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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MUSORF6JTSEB01.html
2013/10/21 02:18 JST
10月21日(ブルームバーグ):「この道しかない」−。安倍晋三首相が自身の進める経済政策「アベノミクス」に言及する際、しばしば用いる言葉だ。同様の言葉で経済改革を押し進めたサッチャー元英首相を思い起こさせるが、アベノミクスの副作用の1つが、サッチャー流の改革がもたらした富の格差となる可能性もある。
都内の製薬会社に勤務する河村知子さん(33)は今年、株式投資の収益で5万円のルイガノ製自転車や、アップル社のノートパソコン「マックブック・エア」を購入した。目黒区にマンションも保有する河村さんは「アベノミクスの恩恵を受けている」と話す。
一方、愛媛県在住の山崎美代子さん(81)は自動車で毎月通っている病院までのガソリン代の上昇に頭を悩ませている。元タクシー運転手の山崎さんは年金以外の所得がなく、株式は持たず、持ち家もない。「アベノミクスで、景気が良くなっているという実感はないね。物価が上がって、生活が苦しくなる。ガソリンも高いし」。
日本の富裕層と貧困層の収入差は米国の3分の1を下回る水準にとどまる。しかし、河村さんや山崎さんの事例はアベノミクスが社会的な歪みをもたらす危険性を表している。恵まれない層に対する政策的支援を求める声が強まる可能性もあり、既に公的債務が世界でも最悪の状況にある日本政府の財政負担が増す懸念もある。
住友商事総合研究所のチーフエコノミスト、奥田壮一氏は、「アベノミクスは、少なくとも、初期段階では、一部の人、いわゆる資産を持っている人に、恩恵を与えている。資産を持つ人と持たざる人との間の所得格差が広がりつつある」と指摘。
今後は「賃金が上昇するかどうかが、デフレ脱却を意図したアベノミクスの評価を左右する。もし、賃金が上がらず、2年間でデフレ脱却が見通せない場合は、安倍政権に対する期待がしぼんでいくだろう」との見方を示す。
サッチャー流
この道しかない−。安倍首相は6月にロンドンで行った演説でもサッチャー氏の言葉を引用して自身の経済成長戦略について述べた。このフレーズは、同氏が1980年代に通貨政策や金融規制緩和、国有企業のリストラを国内で進める際に用いた。
1979年に就任したサッチャー元英首相は、自由市場経済の強化や金融市場の規制緩和などを推進し「鉄の女」の異名を取った。半面、失業者数が記録的な水準に膨らみ、貧富の差も拡大するなどの痛みを国民に強いた。同元首相は今年4月に87歳で死去した。
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