�@頑張ったという意味はブラック企業の理不尽さに耐えその意向にそって働くということ。

�A普通にまじめに働く大多数の人に対し君は頑張っていないから報われないと言うことができる。仕事の大半は定例の業務を着実にこなすものであり特別な目標を掲げて達成する仕事などごく一部、それも確実に結果が伴うわけではない。
経済がここ２０年全く成長していないのにほとんどの人が目に見える結果など出せるわけがない。

安倍首相がブラック企業のワタミ渡辺美樹を公認して議員に加え、ブレ―ンに現代のタコ部屋経営者、人材派遣会社の経営者をずらりと揃えていることでわかる。

特別な資格や経験、専門分野を持たない大多数の人にとって『頑張る』とはせいぜい長時間労働に耐えることぐらいである。

確かに文科系なら、博士は企業にはほとんどいないから実害なしだし、かなりの人数いるMBAや経営学修士については、かれらはもともと日本の輸出に貢献する製造業の足しにはあまりなっていない金融機関や商社にいるから、どう扱おうが日本経済の将来に大きな影響を与えないだろう。

しかし、理工系となると事情は様変わりする。旧帝大クラスの大学では、理工系の学部卒で就職するのは、基本に落ちこぼれである。学部よりも大学院の博士課程前期（＝修士）の入学定員が多い大学すらある。
雇う側も，学部卒については、前世紀からすでにこの雇用特区構想を先取りしている。すなわち、学部卒は、何時でも切り捨てることができる派遣を通じての形でしか雇っていない。
企業の中心となる正社員技術・研究者は、修士しか取らないのが常識である。
したがって、企業もこのコアの連中を気儘に切ろうとは思わない。

一方、理工系の博士号取得者の就職難は、日本の景気がまだよかったころから、最悪の状態が続いており、国外への高度人材流出の一因ともなっている。
なぜなら、欧米の企業では、博士号がなければ一人前と認めて雇ってくれないからである。
すなわち、博士の人材流動性は、国外で確保されていて，日本にはクビになる人材がいないのである。

すると、八田達夫の言う首切り特区に該当する修士・博士で理工系の人材はいないことになる。