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JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
米国経済界に「反ティーパーティー」の動き
2013年10月22日(Tue) Financial Times
(2013年10月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
今月の連邦政府機関の閉鎖を受け、米国の経済団体が政治戦略を見直している。一部にはティーパーティー系候補者を排除するための積極的な対策を検討しているところもある。
2週間に及ぶ政府閉鎖とデフォルト(債務不履行)の危機で米国の鈍い景気回復を脅かした直近の政治麻痺は、連邦議会に対する影響力について経済界の自省を促した。特に、共和党内の勢力バランスを変え、ティーパーティー系議員と比べると予算を巡る瀬戸際作戦を促す可能性が低い穏健派議員が優位に立つようにする方法に関心が向けられている。
「政府機関の閉鎖は、どれほど利害が大きいかを露呈した。再び関与すべき時だ」。多くの米国小売業者を代表する全国小売連盟(NRF)でシニアバイスプレジデント(政府関係担当)兼チーフロビイストを務めるデビッド・フレンチ氏はこう語る。
共和党と政治プロセスが一部活動家に牛耳られるのはもう許せない
「企業は今回、共和党と政治プロセスが、経済界が伝統的に支持してきた成長促進策と必ずしも一致しない目的を持つ一握りの活動家に牛耳られることを許してはならないという現実に目覚めた」
2014年の中間選挙が実施されるのは1年以上先だが、予備選は春にスタートする。そしてもし企業が一斉にティーパーティー系議員に反旗を翻すことにしたら、こうした企業はヘリテージ・アクションやクラブ・フォー・グロース、セネット・コンサーバティブ・ファンドなど、右派の純粋主義者を代表する議席拡大を目指す保守派団体と真っ向から対立することになる。
「一部の経済団体が内部で議論していることを調べ上げれば、彼らはまさしく共和党による共和党に対する攻撃になるだろう事態に向けて準備している。賭けてもいい」。ハリー・リード上院議員の元側近で、今はQGAパブリック・アフェアーズ(ワシントン)に勤務するジム・マンリー氏はこう語る。
企業による政治姿勢の転換でキープレーヤーとなるのは米国最大の企業ロビー団体である米国商工会議所だ。彼らも来年は以前にも増して活発に動くことをほのめかしている。
「我々は今回の選挙サイクルでは予備選にもっと関与すると述べてきた。来年、商工会議所の公共問題委員会が開かれた後に、もっと具体的な内容を伝えられる」と同会議所は語る。「我々の支持は、経済界にとって重要な幅広い問題で候補者がどんな立場を取るかに基づいて決められる」
また、企業経営者の間では、超党派のキャンペーン「フィックス・ザ・デット(債務正常化運動)」に資金を提供する動きが改めて活発になる可能性もある。2010年に財政責任改革委員会の共同委員長を務めたアラン・シンプソン、アースキン・ボウルズ両氏が陣頭指揮を執るこの組織は、税制と歳出を巡る膠着状態を打破する全面的な超党派合意に向けた機運を生み出そうとしているが、これまでのところ実を結んでいない。
穏健派候補を後押ししようとする経済団体の問題の1つは、そうしたメッセージでは草の根の支持を取り付けるのが難しいことだ。特に、企業と共和党保守派は伝統的に、低い税率と軽い規制を追求するうえで緊密な関係にあったからだ。
フレンチ氏は、経済界と共和党との関係が「著しく損なわれた」とは思っていないと語り、最も熱心なティーパーティー系議員でさえ「95%の項目」については経済界と意見が一致していると指摘する。さらに、意見不一致の多くは、政策ではなく「戦術」に関してだったという。
あまりに多くのものをリスクにさらしたティーパーティー
だが、フレンチ氏は、もし経済界が「特にティーパーティーに対して怒っているとすれば、それは、私に言わせればどんなダイレクトメールのマーケターでも第1郵便の切手を使ってできる主張を訴えるために非常に多くのものをリスクにさらしたためだ」と付け加える。
多くの経済団体は「オバマケア」として知られる2010年の医療保険制度改革法に断固反対しているが、オバマケアの財源剥奪を、政府機関の閉鎖措置および債務上限引き上げと結び付ける戦略には不満だった。
センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクスによると、NRFの政治行動委員会は近年の選挙で主に共和党候補を支持しており、先の危機時に「オバマケア」から財源を奪う戦略を主導したテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)にも1000ドル寄付したという。
フレンチ氏はNRFの政治献金について後悔はあるかと問われると、「我々が再び支持しようと思わない候補者は何人かいるが、それは常にすべての組織(政治行動委員会)で起きることだ」と話している。
By James Politi and Stephanie Kirchgaessner
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38983
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米国の債務上限問題:土壇場の男たち
2013年10月22日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年10月19日号)
米連邦議会による期限ぎりぎりの合意は、この国の長期的な問題を顧みないものだ。
米債務上限引き上げ期限迫る、上院の出口戦略に最後の期待
1996年以来の政府機関の閉鎖に追い込まれた〔AFPBB News〕
遠くから見ると、この1カ月ほどの米国政府の振る舞いは明らかにおかしかった。
10月11日に国際通貨基金(IMF)と世界銀行を訪れた各国の財務相は、中には過去に米国が窮地から救い出すのに手を貸した国々からやって来た首脳もいたのだが、ワシントンで繰り広げられていた事態に困惑しているように見えた。
中国政府は、各国は他国の国内事情に干渉すべきではないという考えを自明の理として掲げているものの、米国は政府の借りられる金額に関する法的制限である債務上限を適切な時期に引き上げなかったと、繰り返し批判した。
中国財政省の朱光耀次官は、責めを負うべきはティーパーティーだという趣旨の発言をし、この内政干渉は米国内で「我が国の政治に口出しするな」という、中国さながらの反応を引き起こした。
残念ながら、たまに常軌を逸した振る舞いをするくらいなら微笑ましいと言えるかもしれないが、そうした振る舞いを繰り返すのは病いの兆候だ。債務上限の引き上げについては土壇場で合意に至ったが、米国は年明けに、この問題をまた一から繰り返さざるを得ない。
脅しによる統治
上院での与野党合意のおかげで危機は回避された。共和党はオバマ政権から小さな譲歩を引き出した。政府に対し、健康保険料の補助金受給者に対する所得監査の強化を求める条項が盛り込まれたのだ。これと引き換えに、2014年1月15日までの予算が手当てされ、債務上限も2月7日まで引き上げられることになった。
民主・共和両党は、12月13日までに会合を持ち、今後10年間の予算計画を策定することでも合意した。この取り決めは、細かい問題でさえ合意できない両党が、大規模で困難な問題を突きつけられれば、にわかに妥協点を見出すはずだという、まったくもって感動的な信念の表れだ。
米国がこうした状況から抜け出せない理由の1つは、立法府の議員が、拷問による統治というスタイルを採用したからだ。民主・共和両党は、2011年に予算交渉に失敗した時、仮に再び交渉が失敗に終わった場合に双方に打撃となるような罰則を考え出した。
交渉が、当然のことながら再び失敗に終わると、予算の「強制削減」(両党が重視している事業への支出の一括削減)が発動された。その結果、当年度の国防費は10%の削減が見込まれ、連邦政府の研究開発に対する支援も5%減少する見通しだ。
9月に、予算案の合意か裁量的支出の停止(政府機関の閉鎖)かという、同じような選択に直面した両党は、閉鎖を選んだ。この選択により、伝染病の拡大を監視する疾病予防管理センター(CDC)のほとんどの職員が、3週間近くにわたって自宅待機を強いられたりした。今回もまた、かつては忌むべきものとされていた事態を受け入れる方が、妥協よりも好ましいとの判断が示された。
債務上限問題のケースでは、拷問の脅しは利いた。5月に政府の債務が16兆7000億ドルに達して以来、財務省は、連邦政府職員の退職基金への出資を遅らせるなど、会計上の裏技を駆使して支払いを行ってきた。財務省の試算では、10月17日にはこうした裏技を駆使する余地もなくなるはずだった。
その最終期限に向けて、債券を扱うファンドマネジャーたちは、財務省の決済システムの内情に尋常ではない注意を払い始めた。これまで、こうした仕組みを理解する必要があると考える者はほとんどいなかった。
格付け機関のフィッチは、米国債の格付けをネガティブウオッチに指定し、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)に続いて米国債の格付の引き下げを検討していることを示唆した。しかし、デフォルトの危険が迫っても、多数の共和党議員は、危機の回避よりもイデオロギーの純粋性を大事にしていた。
通常なら、上下両院がそれぞれの法案を可決し、その後、両院協議会で調整が図られて、大統領が署名する。今回の場合は、妥協を忌み嫌う共和党議員が多数を占める下院が、多数派政党の過半数の支持を集めた法律のみが審議に付されるという慣例を破ることはせず、独自案の提出を断念する道を選んだ。
下院が自ら主役の座を降りた後、上院で多数派の民主党で院内総務を務めるハリー・リード氏と、少数派の共和党で同じく院内総務を務めるミッチ・マコネル氏との間で合意が成立した。
2本のX染色体と雪靴を持っていると・・・
成立の前には、北部の州選出で、その大半を女性が占める穏健派の上院議員グループの間で別途話し合いが持たれた。これは、妥協を厭わない傾向と、2本のX染色体と雪靴を持つことの間に相関関係があることを示唆しているようだ。
その後、共和党が多数を占める下院が、上院の案を民主党の過半数と、共和党の一部の賛成票で可決した。
政治的な観点から見ると、今回の攻防は共和党に打撃を与えた。米NBCとウォールストリート・ジャーナル紙が共同で行った世論調査では、予算交渉に対する対応で共和党議員に責任があるとする人々の割合は、大統領に責任があるとする人々の割合を22ポイント上回った。
だからこそ共和党は、当初の要求からこれほどまでに後退したのだ。当初の要求には、様々な時点で、医療保険制度改革(オバマケア)の予算撤回、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の部分的廃止、二酸化炭素排出量に関する環境保護局の規制の変更などが含まれていた。
本誌(英エコノミスト)の委託でユーガブが実施した世論調査では、優位ではあるものの、上記の調査より小さな差で大統領を支持する割合が上回った。ただ、どちらの調査の数値も、民主党・共和党のいずれかを強く支持するものではない。
ピュー・リサーチ・センターによる世論調査では、有権者登録を済ませた投票者のうち、次回の選挙で連邦議員の大半が議席を失えばいいと思っている人が記録的な数に達していることが判明している。
敗北に見える勝利
今回の攻防で民主党は勝利を収めたとはいえ、その勝利は敗北のように見える。民主党は大きく譲ることはなかったが、政府機関の再開とデフォルトの回避が民主党に対する譲歩だという見方をしない限り、特に譲歩を得たわけではない。
政府支出は、今後も予算の強制削減により定められたレベルに留まる。裁量的経費は、アイゼンハワー大統領時代にまで遡るほどの低レベルのままだ。客観的に見ると、予算を巡る攻防は塹壕戦によく似ている。これは、第1次世界大戦中の1914年にフランス軍が磨きをかけた戦術だが、そもそもは南北戦争当時に米国の将軍が発案したものだ。
消耗戦を経て、最前線はほんの少し移動したかもしれないが、目に見えて動いてはおらず、双方が恒久的な和平を求める状況には至っていないのである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38974
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
ティーパーティーは馬鹿だと考えるのは愚かだ
2013年10月22日(Tue) Financial Times
(2013年10月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
「馬鹿なことをするやつが馬鹿なんだ」というのは、映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」によって人々の心に長く刻まれることになった言葉だ。今回の連邦政府の一部閉鎖を受けて、大部分の米国人は何のためらいもなく、このフレーズをティーパーティー運動に使うだろう。
自発的な国債デフォルト(債務不履行)を引き起こしかねない行動を取ること以上に馬鹿げたことなどあり得るだろうか? しかも、彼らが数カ月後に同じ愚を繰り返さないと誰が言い切れるだろうか?
軽んじたくなる衝動には抗いにくいが・・・
カナダのロックバンド、ドメインを「ティーパーティー」運動に売却へ
ティーパーティーは馬鹿だと言いたくなる衝動に抗うのは難しいが・・・〔AFPBB News〕
しかし、もしティーパーティーを倒すことが目標であれば、彼らを馬鹿だとけなすのは最も賢明なやり方とは言えない。
確かに彼らは、深夜番組に笑いのネタを尽きることなく提供している。だが、彼らを愚弄するのは、首都ワシントンに陣取るティーパーティー系議員たちが同じ手段に訴える可能性を高めるだけだ。アイビーリーグ出身のスノッブな人たちが牛耳る町に対する彼らの世界観をさらに強めることになるからだ。
また、事実と折り合いをつけることも難しい。ティーパーティーはこの2年間で、オバマ氏の財政支出を伴う景気刺激策を大幅な財政緊縮策に転換させた。つまり、運動の主目的の1つを達成しているのだ。この政策は間違っているのかもしれないが、自分たちの主張を採用させるのに成功したという事実は、馬鹿にできるものではない。
とはいえ、ティーパーティーを軽くあしらいたくなる気持ちに抗うのは非常に難しい。ビル・クリントン元大統領は今年、ティーパーティーは「自分の脳みそをコートと同じように入り口で預けてしまう」人たちでいっぱいだと発言した。またバラク・オバマ氏は1期目の大統領選挙戦で、小さな町に住む経済的に困窮した、そして「銃や、宗教や、自分には似ていない人たちへの反感にこだわる」人々に言及した。
最近ではワシントンのエスタブリッシュメント(支配者層)から、ティーパーティーを「ジハーディスト(聖戦主義者)」「大馬鹿者」「爆弾を自分の身体にくくりつけたレミング」などとこき下ろす声も聞こえてくる。
話がそれほど単純であればいいのだが、政治とは心理学の世界でもある。ロナルド・レーガンが1980年代に、「偉大な社会」を標榜するリベラル主義を部分的に倒すことができたのは、民主党員がどんな考え方をするかを知っていたからだった。民主党員だった時期があり、民主党員たちとの交流を好んでいたのだ。
ティーパーティーの支持基盤を駆り立てるもの
翻ってみれば、今日の米国では政治の二極化が著しく進んでいる。ワシントンにおけるティーパーティーの影響力を取り除いてしまいたいとオバマ氏が考えるのも無理はない。自らの国内政策のほぼすべてで邪魔をするうえに、無謀な行為を繰り返す力があることも見せつけたのだから。
ただオバマ氏は、ティーパーティーの支持基盤の人たちを駆り立てているものは何かという問いについて、自身の見解をほとんど語っていない。
筆者は、オバマ氏を罵倒しないやつなんて1人も知らないと断言するティーパーティー支持者に何人か会ったことがある。また、自分には共和党支持の友人は1人もいないと誇らしげに語るリベラル派の人も何人か知っている。オバマ氏の支持者のほとんどは、小さな町に住むほかの米国人よりも、自転車を共同で使っている欧州人の方に自分との共通点を数多く見いだすだろう。
これらの人々はすべて、自分の主張を裏書きしてくれるメディアにばかり接しており、自分のそれとは異なる文化からますます距離を置くようになっている。相手の意見を聞かないこの議論は、驚くほど均衡した形で展開されている。米国人のざっと5分の1はティーパーティーを支持しており、同じくざっと5分の1は自分をリベラルだと考えているのだ。
リベラル派の人々はある理由により、歴史は自分たちの味方だと考えている。同性婚はますます受け入れられるようになっており、米国の多民族性は年を追うごとに強まっているというわけだ。だが彼らは、こうした流れにことごとくブレーキをかけられるティーパーティーの力を過小評価している。
歴史が教えてくれる「未来は予測不能」
実際、米国のこれまでの歴史は、この対立がまだまだ続く可能性があることを示唆している。今日の共和党に最も近いのは19世紀後半の民主党、すなわち南北戦争で敗れた南部の党である。南北戦争で敗れたにもかかわらず、南部は奴隷制がある社会の現実の多くを「ジム・クロウ」法により回復させた。
当時の米国人も現在のように、破壊的な変化をもたらす新技術、悪徳資本家が生まれる不平等、そして英語以外の言語が使われる文化圏からの大量移民に起因する不安に彩られた時代を生きていた。いわゆるディキシークラット(民主党離反派)の頑固さは1960年代まで尾を引いた。
もう1つの警戒すべき類似点は、共和党のバリー・ゴールドウォーターが1964年の大統領選挙で民主党のリンドン・ジョンソン――公民権をついに南部にももたらした大統領――に破れたことだ。
大物保守主義者だったゴールドウォーターはティーパーティーの先駆けだった。彼が圧倒的な大差で敗れたのを見た多くの米国人は、「ニューディール」と「偉大な社会」は不変の政策になったと確信した。だがその4年後には共和党のリチャード・ニクソンが、南部のディキシークラットを共和党に転向させたことも奏功してホワイトハウスを奪還した。
そしてその16年後には、愛想のよいレーガン氏がルールブックを書き直していた。こうした過去は我々に、未来は予測不能であることを教えてくれる。ティーパーティーの終末について既に決まっていることなど、何一つないのだ。
また、ティーパーティー支持者が抱えている強い不満は、今日の世界では決して特異なものではない。フランスの国民戦線や英国独立党といった政党の躍進は、ティーパーティーの台頭に似ている。
各国にはそれぞれ独自の政治的なDNAが存在する。米国では、人種と階級を切り離すことは大変難しいのが常だ。しかしティーパーティーの支持者たちが多くの米国人と同様に、収入の減少や、自分自身の経済的安定性が損なわれるのではという不安感の高まりに直面していることも明らかだ。これでは、彼らがほかの誰かをスケープゴートにするのは避けられない。
これは、彼らの感じる恐怖には根拠がないという意味ではない。ティーパーティー支持者のほとんどは世論調査で、自分の子供たちの暮らしぶりは現在の自分のそれより悪くなるだろうと答えている。つまり、大半の米国人と同じことを考えているのだ。
オバマ氏が先週、共和党が何かを人質に取るような戦術をやめ、もっと建設的なやり方に切り替えることを希望すると語ったのはもっともな話だ。ティーパーティーがさらに3〜4カ月も財政問題で消耗戦を展開し、次の期限がやって来て両党が合意に失敗するなどという見通しは、とても明るいものとは思えない。
見方によっては成功しているティーパーティー
ひょっとしたら、オバマ氏の2期目はずっとこんな調子になるのかもしれない。しかし、希望はあくまで希望であって、戦略ではない。ティーパーティーは数千万人の有権者の意見を代弁している。その有権者の大半は都会ではない町や村に住む白人の中高年で、自分たちが苦労して手に入れた蓄えをオバマは、援助を受けるに値しない若い世代の米国人に再分配していると考えている。
そんな怒りを抱いた彼らの疎外感が、利己的かつ破壊的な政治がワシントンで展開される原動力になっている。しかし、ティーパーティーは決して馬鹿ではない。考えてみれば、今日までに行われた米国内の予算の削減――かなり大幅な削減――はすべて若い世代が負担する形で行われている。メディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険)や社会保障給付は手をつけられていない。
その観点から言えば、ティーパーティーは成功しているのだ。いずれにしても、ティーパーティーはいずれ失敗するなどと決めてかかるべきではない。映画のガンプ氏も言っていたように、「人生はチョコレートの箱みたいなもの。中身は食べてみなければ分からない」のだから。
By Edward Luce
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