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駆け込み買いは得か?家計の増税防衛策を点検――熊野英生・第一生命経済研究所経済調査部 首席エコノミスト 
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/474.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 10 月 26 日 12:56:38: AtMSjtXKW4rJY
 

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131026-00043373-diamond-nb
ダイヤモンド・オンライン 2013/10/26 08:00


● 消費税増税で1世帯10万円の税負担 いま住宅、自動車、テレビを買うべきか

 来年4月1日から消費税率が5%から8%へと引き上げられる。1世帯の税負担をざっと計算すると、約10万円の年間負担額の増加が見込まれる。

 さて、この10万円という負担増に対して、家計はどのような防衛策を講じるのが有効なのだろうか。

 増税前の準備と言えば、一般的に考えられているのは、住宅購入、自動車・テレビなど耐久消費財を税率5%のうちに購入することである。

 しかし、増税後に家計のやりくりが厳しくなる前に、住宅ローン支払いを増やしたり、クレジットでの分割払いを組むことが得策だとは筆者は考えない。

 消費税率が上昇する分を手前で回避しようとして、大きな駆け込み買いをすると、余裕資金がそこに喰われて、それこそ2014年4月以降のやりくりが窮屈化する。

 試しに、2014年4月1日の直前でまとめ買いが行われそうな品目を選び出して、駆け込み買いがどのくらい節約効果を上げるのかを計算してみよう。

 まとめ買いができなそうな品目を、年間消費金額が大きい順に10品目ほどリストアップしてみる(図表1参照)。首位は、お米、次にたばこ、ビール、発泡酒と続く。
 極端な想定として、これら10品目を1年間分まとめ買いしたとしよう。総計は9.9万円になる。消費税5%のときの税負担は、4727円/年間である。それが8%になると、追加負担は7564円/年間になる。駆け込み買いのメリットは、▲2836円ほどになる。増税直前の3月の支出額を9.9万円も余計に増やすことになって、▲2836円しか節約の実入りはないと思う。

 手前にまとめ買いをするよりも、堅実に別のところで2836円分の節約をすることが合理的と判断できる。

● 年間収入を増やせるか

 家計の防衛を考えるときに重要なのは、給与水準が2014年に向けて引き上げられるかどうかである。現在、政労使会合が開催されて、2014年度の賃上げについて議論が為されている。

 現在、労働需給の逼迫度合いは2006・2007年頃の高水準に匹敵するレベルに近づいている。加えて企業収益の水準も、2006・2007年のピーク時に接近している(非製造業は超えている)。賃上げの前提になる経済環境は整いつつある。

 しかし過去15年近く、正社員の賃金水準はトレンドとして切り下げられてきており、労働需給と企業収益が良好だった2006・2007年でさえも、賃金上昇率は小幅に止まったので、2014年の賃上げも期待できないという声は小さくない。エコノミストの直感として、2014年も集計値としての賃金上昇率は増えるとしても、大幅ではないと予想する。

 ただし個別の勤労者にとっては、消費税増税に合わせて賃金上昇のメリットが全くないわけではない。賃上げには、ベースアップと定期昇給の2つがあって、年齢ごとに定期昇給していく効果は小さくない。連合の集計では、2013年は定期昇給を含めると春闘交渉では1.71%の賃上げを達成している(2012年1.72%、図表2参照)。

 消費税の対所得比での負担がどのくらいかを計算すると、1世帯の勤め先収入に対しては可処分所得の1.76%(2012年総務省『家計調査』〈2人以上勤労者世帯〉)である。定期昇給がある程度確保できれば、その上昇分が消費税の負担増に対応することになる。

 もちろん、賃金上昇率ができるだけ高くなるに越したことはないが、マクロ賃金が十分に上がらなくても、定期昇給で対応できる部分はある。

● 定期昇給の恩恵は 主に40歳未満に限定

 問題は、この定期昇給の恩恵が主に40歳未満の勤労者に限定されることである。企業によっては年俸制が敷かれていて、定期昇給が行われなかったり、人によっては非正規雇用の場合もあるだろう。

 厚生労働省の統計を使ってモデルケースをつくり、定期昇給の恩恵を受ける対象者数を計算すると、40歳未満は全体の半分近く(47%)の人数になる。一方、残りの半分のうち50歳以上の勤労者は、賃金水準が切り下がっていく人も多く厳しいだろう。

 勤労者が総所得を増やす方法を考えると、所定外労働時間を増やして所得水準を引き上げるという方法もあろうが、その自由度は限定的である。勤労者以外では、副業によって増税負担分を賄うこと人もあるだろう。総務省の統計では、定期昇給の恩恵が限られている50歳代では、副業をしている人の割合が約20人に1人の割合になっている(図表3参照)。
 なお、年金生活者は消費税増税によって2014年の消費者物価が上昇することを受けて、1年遅れて2015年度に約1%の支給額のスライドを受けることが見込まれる。増税分を完全にカバーできないが、一部は1年遅れて公的年金の受給額調整で取り戻せる。

● 主な対応は「節約」になる

 家計所得の増加が期待できない世帯では、年間消費支出のどこかを削減することで、消費税増税の負担分を吸収することになるだろう。十分に消費支出を減らせないときは、家計貯蓄が取り崩される。

 節約術としては、(1)通信費の見直し、(2)駐車場の変更、(3)外食の頻度を抑える、(4)読書は図書館を利用、(5)エアコンの利用日数を減らす、などの方法を思いつく。

 しかし、節約志向が徹底されて、日常生活が過度に窮屈になるのは嫌だと思う人は多いだろう。

 そこで、最後に1つのアイデアを示すと、年間で節約時期を限定することで、なるべく節約の苦痛を抑える選択がある。

 総務省『家計調査』を調べると、標準的な世帯では毎月の消費支出額が平均値を大きく上回る時期が3つある。12月と3・4月の3ヵ月である(図表4参照)。

 この3ヵ月に限って、消費支出を徹底して減らせば、比較的成果が出やすい。短い期間に限って節約することで、後から節約疲れによる消費の反動増が起こりにくくする効用もある。


 

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