震リスクの見直しを実施。基本料率は最大で30%の値上げとなる一方、リスクの低い地域では最大17%の値下げとなるケースもある。
また、耐震性による割引率は拡大される。国土交通省による耐震等級に基づく割引率は、耐震等級2で20%が30%に、耐震等級3で30%が50%に拡大。免震建築物の場合も30%が50%に拡大される。
もっとも、新築マンションの95%は耐震等級1で、残念ながら割引率は10%で据え置きだ。一方、最近の一戸建て住宅(2階建て程度)は耐震性が高く、等級3が主流となっている。
わが家の耐震等級は「住宅性能評価書」を見ればわかる。2000年10月以降に購入した新築住宅なら、この書類を受け取っている可能性が高い。このほか、新耐震基準が施行された1981年6月以降に建てられた建物には、従来どおり10%割引が適用される(重複適用はなし)。
たとえば、神奈川県の一戸建て(準耐火構造二階建て、耐震等級3)で保険期間1年、1500万円の地震保険に加入するケース。年間保険料は現在1万7700円、改定後は1万5150円と2550円の値下げになる。一方、同じ条件でも耐震等級1の場合だと、年間保険料は現在2万2800円、改定後は2万7300円と4500円の値上がりだ。
今回の改定では、耐震性が低い住宅のほうが保険料が値上がりするケースが多い。だが裏を返せば、そうした住宅ほど地震保険の必要性が高いといえる。さらに住宅ローンが残っていたり、余剰資金の少ない人なら、いっそう地震保険による備えが必要だ。
保険料を抑えるには、保険期間を長くして割引を受ける方法がある。地震保険は火災保険の保険期間の範囲内で最長5年まで加入できる。期間5年の場合なら、保険料は4.45年分に割引される仕組みだ。わが家の保険料が上がる予定なら、その前に長期で加入してもいい。
また、新耐震基準の施行前に建てられた古い住宅は、地震保険の前に耐震補強工事を検討したほうが安全だ。老朽化した住宅の加入については、残存価値と保険料、家計状況などを総合的に考えたうえで判断するといいだろう。
さくら事務所コンサルタント 三上隆太郎 構成=有山典子
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