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アメリカのデフォルト回避、ただし先送りされただけ
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The New Classic 2013年10月18日 06:55
最悪の事態は免れた。17日未明、オバマ米大統領が債務上限の短期的な引き上げと、政府再開の暫定予算を盛り込んだ法案へ署名し、正式に議会の可決した同法案が成立したのだ。債務不履行(デフォルト)が土壇場で回避されたことをまずは祝福するべきだろう。しかし、依然として懸念が多いことも事実だ。可決された法案を見てみると、この問題が単に先送りされたことがわかるが、一方でそれ以外にも、今回再びドタバタ劇が演じられたことで生じるであろう問題もある。
■2月7日までの限定
今回可決された法案は、議会が2月7日までに債務上限の引き上げをおこなわなかった場合に、財務省が一時的にデフォルトを回避するための「特別措置」にすぎない。当初、上院共和党が提示した案は来年1月末までの期限であり、これに対して民主党が短すぎることを理由に難色を示していた。両者の妥協によって、2月上旬が期限として設定されたが、これは民主党ハリー・リード院内総務、共和党ミッチ・マコネル院内総務による協議の内容が反映された形だ。
下院共和党側の提案した6週間という短期間の引き上げ案は、オバマ大統領が断固拒否したことで免れたが、いずれにしても問題が解決したというよりも、それが“先送りされただけ”とも言える。
■この間で何が変わる?
しかし、交渉の時間ができたことで両党は、対立する問題を解決する猶予を得た。この間に、共和党が求めている政府における歳出削減について議論を進める。具体的には、長期的な財政赤字削減策をまとめる上下両院の超党派委員会を設置することが今回の法案に示されたが、高齢者向け医療保険「メディケア」と低所得者向け医療保険「メディケイド」を中心に、社会保障に関する予算削減や、医療保険制度改革(オバマケア)などについて議論される。
オバマ大統領が政策の中心に掲げるオバマケアについて、現時点での両党の対立は埋め難く、短期間で合意が得られる見込みは不透明だが、共和党への風当たりは強くなっており、彼らは交渉のテーブルに着くだろう。
■オオカミ少年現象
しかし、最も大きな問題はおそらく“先送り”ではない。本当に憂慮すべき点は、今回の経緯を踏まえた市場が政府を「オオカミ少年」と見なし始めることだ。1日から政府がシャットダウンをしていた間も、金融市場をはじめとして大きな混乱はなかった。16日前後に合意が見込まれることが明らかになると、1日以前の水準へと早々に回復し始めたことは、本来歓迎するべきことだ。
一方で裏を返せば、これは市場が政府のドタバタ劇に「慣れ始めている」ということでもある。オバマ大統領は、何度も「経済的なシャットダウン」を恐れるツイートをした。しかし、2011年に同様の事態を経験してきた人々の中では、同じようにギリギリで事態が収束することを予測する声も強かった。
これは、危険なことだ。人々が不毛なチキンレースに慣れるたびに、一旦ネガティブ・イベントが発生した際の落差が大きくなるからだ。今回の合意について考えると、年明け早々に再びシャットダウンの危機に直面する可能性もあり得なくはない。もし、彼らが今回と同じ事態を歩むならば、市場は本当にオオカミがやってきたことに気づくことは出来ないだろう。そうした未来を避けるためにも、両党は急ピッチで協議を進める必要がある。
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