01. 2013年10月17日 17:27:57
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焦点:米国経済、政治の機能不全が最大のリスクに 2013年 10月 17日 17:06 JST [ワシントン 17日 ロイター] - ここのところワシントン(米政界)では意見の一致を見るのが難しくなっているのかもしれないが、多くの企業幹部やエコノミストはある一点において意見が一致しているようだ。それは、米国経済にとっての最大のリスクは自らが選挙で選んだ代表かもしれないということだ。最近の予測によると、ここ数年の米国政治をめぐる混乱が経済成長を急速に減速させ、約200万人を失業に追いやったままにしている。 大幅な歳出削減が大きな要因だが、政治の機能不全も、企業が投資や雇用より内部留保の蓄積を優先する要因になってるかもしれないとエコノミストらは指摘する。 ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「米経済が盛り上がらないのはワシントンがつくり出す不透明感が要因だとの見方を私は強めている」と語る。 米議会は16日、政府機関閉鎖を解除し、来年2月まで債務上限を引き上げる法案を可決。しかし、危機にそもそも至った根本的な問題は解決されておらず、数カ月後に再び対立が浮上するのではないかとの懸念が渦巻いている。 合意内容には、長期的な財政赤字削減策をまとめる上下両院の超党派委員会を設置することも盛り込まれたが、成功は難しいとの声も出ている。 ポトマック・リサーチ・グループのアナリスト、グレッグ・バリエール氏は「危機に次ぐ危機で経済が蝕まれている」と指摘。「企業人ならば、こうした環境下で将来の計画を練ることはできないだろう」と話す。 企業幹部も同意する。ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は16日のインタビューで、「米国で言葉を交わしたCEOの大半は、これ(政治の機能不全)のためにビジネスが減速するとみている」と述べた。 <緩慢な回復> 全てのエコノミストがこうした見方に同意しているわけではないが、2008─09年の景気後退以降の回復ペースは異常なほど緩慢となっている。 米国内総生産(GDP)は景気後退前の規模を上回っているが、民間投資は2007年の水準を下回ったまま。雇用の伸びも景気後退前を下回り続けている。 金融危機が収まって以降、米政界は次々に混乱を招いている。 医療保険改革法への不安もあり、2010年の選挙で共和党が下院を握った。民主党が多数派を占める上院とのねじれから、税や歳出をめぐる対立が繰り返されている。 今回の危機のように、議会は土壇場で惨事を回避してきたが、こうした瀬戸際政策は消費者の信頼感をどん底水準まで押し下げている。 <財政再建が重しに> 景気改善と相まって、歳出削減により、米国財政赤字の対GDP比率は2011年度の8.7%から、今年9月30日までの会計年度に3.9%まで低下したが、そのために要したコストは大きい。 経済予測会社マクロエコノミック・アドバイザーズが14日に公表したリポートによると、国防費などの裁量的歳出を議会が2010年の水準で維持していたならば、120万の雇用が追加で生まれていたと見込まれている。 また同社は、米政治の機能不全により、90万人の失業者が新たに生まれたとの推計も示している。 政治の不確実性が経済を損なっているとの見方に同意しないエコノミストでさえ、歳出削減と増税はより段階的に導入すべきだったとの考えに賛同する。 キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ポール・アッシュウォース氏は「財政再建は景気にとって大きな重しとなっている」と述べた。 国際通貨基金(IMF)は6月、米国の歳出削減策は「あまりにも急激であり、いびつだ」と指摘した。 米政界には、さえない実体経済の責任があるかもしれないが、金融業界への影響はそれほどではないかもしれない。 多くのエコノミストは、米緩和策が先月に縮小されると見込んでいた。政治の混乱により、緩和縮小は来年まで開始されないのではないかとの見方が広がっている。 前出のバリエール氏は「市場は政治の機能不全との付き合い方を学び始めているのではないか」と話した。 ( Andy Sullivan記者 執筆協力 Jason Lange;翻訳 川上健一;編集 佐々木美和)
焦点:米赤字削減担う超党派委員会、難しい課題に直面へ 2013年 10月 17日 17:01 JST [ワシントン 16日 ロイター] - 米財政協議で合意が成立し、長期的な財政赤字削減策をまとめる上下両院の超党派委員会が設置されることになった。 だがこの委員会は極めて難しい責務を担うとの指摘もあり、調整が失敗した場合は再び国庫の資金が枯渇する恐れが生じ、再度の政府機関閉鎖を回避するため攻防が繰り広げられることも考えられる。 期限直前で結ばれた合意は、税や歳出をめぐる民主党と共和党の溝を埋めるものではなかった。代わりに出されたのは、財政赤字の削減方法や歳出の強制削減への対応策に関する決定をこの超党派委員会に任せるという結論だ。 数日以内に上下両院の民主党・共和党の議員団が作業に取りかかる見通しで、12月13日までに削減策に関する意見を取りまとめる必要がある。 こうした委員会はこれまでにも設立されたが、成果はあまりなかった経緯がある。今回がこれまでとどう違うのかを見分けるのは難しいというのが議会の多くの意見だ。 グレゴリー・ミークス議員(民主、ニューヨーク州)は「時間が経てば分かる。今回は違うと言えるのか、良くわからない」と述べた。 同議員は、2週間に及んだ政府機関閉鎖で、共和党支持率が低下し、民主党に対する心象も悪化したため、議員がより柔軟になったと指摘した。 超党派委員会は17日朝から非公式に交渉を開始する予定。共和党のライアン下院予算委員長、民主党のパティ・マリー上院予算委員長が朝食会を開くことになっており、記者会見も行われる。 ジョン・ラーソン議員(民主、コネティカット州)は「数週間先ではないとしても、数カ月以内にまたこういう事態が起こると分かっているため、懸念は根強い」と述べた。 <深い溝> 財政赤字のさらなる削減で与野党が合意したものの、予算をめぐる双方の立場は譲歩の余地がなく、溝を埋めることは困難だ。 メディケア(高齢者向け公的医療保険)や公的年金といった社会保障関連の予算削減を実施するべきだとの共和党の主張に対し、リベラルな立場を取る民主党議員が強く反発。富裕層の増税を優先させたい考えだ。 下院歳入委員会の民主党トップであるサンダー・レビン議員は、社会保障費の削減と引き換えに、新たな税収のようなものが盛り込まれる妥協案が必要だとの見方を示した。ロイターに対し、「バランスを取ることを主張する」と述べ、「社会保障制度のことを協議するなら、歳入についても話し合う必要がある」としている。 <オバマケアめぐる攻防復活か> オバマケア(医療保険改革)への予算削減や実施の延期を主張してきた一部の共和党保守派は、議論を復活させることを狙っている。 トム・グレイブス議員(ジョージア州)は「国民の注目が政治から移ってオバマケアの欠点が浮き彫りになれば、民主党は施行延期を求めたわれわれの提案を再検討せざるを得なくなる」と指摘した。 下院での交渉担当者の一部は、党派色の濃い意見を打ち出すことが見込まれる顔ぶれで、調整の難航が予想される。 共和党側は社会保障費の大幅削減を主張するライアン氏を筆頭に、保守色の強いトム・プライス議員、より穏健なトム・コール議員、ダイアン・ブラック議員が名を連ねる。 ライアン氏は2011年に設置された超党派委員会には加わっていなかった。 民主党側メンバーは2011年の超党派特別委員会にも加わっており、社会保障関連費の削減に強く反発していたジェームス・クリバーン氏、下院予算委員会で民主党トップを務めるクリス・バン・ホーレン議員、下院歳出委員会の民主党トップ、ニタ・ローウィ議員となっている。 (David Lawder記者;翻訳 青山敦子;編集 宮崎亜巳) *見出しを変えて再送します。
動き出すか「イエレントレード」、株・新興国通貨買いも 2013年 10月 17日 16:38 JST [東京 17日 ロイター] - 米財政協議がいったん終結し、「イエレントレード」が動き出すか注目されている。次期米連邦準理事会(FRB)議長に指名されたイエレン氏の下で、超金融緩和政策が継続されるとの見込みを背景に、低金利で調達した資金を元手とするキャリートレードの動向だ。 マーケットはひとまず材料出尽くしの動きになっているが、流動性相場色が強まれば、株式や新興国通貨などが買われやすい状況になるとの見方が出ている。 <予想通りの中途半端な結末> マーケットを揺るがしてきた米財政協議がとりあえず決着したものの、不透明感は払しょくされておらず、中途半端な結果になった。 米上下両院は16日、債務上限を短期的に引き上げ、政府機関を再開するための暫定予算を盛り込んだ法案を可決したが、政府資金の手当ては来年1月15日まで。連邦債務の上限は2月7日まで引き上げられるが、年明け早々に政府機関が再び閉鎖される可能性を残した。 土壇場で債務不履行(デフォルト)が回避されたことを好感し、一時、ドル/円 は99円台を回復、日経平均.N225も200円近い上昇となった。ただ、買い一巡後はともに伸び悩んだ。「材料出尽くし感が広がっている。海外勢の買いは入っているが、相場を大きく持ち上げるような買いではない。国内勢も買いの方が多いが、個人投資家の戻り売りが出ている」(大手証券の株式トレーダー)という。 米国の長引いた政府機関閉鎖は年末商戦への懸念を浮上させた。景気を推し量る経済データもしばらくそろわない。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)で米株先物はマイナス圏に沈んでおり、17日の米株動向も懸念されている。先行き不安が完全には払しょくされなかったことで、リスクオンには移りにくい状況だ。 しんきんアセットマネジメント投信・運用部長の藤原直樹氏は「日経平均は前日までの6連騰。米財政協議の妥結はほぼ織り込まれてしまっていた。不透明感が後退し、もう少し上値があっていいと思うが、ドル/円が100円を超えてくるようでないと、一段の上昇は難しいだろう」との見方を示す。 <強力な「イエレン・プット」期待> ただ、この中途半端な状況が、キャリートレードを行いやすくするとの指摘も出ている。「景気は良くもないが悪くもない。財政問題が来年また浮上するにしても、まだ2カ月以上余裕がある。金融緩和環境が継続するとすれば、低金利で資金を調達して、株式や高金利通貨で運用しやすい状況がしばらく続く」(国内銀行)という。 先行き不透明感が残るとはいえ、デフォルトが回避されたことで、キャリートレードの前提となるボラティリティは低下。投資家の不安心理を示すCBOEボラティリティ指数(VIX指数).VIXが14ポイント台まで低下し、米政府機関閉鎖前の水準に戻っている。 このキャリートレードを市場では「イエレントレード」と呼ぶ声もある。次期FRB議長に指名されたイエレンFRB副議長は、バーナンキ現議長を上回るハト派と目されている。米国の財政問題や景気に不安が残るうちは、金融緩和環境を維持してくれるとの期待が、キャリートレードの土壌になるという。 「景気がそれほど良くないので、キャリートレードが暴走することはないだろうが、何かあれば(FRBが)対応してくれるとの期待は、バーナンキ・プットよりイエレン・プットの方が大きいかもしれない」と三菱東京UFJ銀行・金融市場部戦略トレーディンググループ次長の今井健一氏は指摘する。 実際、高金利通貨やアジア株は再び上昇基調を強めようとしている。豪ドル は対米ドルで4カ月ぶり高値に上昇。対円では4カ月半ぶりの高値となる1豪ドル=94.48円を付けた。MSCIアジア太平洋株価指数(日本を除く)は5カ月ぶりの高値となっている。 <キャリートレードの勢力強まるか> 日本株の上値は、こうしたキャリートレードがどこまで盛り上がるかにかかっている。予想株価収益率(PER)で歴史的に平均15倍程度とみられるバリュエーションから見た日本株の現在の水準は、高くも安くもないレベルにあるためだ。流動性相場の色彩が強まり、PERが高くなれば、米量的緩和縮小(テーパリング)先送りによるドル安・円高圧力も和らげてくれる。 現時点で、日経平均の一株利益は約910円、予想PERは15.8倍程度だ。中間決算で、一株利益が1013円程度まで上昇すれば、今のPERでも1万6000円を付けることができる。 ただ、「円安が頭打ちとなっている現状では、上期の増益分を通期予想に乗せるのが精いっぱい。一株利益は上昇しても950円程度ではないか」(岡三証券・投資戦略部シニアストラテジストの大場敬史氏)との見方は多い。PER15.8倍で一株利益950円なら、日経平均は1万5000円になる。 一方、市場では「PER17倍まで上昇し、2015年3月期までの利益成長を織り込めば、年末に日経平均1万8000円もあり得る」(野村証券エクイティ・リサーチ部チーフ・ストラテジストの田村浩道氏)と強気な見方もある。 11月は一部のヘッジファンドが決算期を迎えるほか、国内でも5月高値を付けたときの6カ月信用期日が到来する。さらに日本では来年1月から証券譲渡益課税が10%から20%に戻ることで個人投資家の売りが近々出始めるのではないかと警戒されている。需給面では厳しい秋を迎えるなか、キャリートレードの勢力がどこまで強くなるかが、日本株の秋相場を占ううえで焦点になりそうだ。
ドル98円前半、米財政協議決着も先行き不安が重しに 2013年 10月 17日 16:00 JST [東京 17日 ロイター] - 東京外為市場午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の98円前半。
米財政協議の決着を受け、3週間ぶりに99円台を回復したが、その後は利益確定売りに押され、ジリ安の展開になった。米政府機関シャットダウンの影響が米経済に重くのしかかるなか、市場では上値は追いにくいとの声が目立った。 <米景気不安が重しに> 午後3時までのドル/円は98.39─99.01円のレンジで取引された。米財政協議の合意を受け、ヘッジ外しやショート勢の買い戻しで一時99台を回復したものの、ある程度織り込まれていたうえ、「上値を追うほどの環境にはない」(大手邦銀)との見方が多く、その後はジリ安の展開となった。 合意内容は「問題の先送りに過ぎない」(外資系証券)と厳しい見方が相次いでいるが、ひとまず決着したことで、参加者の目線は米景気の点検とテーパリング(緩和縮小)時期に移りつつある。 大手邦銀関係者は、今後について「イエレン氏の米連邦準備理事会(FRB)議長就任で金融資本市場に優しい金融政策が続く可能性が高いうえ、2週間におよぶ米政府閉鎖で成長率の下押しも予想されるため、すぐにテーパリングには動かないだろう」と予想。その上で「当面はイエレン・トレードが続き、リスクオンの動きになりやすいのではないか」との見方を示した。 仮にリスクオンになれば、クロス円での円売りがドル/円をサポートする可能性があるが、テーパリングの先送り観測はドルの圧迫要因にもなるため、「ドル/円はそれほど上にはいかないだろう」とみている。 参加者からは、ドルに還流していたマネーが再び新興国通貨に向かう可能性を指摘する声も聞かれた。 オバマ米大統領は17日未明(ワシントン現地時間)、債務上限の短期的な引き上げと政府機関の閉鎖解除に向けた法案に署名、同法は正式に成立した。これにより、政府資金は来年1月15日まで手当てされるとともに、連邦債務の上限は2月7日まで引き上げられる。 世界経済に甚大な影響を及ぼすと懸念されていた米国のデフォルト(債務不履行)は土壇場で回避された。 (ロイターニュース 志田義寧)
緊急アンケート:日経平均、年内に1万5500円超との予想多数 2013年 10月 17日 16:53 JST [東京 17日 ロイター] - 米国の債務不履行(デフォルト)回避で、日本株の上昇期待が広がっている。企業業績の回復があらてめて評価されれば、日経平均.N225は年末までに1000円以上の上昇余地があるとの見方が多く、年内1万8000円に達するとの強気な予想もある。
ただ、米国の財政協議の妥結ははあくまで暫定措置に過ぎず、先行きへの不安も残っている。11月には海外投資家からの益出しの売りや5月高値の信用期日到来もあり、需給悪化で軟化すれば、一時的に1万4000円を割り込む可能性を指摘する声もある。 17日の東京株式市場で日経平均は7日続伸、終値は119円高で節目の1万4500円を回復した。 市場関係者の見方は以下の通り。 <野村証券 エクイティ・リサーチ部 チーフ・ストラテジスト 田村浩道氏> 日経平均の年末予想値:1万8000円 米財政問題の決着は日本株にとってポジティブだ。とりあえず年明けまで期限を先延ばしする暫定的な内容だが、これまで先送り期間は6週間程度との予想もあったので、目先的には市場センチメントの改善につながるだろう。今後は今月下旬から発表される国内企業の上期決算に視点がシフトする。リスクオンの地合いのなか、市場コンセンサスよりも良好な決算に期待感が強く、日経平均は1万5000円以上を目指す値動きとなりそうだ。バリュエーションでPER17倍まで上昇し、2015年3月期までの利益成長を織り込めば、年末に日経平均1万8000円もあり得る。 <マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏> 日経平均の年末予想値:1万6000円 米財政協議は市場想定通りの妥結となり、サプライズはないが、懸念材料が一つ払しょくされたことはプラス材料だ。ただ一気に株高に進むというよりは、国内企業決算を織り込みながら堅調に推移するイメージだ。日経平均の1株利益は1000円近くまで上方修正されることが期待され、PER15倍にあたる日経平均1万5000円程度は今月末にも達成しそう。11月の信用期日を過ぎれば年末1万6000円が視野に入る。チャート上では三角もち合いをきれいに形成しており、足元では煮詰まりつつある。5月高値から約5カ月も調整しただけに、もち合い上放れからの上昇波動は大きそうだ。 <大和住銀投信投資顧問 経済調査部長 門司総一郎氏> 日経平均の年末予想値:1万6000円 米財政問題をめぐる議会の混乱は、暫定予算と債務上限引き上げの期限となる来年1―2月にまた繰り返される可能性もあるが、今回ほど大きな混乱にはならないだろう。米共和党の狙いはオバマケアの阻止にあったが、来年1月初めまでに医療保険をかけていない個人には罰金等がかかってくるため、オバマケアは既定のものとなる。来年に入って共和党がこれをひっくり返すのは難しい。株式市場は米国のデフォルト回避をきょうで織り込み、いったん調整入りの可能性もあるが、好調な日米の企業業績を確認し、米量的緩和(QE3)の縮小が視野に入れば、日経平均は年末に5月高値を抜け、1万6000円に達する可能性もあるとみている。 <東海東京証券 マーケットアナリスト 鈴木誠一氏> 日経平均の年末予想値:1万5500円 ヘッジファンドを中心に海外投資家の動きが鈍り、上値が重くなっている。日本株を売りとはみていないが、動きの良い欧州株や一部の新興国株に目が向かっているようだ。年前半にエネルギーを使い過ぎた面もある。日経平均は益出しやキャッシュ化などで11月下旬に1万3500円程度まで調整する可能性があるとみている。来年の株高を見越し年末には1万5500円程度まで上昇すると予想している。 <しんきんアセットマネジメント投信 運用部長 藤原直樹氏> 日経平均の年末予想値:1万5500円 前日までの6連騰で、米財政協議の妥結はほぼ織り込まれてしまっていた。不透明感が後退しており、もう少し上値があっていいと思うが、ドル/円が100円を超えてくるようでないと一段の上昇は難しいだろう。11月はヘッジファンドの決算や5月高値を付けたときの信用期日の到来など需給面でも厳しい。NISAへの期待が高まる年末までは上値の重い展開になるかもしれない。 <岡三証券 投資戦略部シニアストラテジスト 大場 敬史氏> 日経平均の年末予想値:1万4500円 予想通りの決着になったので、いったん材料出尽くしの動きになっている。米財政問題の不透明感も残るほか、米国の景気や企業業績もややさえない。中間決算で好業績の個別株は買われても日経平均など指数が上値を追うのは難しいだろう。米国の量的緩和策の維持期待が米株を支えても、ドル安・円高が進めば、日本株は好感しにくい。 (ロイターニュース 株式マーケットチーム) |