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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131016/ecn1310160801007-n1.htm
2013.10.16
韓国の自動車最大手、現代自動車の販売が「エンスト」を起こしている。現代自とグループの起亜自動車をあわせた9月の米国販売台数は今年最低の9万3105台と前年同月比13・9%減少。圧倒的な強さを誇る韓国国内でもシェアは2カ月連続で80%を下回る凋落ぶり。韓国経済の低迷と、労働組合が強行したストライキによる供給不足が影響した。韓国経済は財閥系頼みだけに、現代自の販売不振が今後も続けば、国全体の経済低迷を招きかねない。
■今年の最低を記録した米国販売
「9月の販売減はストライキの影響が大きいが、根はもっと深い」。自動車業界の関係者はこう前置きした上で「ストライキが頻発する労使関係、まじめに働かない正社員の増加など現代自は企業としての問題がここにきて一気に露呈している。単月ベースで数字が上向くことはあるかもしれないが、競争力は確実に落ちている」と指摘する。
米自動車専門紙のオートモーティブ・ニュースによると、現代自・起亜自の9月の米販売台数は前年同月比13・9%減の9万3105台。単月では今年最低の数字で、米国で月間販売台数が10万台を下回ったのは2月以来となる。
大幅な落ち込みは、賃金交渉をめぐり経営側の対立から現代自および起亜自の労働組合が8月末から約半月間にわたって断続的に実施した時限ストライキに伴う在庫不足などが最大の原因といわれている。
米国市場での販売減が響き、現代自・起亜自は9月の輸出台数が前年同月比24・1%減の12万6186台だったと発表。朝鮮日報(電子版)によると、現代自は「ただでさえ、景気低迷の影響で内需が伸び悩む中、労組が今年の賃金団体交渉決裂以降、最大で1日8時間の部分ストライキを行い、操業日数が前年同月より4日少なくなったため、出荷に支障が出た」と説明しているという。
■おひざ元でもシェアはじり貧
しかも、深刻なのは海外にとどまらず、圧倒的なシェアを誇っていた韓国国内でも販売が低下していることだ。
韓国の聯合ニュースによると、9月の現代自の国内シェアは45・8%、起亜自が31・8%で合わせて77・6%。今年に入って初めて80%台を割り込んだ8月(78・6%)よりさらに1ポイント下落、2カ月連続で70%台にとどまった。両社のシェアは6月(82.2%)以降、4カ月連続の減少となっている。
前出の関係者は「シェア70%ならば、まだ心配する必要はないと思うかもしれないが、台数ベースで前年同月比をみれば、その落ち込み具合がわかる」と説明。この言葉通り、9月の国内販売台数は現代自が前年同月比19・6%減、起亜自が17・7%減で、おひざ元の韓国で絶対的地位が揺らいでいることが分かる。
■国内外で失墜した企業ブランド!?
トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)などに比べ、現代自のクルマは性能的に見劣りし、ものづくり力もないが、価格の安さとデザインの良さでシェアを伸ばしてきた。
韓国政府主導のウォン安政策が現代自の成長を後押ししてきたわけだが、昨年来のウォン高で輸出競争力が落ちた上、昨年11月には北米で燃費性能を水増しするという改ざん問題、さらには大量リコール(回収・無償修理)が発覚。さらに国内外で「消費者不在」と批判を浴びた労組による度重なるストライキで、現代自は商品ブランドだけでなく、企業ブランドそのものを失墜させた。
現代自は今年3月に量的な成長からブランド力を高める方向へ方針を転換すると表明したが、関係者の1人は「今の現代自を表しているのが9月の数字。完全にメッキが剥がれてしまっており、抜本的な改革が急務だが、労組が強いので難しいだろう」と話す。残された道は、ウォン高でもお得意の“安売り”しかないのかもしれない…。
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