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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MUUG426KLVRU01.html
10月21日(ブルームバーグ):世界の自動車各社が開発に取り組んでいる自動運転技術。トヨタ自動車など国内各社にとっては、世界でも例がないペースで進む高齢化社会の中、事故からお年寄りをどう守るかという使命も帯びている。
国内の交通事故死者の数は過去40年以上にわたって減少傾向を続けてきた。警察庁の統計によると、2012年は前年比5.4%減の4411人だった。減少は12年連続で、1970年のピーク時(1万6765人)と比べて3割以下の水準まで下がっている。一方、そのうち半数以上の2264人が65歳以上で、高齢者の事故防止が課題となっている。
交通事故総合分析センターの永岡一信主任研究員によると、死亡事故減少の背景には飲酒運転の罰則強化やシートベルト着用の義務化のほか、エアバッグ、車体の強化など自動車業界の安全への取り組みも大きな役割を果たしてきた。交通事故死者をさらに減らすための切り札として期待されているのが、人や障害物をセンサーやカメラで検知し、車が自ら作動して衝突を回避することなどができる自動運転技術だ。
永岡氏は、認知度が低下し、骨の強度など基礎体力が落ちる高齢者が増えると同程度の事故でも被害が大きくなり、死亡事故の増加要因になると指摘。その上で、自動運転は、被害軽減を主眼としたエアバッグなど既存技術とは「アプローチがまったく違い、事故そのものを起こさなくできる。かなり役に立つ」とし、搭載車両が普及すれば20年後ぐらいには死亡事故をゼロにできる可能性もあると述べた。
内閣府が発表した12年の高齢社会白書や文部科学省の資料によると、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は10年の23%から40年に36%、60年には40%まで増える。現状ですでに主要国で最高水準、今後も諸外国を上回るペースで高齢化が急速に進むと予測されている。
国内3社の技術が出そろう
今月都内で開催された「ITS世界会議東京2013」で、ホンダ は自動運転技術を公表。国内自動車大手3社の技術が出そろった。本田技術研究所・四輪R&Dセンターの小林実氏は「社会が高齢化し、運転する人の能力も下がってくる中で、自動運転としてだけではなく、自動運転できるだけの技術をそろえて、高齢化で下がった能力を支援していくという考えが必要となっている」とコメント。
20年までに自動運転システムの複数車両への搭載を目指している日産自動車の山下光彦副社長は「身体障害者や高齢者にとって非常に便利」なものになるとの期待を示した。
この分野で先鞭をつけたのはインターネット検索最大手の米グーグル。米国でも高齢者の移動は社会問題になっており、同社で自動運転プロジェクトを担当するアンソニー・レバンドウスキー氏は今月、千葉県で開かれたイベントのテレビ会議で、このシステムにより、お年寄りが孫たちを訪ねたり、病院へ行ったりできるだろうと話した。
道路インフラも一役
トヨタは道路など公共インフラとの連携を前提としているのが特徴だ。高速道路で先行車両と無線通信して追従走行するシステムを開発、10年代半ばの商品化を目指している。さらに、歩行者との衝突回避の支援システムを15年から普及価格帯で投入する。
ホンダがITS世界会議で発表したインフラと連動する自動運転技術を搭載した実験車は、狭い道などを自動走行できるほか、車載カメラで歩行者を認識して自動停止や発進が可能だ。
日産は8月に米国で開いたイベントで、同社製の電気自動車に全周囲を見渡せるモニターカメラや人工知能などを搭載した開発車両を披露。高速道路では、地図データなしに自動走行し、車線の維持・変更や障害物の回避が可能としている。
35年に死亡事故ゼロも
トヨタの友山茂樹常務は15日の取材で、信号機など道路インフラと車の通信機能を連動させることで「より確かな自動運転を目指していかないといけない」とインフラとの協調の狙いを説明。運転する楽しみも車の商品力の一つで、トヨタとしてはグーグルのような無人運転の実用化は考えていないと話した。
友山氏はトヨタ本社がある愛知県豊田市内の交差点で実施した実証実験で、インフラと連動させた安全システムにより交通事故のリスクを半減させられるとの結果が出たとした上で、自動運転技術などの普及で「交通事故が減るのは間違いない」と指摘。死亡事故については「20年までにゼロにすること」を目指したいと話した。
交通事故総合分析センターの永岡氏は、交通事故そのものをなくすことはできないとしても、自動運転などの普及で長期的には国内での死亡事故の撲滅は実現可能とみている。車両が切り替わるのに10−15年ぐらいかかるとしても、長期的には「35年ぐらいには十分ターゲットになってくる」と話した。
記事に関する記者への問い合わせ先:大阪 堀江政嗣 mhorie3@bloomberg.net;東京 Ma Jie jma124@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Young-Sam Cho ycho2@bloomberg.net
更新日時: 2013/10/21 08:31 JST
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