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中国の7−9月期GDP
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52516452.html
2013年10月20日 在野のアナリスト
中国の7-9月期GDPが発表され、前年同期比7.8%増と、前期の7.5%を上回ってきました。しかし中身は深刻で、ふたたび公共投資の増、というすでに過剰設備が指摘される中での、異常な数字です。もし今の段階で、公共投資をするなら、そこにはシャドーバンキングのマネーが流入している懸念もあり、さらに地方政府が債務を拡大させているのかもしれません。実際、10%以上の高利を謳う債券が、工事がストップして紙くずになった、という話しも聞かれます。それを個人の問題、と切り捨てる地方政府もあるようですが、そうなると今度は消費が落ちていきます。個人の資金を吸い上げると、景気は鈍化していく、その傾向を、今回は単に誤魔化しただけなのでしょう。
しかし一方で、米FRBにイエレン氏が議長に指名されたことで、米金融緩和の縮小時期が先送りされる、という期待で新興国にふたたび資金がもどっています。これが一時の小康を生むかもしれません。ただし、以前ほどには新興国への投資が増えないでしょうし、ここで入るのは短期資金のみです。2、3年おいておける資金ではない。そうなると腰のすわった回復は難しいかもしれません。
中国の更なる不安は、北朝鮮です。未だに金正恩氏の訪中の成果がなく、関係は冷え込んでいます。原発再稼動など、未だに不穏な動きを見せる北朝鮮に対し、中朝国境付近で行われた中朝経済貿易文化観光博覧会における、国連安保理決議における制裁決議をうけた企業の出展、という問題にも中国は神経質に対応しました。習体制になり、未だに北朝鮮との友好関係の構築に、中国側が積極的になれず、一方で経済協力しなければ北朝鮮は破綻にむけて一直線です。そうなったときの損失を考えて、今は中国も突き放せないジレンマを抱えています。
しかし中国は不動産投資、公共投資偏重の経済成長から未だに脱却できないばかりか、そのバブルが弾けそうになると、改めてそれを増やす、といった矛盾を拡大させる政策をとり続けている。これでは北朝鮮が崩壊する前に、中国が崩壊してしまいそうです。北朝鮮は一部で市場開放をすすめましたが、未だに計画経済です。中国は大部分を市場開放した一方、計画経済の名残のように公共投資が残っています。この部分が大きな違いであり、中国の方が斜陽に入ってからは早い。一旦バブルが起きてしまったら、その沈静化に失敗すると、一気にマイナスに転換します。
中国の崩壊時期が延びているのは、決してよいことではありません。それは崩壊の程度が大きくなってしまうからです。しかしその前に、中国の個人がシャドーバンキングの閉鎖で、次々と自己破綻に陥っていくことで、社会不安の高まりの方が早いかもしれない。7-9月期GDPの復調は、むしろ悪い意味でしかなく、今後に不安を残したことになってしまうのでしょうね。
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