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金融庁のみずほ銀行への検査で何があったのか
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131017/ecn1310170739002-n1.htm
2013.10.17
人気ドラマ「半沢直樹」の終了を惜しむ声に応えてか、現実のみずほ銀行がドラマ並みのストーリー展開を見せている。
連結子会社であるオリエントコーポレーションとの提携ローンで反社会的勢力に融資を行っていた問題は、当初、コンプライアンス担当役員まで報告が上がっていたが、この役員が放置したという不自然な説明だった。しかし、数日後にこの説明は覆された。実は本件は、銀行持ち株会社の役員会でも複数回資料が提出されており、現在、持ち株会社と銀行両方のトップを兼ねる佐藤康博氏も問題を「知りうる立場」にあったのだ。
今や、この「現実のドラマ」の視聴者は、佐藤頭取のクビが飛ぶのか否かに最も注目している。
ここまでの経緯でいうと、みずほ銀行の対応の悪さ、まずさもさることながら、最も立場がまずいのは金融庁だ。
みずほ銀行の発表について金融庁が事前に説明を受けていないということはあり得ない。
だとすると、金融庁は、(1)みずほ銀行に完全にだまされていたか(2)みずほ銀行とトップには責任が及ばない形で幕引きしようと「握って」いたか、のいずれかだ。
(1)なのだとすると、反社会的勢力向け融資のような重大問題を把握しながら、銀行と持ち株会社の役員会の資料のような、責任追及の基本になる資料を見ていなかったことになる。これでは、あまりにお粗末だ。「半沢直樹」のように資料が疎開されていたわけでもない(ちなみにあのドラマでの行為は“検査忌避”だ。半沢は逮捕・有罪となる弱点を抱えていた!)。
現実的にありそうな話は、金融庁とみずほ側とが、みずほが当初行ったような説明を「落としどころ」として合意していたということだ。だが、そうなのだとしたら、何と安易で愚かなことか。
この落としどころに納得しない関係者が一人でもいれば、この説明を覆すのは簡単だ。取締役会の提出資料という物証があり、怖いところはない。困るのは金融庁であり、メンツが丸つぶれだ。半沢のドラマでいうと片岡愛之助氏扮する黒崎検査官は、涙を浮かべて悔しがり、みずほ側に自分の顔が立つ対処を求めるはずだ。
しかし、新聞をはじめとする日本のメディアは、みずほ銀行の幹部の名前や顔写真は報じるが、仕事をやり損なった金融庁の検査官の名前や顔を報じない。これは、アンフェアだが、もともと日本の大手メディアにとっては、官庁が最重要なネタ元なので抵抗できないのだろう。
この現実を前提に、今後の展開を予想しよう。
金融庁は(2)を認めるわけにはいかないが、(1)だとすると、あまりにも愚かで無能に映る。“視聴者”の目をそらすには、佐藤頭取の辞任が不可避だ。
もっとも、それで世間が金融庁の責任を忘れるなら、ドラマを正しく見ているとはいえない。(経済評論家・山崎元)
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