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10月18日、10月ロイター企業調査によると、復興特別法人税が前倒し廃止となっても、その分のキャッシュフローを賃金に振り向ける企業は5%にとどまり、雇用人員増強に充てる企業も5%と少なかった。写真は2011年4月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)
ロイター企業調査:復興特別法人税廃止、賃金より内部留保へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131018-00000032-reut-bus_all
ロイター 10月18日(金)7時14分配信
[東京 18日 ロイター] - 10月ロイター企業調査によると、復興特別法人税が前倒し廃止となっても、その分のキャッシュフローを賃金に振り向ける企業は5%にとどまり、雇用人員増強に充てる企業も5%と少なかった。
最も多かったのは内部留保にとどめるとの回答で30%に上った。設備投資への充当も更新投資が中心で、研究開発を上回る結果となった。新たなキャッシュを今後の成長につなげる投資に振り向ける企業の意欲や余裕はまだ弱いようだ。
調査期間は9月30日から10月11日まで。調査対象は400社、回答社数は270社程度。
<復興特別法人税廃止の使途、賃金に回らず>
安倍晋三首相は今回の経済対策に復興特別法人税の1年前倒し廃止を盛り込むと同時に、臨時国会でも賃金引き上げにつながることを前提にしていると説明した。しかし、今回調査に参加した企業のうち、賃金に回すとの回答は全体で5%だった。そのうち製造業は4%、非製造業は6%にとどまった。雇用人員の増強も全体で5%、製造業では1%、非製造業でも6%だった。
賃上げに充てるとの回答企業からは「賃上げをしなければデフレから脱却できないという政府の意向と従業員の本心とが合致している」(石油)、「従業員のモチベーションの向上のため」(サービス)といった声が寄せられた。
だが、内部留保に回すと回答した企業からは「来年の事業環境がまだ不透明」(電機)、「企業体力の拡充が優先」(建設業)、「来年度以降は厳しい環境となることが予想されるため」(卸売)など、将来への不安が背景にあることがうかがえる。
非製造業では、そもそも復興特別法人税廃止が収益押し上げ要因にならないとの回答が半数を超えている。消費増税分の全額価格転嫁は難しいとの見方も多いことから、その分のコストカバーに充てるとの回答が16%にのぼっている。
「減税と唱えるほどの水準・額とはならない。せいぜい消費税増税分の穴埋めにしか使えない」(サービス)と見ている企業もある。
製造業は収益押し上げ要因となるとの回答が6割にのぼっているにもかかわらず、賃金や雇用人員拡大に充てる企業は合計で5%に過ぎず、非製造業の14%を下回っている。9月の同調査では、来春の賃上げは業績次第との回答が37%にのぼったが、キャッシュフローの増加が見込まれても、今のところ、雇用・所得の改善に充てる動きは限定的なものにとどまりそうだ。
「まずは財務体質強化が先」(食料品)、「業績の本格回復に備え、当面は内部留保に」(電機)など、賃金充当は後回しとなりそうだ。
内部留保に次いで多かったのは更新投資(製造業で23%、非製造業で19%)だった。しかし、成長につながる動きがないわけではない。製造業では事業拡大が15%、研究開発が10%と、合計で25%の企業が前向きの選択をしている。
「減税により再投資原資が増加し、国内外の事業拡大を強化できる」(輸送用機器)、「技術力の向上が競争力の源泉であるため」(電機)といった認識もみられる。
(ロイターニュース 中川泉;編集 石田仁志)
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