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それでは日本はデフォルトしないのか?
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2013年10月18日 闇株新聞
米国の連邦債務問題は、17日とされるデッドラインぎりぎりで連邦債務の上限を来年2月7日まで引き上げて1月15日までの暫定予算を組むことで、合意にこぎつけたようです。
とりあえずは米国のデフォルトは回避されたのですが、それでは日本では全く心配がないのでしょうか?
日本でも赤字国債(特例国債)の発行には毎年「特例公債法案」を成立させる必要があるのですが、昨年は政局の混乱でなかなか成立しませんでした。そこで財務省は地方交付税の支払いを止め、果ては年金の支払いまでを止めると「恫喝」し、昨年11月に解散の「どさくさ」に紛れて2015年度分までを成立させてしまいました。
つまり米国のような問題は日本では当面(たぶん永久に)発生しないのですが、国債発行の「歯止め」が何もなくなっていることは気に留めておく必要があります。
お断りしておきますが、本誌はヒステリックな「財政破綻論」とか「国債暴落論」などは全く気にしていませんが、かといって「意味のない楽観論」ばかりを展開しているわけでもありません。
日本の債務残高は、本年6月末現在で1053兆円です。これは国債発行残高の830兆円、政府借入金の55兆円、政府短期証券の123兆円、政府保証債の45兆円を合計したものです。2012年度の名目GDPが475兆円なので、その221%もあることになります。
ちなみに米国の連邦債務残高は16.7兆ドルで、名目GDPが15.7兆ドルなので、その比率は106%しかありません。昨日付け「米国はデフォルトなどしない」で書いたように、外国人が5.6兆ドル(連邦債務残高の33.5%)も米国国債を保有しています。
これはドルが基軸通貨なので世界中で保有され、その運用手段として米国国債が世界中で保有されているからです。つまり米国の連邦債務のファイナンスは「世界中」で行われているのです。
一方で、外国人による日本国債の保有は、本年6月末時点で81兆円(債務残高の7.7%)しかありません。
つまり今後、外国人による日本国債の保有を飛躍的に増やすためには、円をドルやユーロと並ぶ基軸通貨(世界中で保有される通貨)にすることが先決なのですが、日本政府には「そのつもり」がありません。
つまり今後とも、日本の国債は日本人の金融資産で賄っていかなければならないのです。計算上は、家計の金融資産は本年6月末時点で1590兆円あるため、とりあえずは問題がないようです。
しかし日本の税収(国家分)は消費税引き上げ前で年間43兆円ほどなので、これで1053兆円の債務残高が減ることは「絶対に」ありません。またいくら低金利といっても利払い負担だけで年間10兆円以上にもなります。
いくら日銀が「異次元」に国債を買い入れるといっても、それは発行市場や流通市場での需給関係を改善するだけで、債務残高とは何も関係はありません。
それでは、日本の債務残高を減らす方法はないのでしょうか? 少なくとも増加を止める方法は真剣に考えた方がよさそうです。なぜなら家計の金融資産も今後は飛躍的に増加することも考えにくいからです。
最も警戒しなければならないことは、国内からヒステリックな「財政破綻論」や「国債暴落論」が持ち上がってくることです。それらを防がなければならないのですが、実は説得力のある説明が何もありません。
小手先のテクニックでは、日銀保有国債のうち日銀券発行残高(10月10日現在で83兆円)に見合う分は日銀として返済する必要がないので、それに見合う国債を「残高と認識しない」ことや、外為資金特別会計(9月末現在で1兆2734億ドル)で保有している資産(大部分がドル資産)は実質的に売却することができないので、それをファイナンスしている国債も「残高と認識しない」ことで、合計200兆円ほどの国債残高を「消して」しまうことはできそうです。
そんな「ごまかし」ではなく、現在のように国債利回りが低下している間に、もっともっと真剣に考えてみることにします。
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