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ドル98円前半で停滞、米財政協議妥結は織り込み済みとの声 ショートは巻き戻し完了、テールリスク残り楽観の反動を警戒
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/226.html
投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 15 日 17:31:31: rUXLhToetCnYE
 

ドル98円前半で停滞、米財政協議妥結は織り込み済みとの声
2013年 10月 15日 16:13 JST
[東京 15日 ロイター] - 東京外為市場午後3時のドル/円は前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円高の98円前半。シンガポール休場で参加者が減り、午後は停滞した。

米財政協議への楽観的見方から朝方に98.71円まで上昇して1日以来の高値をつけたが、協議の妥結は織り込まれ、ドル/円のここからの上値余地は限られるとの見方が出ている。

ドル/円は、米財政協議をめぐり大きな前進があったとの報道を受けて米国市場で強含んだ流れを引き継ぎ、朝方に98.71円まで上昇。2週ぶりの高値をつけた。しかし、5・10日ということで期待されていた実需のドル需要は予想外に弱く、むしろ小規模ながら輸出企業の売りが流入し、ドル/円は伸び悩んだ。

きょうはシンガポールが休場で市場参加者は減少。日経平均株価.N225の伸び悩みが重しとなり、ドル/円は午後、停滞した。

海外短期筋による円売りの動きは低迷しており、「96円台、97円台では(ファンド勢による)散発的なプットの買いが見られた程度。アベノミクス期待で一時活発化したオプション主導の円売りは後退。ボラティリティも低下している」(外銀)という。

米財政協議の動向がマーケットの焦点になっているが、ドル/円がけさ1日以来の高値をつけたことで「米財政協議が良い結果に向かっているというのはマーケットはもう織り込んでしまっている」(大手証券)との声が出ていた。「ネガティブリスクはいまあるかもしれないが、(財政協議に関する)ポジティブな受け止め方でアップサイドがどの辺まで伸びるか、限定的ではないかとみている」という。

米財政協議がまとまって政府機関が再開されれば、発表が延期されていた9月米雇用統計が発表されるが、同関係者は、発表済みの9月ADP全米雇用報告が市場予想より弱かったため、ドル/円が上昇を続けるのは難しいとみていた。

<安倍首相の所信表明には反応薄>

15日、臨時国会が召集された。安倍晋三首相が「成長戦略実行国会」と位置付ける今国会は、先の参議院選挙の結果、衆議院と参議院での多数派が異なる「ねじれ」現象が解消されてから初めての国会となる。

安倍首相は午後の所信表明演説で、経済再生、財政再建、社会保障改革を同時に達成しなければならないなどと述べたが、市場参加者が減り、米財政協議の行方がマーケットの焦点となるなか、マーケットの反応は鈍かった。

(和田崇彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE99E04Z20131015

ショートは巻き戻し完了、テールリスク残り楽観の反動を警戒
2013年 10月 15日 16:08 JST
[東京 15日 ロイター] - 米国の債務不履行(デフォルト)を懸念した株式やドルなどのショートポジションはほぼ巻き戻されたとみられている。暫定的にせよ、米両党が何らかの形で予算案や債務上限引き上げに合意するとの見方が市場では多い。

ただ、実際にデフォルトが宣言される可能性も残っており、テールリスクが消えたわけではない。楽観に傾いているだけに、ネガティブイベントが発生すれば、マーケットへの影響も予想以上に大きくなる可能性もある。

<米政府機関閉鎖前の水準を回復>

日本株とドル/円は米政府機関閉鎖が決まる前の10月1日(日本時間)の水準をほぼ回復した。前場の日経平均.N225は5日続伸し、一時1万4500円台を回復。ドル/円も10月1日以来となる98円後半まで上昇した。米財政問題への懸念は、9月後半から強まっており、すべてのポジションが中立に戻ったとは言えないが、「短期的なショートポジションはほぼ巻き戻された」(国内証券)という。実際、買い一巡後は上昇一服となり、様子見商状となっている。

短期筋にショート巻き戻しを急がせたのは、米両党が予算案や債務上限引き上げについて、暫定的にせよ合意に近いとの見方が広がったためだ。前週末に合意には至らなかったものの、米両党は歩み寄りの姿勢を強めている。

米ホワイトハウスは14日に予定していた議会指導部との会合を延期したが、民主党のリード上院院内総務は、共和党のマコネル上院院内総務との協議で、債務上限と政府機関再開をめぐり「大きな前進」があったとし、運が良ければ、恐らく15日は合意に達する可能性があるとの見方を示した。

「17日に間に合うかどうかは別にして、月内には、議会で債務上限引き上げと暫定予算は合意し、シャットダウンも解除されることがメーンシナリオ」(SMBC日興証券・金融財政アナリストの末澤豪謙氏)。

こうした情勢を受け、米債務が16兆7000億ドルの上限に達する見通しの17日は刻一刻と接近しているものの、市場はむしろ楽観姿勢を強めている。ショートポジションがかなり巻き戻されたため、合意に至っても、カバーやスクイーズの動きは乏しくなりそうだが、不透明感が払しょくされれば、リスクオンが再開すると期待されている。

またデフォルトが宣言された場合でも、元本のカットなどではなく、利払いの一時的な中断といったテクニカル・デフォルトでは、市場への影響は限定的との見方も多い。

「一時的に利払いが止まったとしても、米国の債務返済能力が喪失したわけではなく、元本ともにいずれ返ってくる。デフォルトになったとしても混乱は一時的で、ファンドマネージャーなどは株価が下落すれば押し目買いのチャンスとみているのではないか」とT&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏は指摘する。

<米国債「信用」のき損度は不明>

ただ、米国という巨大な「マネーシステム」が実際にデフォルトに陥った場合、どのような事態になるかはまだ正確に予測できているわけではない。

多くの投資家が担保として利用している米債の価値は下がり、米金融市場では再び短期金利が上昇する可能性がある。ファンディング(資金調達)コストは上昇し、金融機関はダメージをこうむる。米連邦準備理事会(FRB)が潤沢に資金を供給しているほか、いざとなれば公定歩合で資金を借りれるため、金融機関が資金繰りにつまることは予想されていないが、マネーのめぐりが悪くなれば、経済への悪影響も大きくなる。

一方、米国債はデフォルトの対象でありながら、市場がリスク回避に動けば、「安全資産」として買われる可能性もある。利払い中止が一時的とみられれば、「安全資産」としての地位は揺るがないかもしれない。実際、デフォルト懸念が強まった後も、長期・超長期ゾーンの米債金利上昇は限定的だ。

ただ、米債の「信用」がどの程度き損されるかは、実際にデフォルトが起きてみないとわからない。「リスク回避が強まり、何が買えるのかといったときに、やはり米国債ということになるかもしれない。ただ、最終的にデフォルトは回避されるだろうというのがマーケットのコンセンサスだけに、実際になったときに、不安がどれだけ広がるかは不明だ」(BNPパリバ証券チーフ債券ストラテジストの藤木智久氏)という。

世界のマネーシステムの「信用」を司る米国債に不安が広がれば、米金利は急上昇し、米株も急落する。たとえ、利払い中止が一時的であっても、投資家の「信用」が失われないとは限らないところに、リーマン・ショックを超えるかもしれないとまで言われる今回の問題の怖さがある。

日本国債の金利上昇は日銀の大量国債購入による抑制効果もあって限定的とみられているが、グローバル投資家のリスク許容度が低下すれば、日本株にも資金巻き戻しの売りが押し寄せるとみられている。リスク回避の円高を伴えば、企業業績改善への期待は後退、アベノミクスへの不安も強まり、日本株売りが加速する可能性もあるため、警戒は怠れない。

(伊賀 大記 編集:宮崎大)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE99E04Q20131015


日経平均は5日続伸、高値警戒で伸び悩む
2013年 10月 15日 15:17 JST
[東京 15日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は5日続伸。取引時間中としては10月2日以来、約2週間ぶりに一時1万4500円を回復した。米財政協議での与野党合意が近いとの見方を背景に米国株が続伸したほか、外為市場ではドル高/円安に振れ、幅広く買いが先行した。

ただ直近の急ピッチな戻りから短期的な高値警戒感も指摘され、買い一巡後は伸び悩んだ。パルプ・紙や空運、金属製品などが堅調。半面、保険や証券、不動産などが売られた。

米債務上限引き上げに関する与野党協議は、米財務省が期限としている17日までに何らかの合意に達するとの見方が広がっており、投資家の不安心理は和らいでいる。前日の米国株高や、為替が1ドル98円台後半まで円安に振れたことを好感し、日経平均は前日比で100円を超える上げ幅となり、一時1万4510円まで上値を切り上げた。

ただ、10月8日の安値1万3748円から今日の高値まで5.5%上昇しており、短期的な高値警戒感から利益確定売りが出たという。ドル/円が伸び悩んだことも日本株の重しとなった。「日経平均が心理的な節目1万4500円を回復したことで上昇一服感が広がった。先行して上昇していた不動産などが利食い売りに押される一方、物色は個別株にとどまっている」(東洋証券ストラテジストの檜和田浩昭氏)との声が出ていた。

安倍晋三首相は15日午後、衆議院本会議で所信表明演説を行い、経済再生、財政再建、社会保障改革を同時に達成しなければならないと語った。「安倍首相の所信表明演説は従来通りの内容だが、きょうから始まる臨時国会で議論される成長戦略に対して期待感は強い」(国内証券)として株価の下支え要因になると指摘された。

個別銘柄では、松竹(9601.T)が5日続伸。歌舞伎座のこけら落し興行が想定を大きく上回ったことなどを背景に2014年2月期業績予想を上方修正し、好感された。

半面、ニコン(7731.T)は4日ぶりに反落。2013年9月中間期の営業利益が前年比54%減の170億円程度になった見込みとの一部報道が嫌気された。

東証1部騰落数は、値上がり692銘柄に対し、値下がりが923銘柄、変わらずが136銘柄だった。

(杉山容俊)

日経平均.N225

終値      14441.54 +36.80

寄り付き    14510.27

安値/高値   14415.76─14510.37

東証出来高(万株) 200548

TOPIX.TOPX

終値       1197.47 +0.30

寄り付き     1204.85

安値/高値    1195.46─1205.21

東証売買代金(億円) 16203.85
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE99E04L20131015  

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コメント
 
01. 2013年10月16日 09:17:16 : e9xeV93vFQ
【第113回】 2013年10月16日 高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
「10月効果」で米国主導に陰の極が出現?
今年も年末上昇のアノマリーは続くか
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト
「5月に売って、10月買い戻し」
のアノマリーは

 米国の株式市場を中心としたアノマリーとして、「10月効果」がある。米株は10月に安値を付けやすいとされ、1987年10月に生じたブラックマンデーなどの事例も多い。

 同様に指摘されるのは、「5月に売って、10月買い戻し」である。場合によっては、「9月に買い戻す」とされることもあるが、おおむね春に株式市場は高値をつけ、その局面で株式を売っておき、その後秋に底値になったタイミングで買い戻すというパターンである。

 実際に、過去長年にわたる実証分析でもこうしたアノマリーが相応に良いパフォーマンスを獲得しているとされる。こうした動きは、「グリーンシュート」(春の芽吹き)とされる気候面による人間のバイオリスムが春の株高をもたらし、秋には木の葉が落ちるなかでの動きが株価下落をもたらすとされ、なんとなく皆も納得しやすい。

 また、米国では多くの投資信託が10月に決算を迎えることから、税制面でもこうしたアノマリーが生じやすいとされる。加えて、2007年以降の金融危機に伴う構造転換のなか、季節調整がうまくかからずに、年初春までの景気が上方に振れやすくなったことによるアノマリーが生じたとされることも多かった。

みずほ総合研究所の
CSIのアノマリーに注目

 足元、今年10月の米国の金融市場は、米国の財政問題への不透明感からリスクオフの状態に向かい、株式市場の下落、長期金利低下、為替市場でのドル安の動きが生じた。加えて、このところの米国経済指標は思わしくないものも多い。

 図表1は、市場参加者の米国の景気状況の楽観度合いを見る、みずほ総合研究所が作成したインデックス(CSI)で、米国経済指標と市場コンセンサスとを比較し、公表値がコンセンサスを上回ったか、下回ったかによって示されるものだ。

 10月以降、米国の政府機関の閉鎖で経済指標の公表が遅れたものもあり、同CSIの評価も幅を持って見る必要も生じている。ただし基本的には、8月以降に発表になった市場予想を下回る経済指標の結果を受けて、CSIはマイナス圏にある。

 ここ数年間のアノマリーでは、年初は成長期待の高まりでCSIはプラスが続くが、新年度、春先以降は年半ばから秋にかけてマイナスが続いていた。冒頭に示した「5月に売って、10月買い戻し」のアノマリーにも沿った動きだ。

 過去を振り返れば、今年同様に政府債務問題が注目された2011年夏も、CSIのマイナス圏での動きが生じ長期金利が大きく低下したが、今年もCSIと長期金利は似通った動きが生じている。


米国の政府債務問題と
テールリスク

 米国発の政府債務問題に絡む不透明感が金融市場のリスクオフの動きを生じさせ、その波及は日本にも及んでいる。リスク管理の世界では、「テールリスク」とされる事象が重視されることが多い。それは、起こる可能性は低いものの、万が一生じた場合にはその影響が大きいことを指す。

 今回の米国債のデフォルト不安は、まさにその好例であろう。仮に、債務上限の引上げが間に合わず、一部の国債の償還ができない(選択的デフォルト)といった「万が一」のケースが生じた場合、金融市場では何が起き、米国を始めとして世界経済にどのような影響が生じるかについて、「ストレス・テスト」とされる思考実験が必要になる。

 為替市場のドル安の動きが日本株の下落圧力になり、債券市場では下期初に向けた運用圧力からの債券購入の動きも加わって、10年国債金利は金利低下に向かった。以上の日米の潮流は、本論での米国発の不透明感と先のCSIにも示される毎年のアノマリーに加速されているだけに、当面、長期金利に低下圧力がかかりやすい。

 なかでも日本は、今年4月の「異次元の金融緩和」から約1年、来年春先に向けて追加緩和観測も残存するだけに、なおさらだ。

アベノミクスのリスクにも

 アベノミクスがここまで成果を挙げてきたのは、結局、昨年末以降、米国経済の住宅を中心としたバランスシート調整が進展し、米国経済の回復シナリオに転じたことが大前提にある。

 米国は2007年以降、住宅セクターのバランスシート調整に対処し、金融政策面ではQE1、QE2、QE3とした一連の異例な量的金融緩和を行い、MBSの大量購入で住宅市場を支えた。

 同時に、以上の政策は量的緩和効果の一環として、暗黙裡に為替のドル安誘導にも割り当てられた。それは、日本にとっては深刻な円高圧力を2007年から2012年まで与え、デフレ問題に陥らせる要因となった。

 一方、2012年末の転換は、米国の住宅市場の改善から、ドル安誘導の必要性低下を意味し、同時にQE3縮小に舵を切る転換を意味した。アベノミクスとは、以上の2012年末の米国主導の環境の転換の流れを利用して、大胆な金融緩和によるもう一段の円安定着とそれに伴う先行き期待改善を、「成長戦略」として位置づけてきたことによる。

 今回、米国債務問題で米国の回復シナリオが不安定化し、QE3縮小の道筋が見えにくくなり、円高基調に逆戻りすれば、日本における回復シナリオが大きく後退するリスクを持つ。

 2013年、順調に推移してきたアベノミクスの最大のリスクは、米国発の不安にあると言っても過言ではない。しかも、毎年年後半に向けたこの時期は、アノマリーとしても経済指標が予想対比で下振れしやすい。

10月は陰の極となる可能性も

 ただし、同様のアノマリーとしては、ここ数年連続で年末にかけて経済の見通しが予想以上の改善に転じてきたことにも、注意が必要だ。加えて、本論の財政問題の不透明感が後退する場合には、再び米国中心に金利に上昇圧力がかかることを想定しておく必要もある。

「10月買い戻し」のアノマリーは、10月が「陰の極」になるなか、その状況を捉えた果断な投資行動が必要との点も意味し、10月の景気下振れアノマリーは、年末にかけては上昇に転じやすいことも意味している。

 米国の政務債務問題が収拾に向かえば、金融市場の霧が一気に晴れる可能性もある。11月以降、年末に向けたさらなるアノマリーとする季節の変わり目にも、留意が必要だ。
http://diamond.jp/articles/print/43034


02. 2013年10月16日 09:34:58 : e9xeV93vFQ

http://diamond.jp/mwimgs/9/c/576/img_9c83a31c023e7f165bdb0d5f8e7a305f52924.jpg

【第286回】 2013年10月15日 広瀬 隆雄
なぜ米国議会の交渉進捗のために株式市場の急落が必要なのか?
【今回のまとめ】
1.債務上限引き上げ問題を巡る話し合い開始のニュースで先週の市場は高かった
2.しかしオバマ大統領は下院案をあっさり退けた
3.新しく上院案が練られているが、交渉は難航中
4.Xデーは、17日か、22日から31日の間
5.この間も米国政府機関の一部閉鎖は続いている
6.財政の三重苦はじわじわと米国経済に悪影響を及ぼす
7.ジャネット・イエレンが次期FRB議長に指名されたのは相場にプラス
8.交渉が前進するためには株式市場急落などのショックが必要
先週は債務上限引き上げ問題の対話開始で相場は高かった
 先週10月10日(木)に米国債務上限引き上げ問題を巡って下院共和党とオバマ大統領が話し合いを開始すると報じられ、ダウ工業株価平均指数が+323ポイント急騰しました。週間ベースではダウ工業株指数が+1.0%、S&P500指数が+0.75%と堅調でした。この中でナスダック総合指数だけが−0.4%とマイナスを記録しました。
下院案は頓挫
 しかし金曜日の引け後にオバマ大統領が下院案のほとんど全ての項目に対し不服を表明し、話し合いは物別れに終わりました。
 このため上院が下院案とは別の案をまとめることになりました。共和党の中では穏健派と言われるスーザン・コリンズ上院議員が中心となって、上院案がまとめられている最中です。民主党は「この際、歳出一斉削減の取り決めを白紙に戻せ」と主張しており、合意への道のりはいっそう険しくなった観があります。
 デフォルトの期限が迫ってきているので、急いで法案を通過させる必要があります。ちなみに米国財務省は10月17日前後に政府の手持ちキャッシュが底をつくと試算しています。これとは別に超党派政策センターによる試算では下のグラフのように最悪のシナリオでは10月22日、ベストのシナリオでは10月31日までにキャッシュがなくなると試算されています。

http://diamond.jp/articles/-/43061?page=2
米国政府機関一部閉鎖は続く
 この債務上限引き上げ問題とは別に、10月1日から始まっている米国政府機関一部閉鎖は今も続いています。この政府機関一部閉鎖が長引いた場合、景気の足を引っ張る可能性があります。
既に始まっている財政削減も影響する
 米国政府は春ごろから歳出一斉削減を含む様々な財政削減を始めており、国際通貨基金(IMF)はそれらの財政削減措置がGDPの2.5%押し下げるとしています。


 つまり現在の米国経済は債務上限引き上げ問題、政府機関一部閉鎖問題、今春から始まっている一連の財政削減という三重苦に苛まれているわけです。
米国景気の先行きには楽観論が強い
 その割には米国の景気の先行きに関しては、楽観的な考え方が根強いです。
次のページ>> 次期FRB議長の指名は株式市場にプラス
 その証拠にフェドファンズ先物の動きを見ると、まだ5月(青)より高い水準にあり、今後景気が強含むにつれて政策金利が引き上げられることを市場が織り込んでいる様子が見て取れます。なおグラフ中、「t」とは「タイム」の意味で、「t+12」は12カ月先、「t+24」は2年先、「t+36」は3年先という風に読みます。

オバマ大統領はジャネット・イエレンを次期FRB議長に指名
 先週、オバマ大統領は現在連邦準備制度理事会(FRB)副議長を務めているジャネット・イエレンをベン・バーナンキの後任に指名すると発表しました。なおこの指名は上院の投票で承認される必要があります。投票の時期に関しては、まだ明らかにされていません。
 ジャネット・イエレンは現在FRBが実施中の非伝統的緩和政策の枠組みを考案した本人です。このため切り上げ時が話題になっている債券買い入れプログラムに関しても、彼女は誰よりも良く知っているし、現状の政策の維持を主張しています。それは債券買い入れプログラムの縮小は、当分無いということを意味します。議会が迷走しているにもかかわらず、アメリカ株が大きく崩れていないのは、このためです。
 ジャネット・イエレンがベン・バーナンキの後を継ぐということは、FRBの政策の継続性という点では理想の展開です。なおバーナンキはFRB内部でコンセンサスを形成することに注力しましたが、イエレンはバーナンキほど全員一致にこだわらないと言われています。
株が高いうちは債務上限引き上げ交渉は進まない
 現在のアメリカの議会政治を見ると、下院は共和党、上院は民主党が支配しています。法案や予算を成立させるためには両院での承認が必要です。今は下院案を上院が、上院案を下院が否決すると言う風に、お互いにキャンセルし合う構造になっています。
 共和党は社会福祉政策などで政府予算が雪だるま式に膨張することを喰い止めることを主張しています。民主党はこれとは正反対に年金生活者、低所得者、老人などに対する手厚い保護を政策の柱とすることで有権者の支持を取り付けてきました。つまり両党の主張は根本的に真っ向から対立しているのです。
 個々の議員は党からのサポートで選挙に勝ち、議席を守っているわけですから、ちょっとの事では党派主義(パルチザンシップ)を改めようとはしません。
 この両党の頑な態度が崩れるためには、株式市場が急落するなどのショックが必要です。
http://diamond.jp/articles/-/43061?page=3


【第80回】 2013年10月15日 藤井 英敏
米与野党妥結まで相場は上昇するが、
合意後は「材料出尽くし」の公算大
 米国の債務上限引き上げや政府機関の再開めぐる協議については、日本時間15日10時時点では、最終決着はしていません。
 しかし、9日に、オバマ米大統領が米下院で多数を握る共和党の指導部と10日に協議する予定と伝わったあたりから、米株式市場はフライング気味に上昇を始めました。そして、共和党が10日、連邦債務の上限引き上げを一時的ながら容認する方針を示しました。
合意段階で上昇は一旦終わる
 このように、これまで強硬だった共和党の態度が軟化しつつあるため、債務上限引き上げや政府機関再開めぐる協議について、なんらかの政治的な妥協が図られる可能性が高いとの見方が一段と強まっています。
 さらに、オバマ米大統領が米東部時間の14日午後3時から米与野党の上下両院トップと会談すると報じられました。ただし、上院の妥協案の協議結果を待つため、その会合は延期されました。民主党のリード上院院内総務は「今週中に妥当な合意に達すると、われわれは楽観視している」と述べたと伝わっており、おそらく、17日前後には政治的な妥協が図られるでしょう。
 しかしながら、NYダウは9日から14日まで4日続伸しており、また、日経平均も8日から11日まで4日続伸してます。フライング気味に合意を織り込み上昇しているため、合意がなされた段階では、目先の好材料出尽くしとなる公算が大きそうです。
 いわゆる、「Buy the rumor, Sell the fact」ですね。
日経平均の日足チャート(6カ月)。緑が5日、赤が25日、青が75日の移動平均線(出所:株マップ)
債務上限引き上げ問題は、たびたび発生する
 相場で成り上がりたいあなたは、基本的には、皆が弱気のときに買いに回り、強気になったら売りに回らないといけません。なお、政治要因で相場が調整している場合、その中身は大きく分けると、(1)政治家同士の協議の行方と(2)選挙結果の2つです。
 (1)に関しては、基本的にはエリート同士の話し合いなので、破滅的な、経済合理性を欠いた結果にはなり難いです。もちろん、米国連邦議会下院が2008年9月29日、最大7000億ドルの不良資産を公的資金で買い取る制度を柱とした金融安定化法案を否決したという例外もたまに起こりますが・・・。
 一方、(2)に関しては、選挙時の景気が重要です。景気が良ければ与党が勝つし、悪ければ負けます。これが原則です。
 ただし、選挙に関しては、エリートに対して数に勝る非エリートの意向が強く反映されるため、破滅的な経済合理性を欠いた結果にはなりやすいです。特に、景気が最悪の状況で行わるケースではその傾向が強まります。最近ではギリシャ、イタリアがそれに当たります。つまり、景気が悪いときの選挙は要注意です。結果が見通し難いからです。市場は「不透明」を嫌います。
 よって、政治家同士の話し合いが不透明要因なら、経済合理性のある結果になる可能性が高いため、今回の米国の与野党協議のように、基本は「買い」です。また、選挙が不透明要因なら、景気がいいときは基本は「買い」ですが、景気が悪いときは「見(ケン)」です。選挙が終わったら「売り」か「買い」の判断するべきなのです。
 なお、日本は衆参のネジレが解消したので、政治的な不透明要因は当面、皆無です。
 一方、米国は来年の中間選挙の結果次第です。そこで、茶会の支持を受けた共和党議員が続々と落選し、上院下院のネジレがなくなれば、米国の政治的な不透明要因はなくなります。それまでは、債務上限引き上げ問題は、政治ショーとして、たびたび発生する見通しです。正直なところ、米国のような大国は、中道右派と中道左派が、互いにけん制する状況が、金融市場にとってはウエルカムな状況なのです。
次のページ>> 次期FRB議長のイエレン氏はポジティブ材料
調整後には再び上昇基調を強める
 ところで、オバマ大統領が、バーナンキFRB議長の後任としてイエレン副議長を正式に指名しました。
 イエレン氏は筋金入りのハト派(成長・雇用重視)であるため、量的緩和策(QE)長期化が見込まれます。イエレンFRB議長の誕生は、米金融政策の継続性の観点からもポジティブ材料です。
 繰り返しますが、米国株・日本株に関しては、17日前後にかけて、上昇すると考えます。そして、与野党の妥協実現で、好材料出尽くしで調整というものがメインシナリオです。
 しかし、調整一巡後は、イエレンFRB議長の誕生によるポジティブ作用に加え、「アベノミクス第3の矢」効果で、日米共に再び上昇基調を強めるとみています。安倍首相は、臨時国会を「成長戦略実行国会」と位置付け、産業競争力強化法案や国家戦略特区法案の早期成立を目指すということです。今後の東京株式市場では、このあたりに関連した銘柄群が賑わうことでしょう。

http://diamond.jp/articles/-/43066




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