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ギリシャに好機を見いだしたヘッジファンドが大儲け
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/213.html
投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 15 日 01:04:04: rUXLhToetCnYE
 

ギリシャに好機を見いだしたヘッジファンドが大儲け
2013年10月15日(Tue) Financial Times
(2013年10月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 10月初め、ダウ・ケミカルのアンドリュー・リベリス氏から米国大使のジョン・ネグロポンテ氏に至るまで、ギリシャ系の実力者たちがパークアベニュー583番地の広大なドームの下に集い、ギリシャで今はやりのセレブシェフ、アルギロ・バルバリグー氏が用意したディナーでシャンパングラスを交わした。

 ビル・クリントン元大統領がスピーチを行い、この夜の珍しい主賓から多少脚光を奪った。ギリシャのアントニス・サマラス首相がその人だ。

 晩餐の目的の手がかりは招待客名簿にあった。ギリシャ系の人々と並び、ウォール街の有力者が名を連ねていたのだ。

 実際、サマラス首相にとっては、この晩の催しは、9月30日のJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン氏との私的会合を皮切りに、ポールソン・アンド・カンパニーを率いる大富豪ジョン・ポールソン氏らヘッジファンドマネジャーとともに午後を過ごしたりしたニューヨーク行脚を締めくくるものだった。

 訪問にはもっともな理由があった。かつて国債価格を押し下げてギリシャの債務危機を悪化させたとか、危機を生み出したとまで非難されたヘッジファンドは今、ギリシャ市場で最も強気かつ最も重要なプレーヤーに数えられているからだ。140万人の失業者を抱えるギリシャは今、金融界の投機筋にとって好機に満ちた土地になりつつある。

 証券会社エグゾティクスでギリシャ株の責任者を務めるジョージ・ゾイス氏は「最近、大量の資金流入が見られた。投資銀行がヘッジファンドや新興国市場の投資家をギリシャのロードショーに連れて来ているのが原因だ」と言う。

ギリシャの銀行への投資で莫大な利益

 最も大きな関心を集めてきたのが、ギリシャの銀行セクターだ。ポールソン・アンド・カンパニー、バウポスト、ドロメウス、ヨーク・キャピタル、イーグルベール、オク・ジフなどがアルファ銀行とピレウス銀行の株式を取得しており、すべてのファンドが多額の利益を上げている。

 例えば、アルファ銀行は6月に資本を増強して以来、株価が32%上昇した。これだけ上昇した後でさえ、株価純資産倍率(PBR)はまだ0.8倍と、欧州の他の銀行より割安だ。さらに重要なことに、銀行の自己資本増強に参加したヘッジファンドは、ただでワラントを受け取っている。発行から1年後、2年後、5年後にそれぞれ発行価額より4%、5%、8%高い行使価格でアルファ銀行株7.4株に転換できるワラントだ。

 こうしたファンドでは、アルファ銀行への投資――株式とワラントの合計――はこれまでに価値が約290%上昇している。

 熱狂的なワラントの売買は、ヘッジファンドがギリシャの銀行の株主名簿を占める結果になる可能性があることも意味している。あるヘッジファンドマネジャーによれば、もしすべてのワラントが今、株式に転換されたら、アルファ銀行とピレウス銀行はどちらも、最大50%の株式をヘッジファンドに所有されることになるという。

 投資家は銀行セクター以外にもチャンスを嗅ぎ取っている。ギャンブルの独占会社OPAP、ヘレニック・テレコミュニケーションズ(OTE)、建設、廃棄物処理、鉱業などを手がけるコングロマリット(複合企業)のエラクトーが特に大きな上昇を演じた。OPAPは今年、株価が70%近く上昇しており、OTE株は63%、エラクトー株は48%上昇している。

 「1年前に我々がギリシャを対象としたファンドを設定した時、最初は笑われただけだった」。投資先をギリシャに集中させたヘッジファンド、ドロメウス・キャピタルのアキレス・リスバス氏はこう話す。「次に多くの人が我々と議論するようになった。そして今では、我々と一緒に投資したがっている」

 ドロメウスのファンドは2012年に40%のリターンを得た。今年に入ってからは価値が93%上昇している。調査会社HFRによると、平均的なヘッジファンドは昨年6.4%、今年は5.6%のリターンを辛うじて確保している程度だという。

 リスバス氏の見るところ、ギリシャはまだ好機に満ちている。「明らかに公開市場にもまだ上昇余地があるが、ギリシャトレードの次の段階は非公開市場にあると考えている」。同氏はこう述べ、「例えば、不動産市場は著しい価値低下に見舞われた。一等地のオフィススペースは50〜60%下落し、今もまだ落ち込んでいる」と話している。

リスクはまだ残るが・・・

 と言っても、リスクが高くないということではない。ギリシャ資産は今夏、世界の新興国市場の急落に沿って急激な価格下落に見舞われており、他の欧州周縁国の将来を巡ってもまだ不確実性が残っている。

 「この国は4年間も深刻な景気後退に陥っている」。モルガン・スタンレーでソブリン・クレジット・ストラテジー部門を率いるパオロ・バトリ氏はこう指摘する。「回復の兆しが見えてきたのは良いことだが、その芽の強さは欧州経済と世界経済に何が起きるかに左右される」

 だが、何をおいても、リスクは国内の政治的な問題だ。複数のヘッジファンドマネジャーは内々に、ギリシャ政府に対する信頼感が、大半のヘッジファンドがギリシャに足を踏み入れる意欲の大事な基盤となってきたと話している。ヘッジファンドに取り入るサマラス首相の行動は珍しいかもしれないが、決して根拠がないわけではないのだ。

By Sam Jones and Robin Wigglesworth

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38913  

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コメント
 
01. 2013年10月15日 07:43:57 : 2uOv2R3MRs
みずほ銀行みたいだなw

02. 2013年10月15日 09:03:20 : niiL5nr8dQ
ECB、保有ギリシャ国債の借り換えできない=アスムセン専務理事
2013年 10月 15日 00:08 JST
[ルクセンブルク 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は14日、ECBやユーロ圏の各中銀は保有するギリシャ国債のロールオーバー(借り換え)には応じられないとの考えを示した。財政赤字の穴埋め禁止に抵触するためとしている。

同氏は記者団に「財源不足を埋める方法を見出す必要がある」としながらも、国債のロールオーバーなど財政ファイナンスとなる手段は決して講じられないと指摘。「ECBやユーロシステム全体にとって不可能だ」と述べた。

ギリシャのストゥルナラス財務相は、同国が2009年に国内銀行を支援する目的で発行し、来年3月に償還期限を迎える国債約45億ユーロ(61億ドル)をロールオーバーする計画を明らかにしている。

欧州の中銀はロールオーバーを約束したとし、できなければ同等の手段を考え出す必要があるとの認識を示した。

 


 


 

今年のギリシャ経済は最大4.2%縮小、その後安定化へ=IOBE
2013年 10月 14日 23:22 JST
[アテネ 14日 ロイター] - ギリシャの有力シンクタンクIOBEは14日、ギリシャ経済が2013年に最大4.2%縮小する見通しであるものの、安定化に近づきつつあるとの見方を示した。

IBOEは四半期報告書の中で、2013年の国内総生産(GDP)がマイナス4.1─マイナス4.2%になると予想。7月時点の予想である最大5%の縮小から上方修正した。

IBOEは「ギリシャ経済は安定局面に極めて近い」と指摘。「慢性的となっていた双子の赤字は均衡しつつあり、6年間に及ぶリセッション(景気後退)は緩やかに終えんに向かっている」とした。

2013年については、第2・四半期のGDPが予想を上回り、第3・四半期は観光シーズンが好調となったことが寄与し、一段の回復を遂げる公算が大きいとした。ただ、第4・四半期は鈍化することを見込んだ。2014年にはリセッションを脱する可能性が高いとした。

欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による2013年のギリシャGDP見通しはマイナス4%となっている。
 


 


 

ギリシャが国債借り換え計画、各国中銀も協力を━財務相=報道
2013年 10月 14日 23:51 JST
[アテネ 14日 ロイター] - ギリシャのストゥルナラス財務相は、同国が2009年に国内銀行を支援する目的で発行し、来年3月に償還期限を迎える国債約45億ユーロ(61億ドル)をロールオーバー(借り換え)する計画を明らかにした。

14日付の国内紙ナフトエンポリキ紙インタビューで語った。

同国は来年後半まで支援を受け、その後は債券市場への復帰を目指す。国際通貨基金(IMF)や同国当局の試算によると、2014━15年にかけて約110億ユーロの財源不足が生じる見込みで、ロールオーバーで、財源不足を大部分を穴埋めする意向だ。

欧州中央銀行(ECB)やユーロ圏の他の中銀は、ギリシャ国債を額面で190億ユーロ保有、うち100億ユーロ分が来年に償還期限を迎える。

財務相は2012年11月の合意に中銀のロールオーバーも盛り込まれていると指摘し、「各中銀がロールオーバーすると公言しながら、現在まで行わずに保有しているギリシャ国債がある。金融ファイナンスにあたると考えて実施する考えがないのなら、同等の手段を各中銀が考え出す必要がある」と述べた。

ECBは、財務相の発言についてコメントを避けた。

ギリシャ中央政府の基礎的財政収支、1─9月は26億ユーロの黒字 2013年10月10日
ECB、現時点で追加LTRO実施の必要ない=クーレ専務理事 2013年10月10日
為替相場の目標は設けていないが、経済への影響は注視─ECB専務理事=CNBC 2013年10月9日
 


 


 

ユーロ圏財務相、銀行破たん費用負担めぐる独仏の溝埋められず
2013年 10月 15日 07:51 JST
[ルクセンブルク 14日 ロイター] - ユーロ圏財務相は14日の会合で銀行破綻の費用負担について討議したものの、欧州安定メカニズム(ESM)の負担規模などに関する独仏の溝を埋めることができなかった。

ユーロ圏ではスペインとアイルランドで国際支援からの脱却が間近となっており、ユーロ圏財務相は、来年実施される銀行ストレステスト(健全性審査)で明るみに出る可能性のある問題に対処するため長期的な行動計画の策定に向け準備を進めている。

しかしこの日の会合では、銀行破綻時のESMの負担規模やユーロ圏銀行同盟の下での問題解決方法などで意見をすり合わせることはできなかった。

フランスは、スペインやイタリアなどと共に、経営基盤が揺らいだユーロ圏の銀行に対する支援を、ESMを通して補強することを主張。

これに対し、ドイツはオランダやフィンランドなどと連携し、破綻費用の負担が及ぶことがないよう、ESMの支援に条件を付けることを主張している。

フランスのモスコビシ経済・財務相はこの日の会合を終え、「ぜい弱な銀行同盟は銀行同盟ではない」とし、「フランスは銀行同盟の枠組みの中でESMを補強措置として利用することの可能性を追求する」と述べた。

ドイツのショイブレ財務相は、メルケル首相が進める連立政権樹立に向けた国内の協議に参加するため、この日の会合は欠席した。


 


 


 
独連邦債利回りが3週間ぶり高水準維持、米デフォルト回避の観測で
2013年 10月 15日 02:53 JST
[ロンドン 14日 ロイター] - 14日のユーロ圏金融・債券市場では、米財政協議のこう着状態が続いているものの最終的には解決されるとの観測が根強いことから、独連邦債利回りが前営業日に付けた3週間ぶりの高水準近辺にとどまった。

米国はデフォルト(債務履行)を回避できるとの観測のなかリスク選好度が上昇。イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド各国の国債利回りは低下した。

ただ米債券市場が祝日のため休場となっていることで、商いは薄かった。

安全資産とされる独連邦債先物は4ティック安の139.75。独10年債利回りは1.86%と、11日に付けた3週間ぶりの高水準となる1.89%近辺で推移した。

ダイワ・キャピタル・マーケッツの経済調査部門責任者、クリス・シクルナ氏は米財政協議について「デフォルト回避に向け合意が得られるとの見方が大勢となっている」とし、「市場でパニックは起きていない」と述べた。

イタリア10年債利回りは2.6ベーシスポイント低下の4.26%。スペイン10年債利回りは3bp低下の4.27%となった。

ポルトガル10年債利回りは、ポルトガル政府が年内に債務交換の実施を検討していることを明らかにしたことを受け、一時6.247%と4カ月ぶりの低水準を付けた。

ギリシャ10年債利回りは26bp低下の8.69%。同国のストゥルナラス財務相はこの日、2009年に発行した債券の借り換えを実施することを明らかにしている。
 


 


 

 


 
欧州短期ドル調達コストが小幅上昇、米財政協議めぐる警戒感で
2013年 10月 14日 23:20 JST
[ロンドン 14日 ロイター] - 14日の欧州短期金融市場では、米与野党間で財政問題をめぐる合意が依然成立しないなか、超短期のドル借り入れコストが小幅上昇した。ただ、最終的には決着するとの見方から前週のレンジ内にとどまっている。

1週間物ユーロ/ドルベーシス・スワップ・レートはマイナス7.75ベーシスポイント(bp)。前週末11日時点ではマイナス6.5bpだった。これはユーロをドルに交換する際の上乗せ幅が拡大したことを意味する。

米国ではこの日、コロンブスデーのため債券市場が休場となっているが、欧州では米国債のデフォルト(債務不履行)保証コストが上昇。米民主党と共和党が連邦債務上限引き上げでなお合意できていないことが重しとなった。

ドルのオフショア市場では前週、米国が17日の期限までに債務上限引き上げで合意できない可能性に備える動きが広がり、ドル需要が高まった。

ドルの短期金利は、ユーロ圏危機を背景に米マネー・マーケット・ファンド(MMF)が欧州銀への貸し出しを渋った2年前の水準は大きく下回っており、現時点で目立った緊張は見られない。

それでも市場関係者の間では、16日に欧州中央銀行(ECB)が実施するドル供給オペに米財政問題の影響が出るか注目が集まっている。

米財政協議をめぐっては、週末にも与野党が合意に達するとの期待が高まっていたが、12日に下院共和党とオバマ大統領の協議が暗礁に乗り上げた。ただ、上院の民主、共和両党幹部は13日、債務上限引き上げ期限までの事態打開に楽観的な見方を示した。

 米国株式市場・序盤=反落、財政問題めぐる警戒感続く 2013年10月14日
欧州株は米財政協議難航を嫌気して軟調、プジョー急落 2013年10月14日
欧州株式市場=続伸、米財政協議での合意に期待感 2013年10月12日
伊債利回り低下、好調な入札や米財政協議進展への期待で 2013年10月12日

 

ユーロ圏金融・債券市場・終盤=独連邦債利回りが3週間ぶり高水準維持、米デフォルト回避の観測で
2013年 10月 15日 02:50 JST
[ロンドン 14日 ロイター] -
(カッコ内は先物が欧州市場の前営業日終値比、現物が前営業日終盤)
先物清算値
3カ月物ユーロ(12月限)   99.72 (+0.00)
独連邦債2年物(12月限)  110.40 (+0.00)
独連邦債5年物(12月限)  124.22 (+0.01)
独連邦債10年物(12月限) 139.75 (‐0.04)
独連邦債30年物(12月限) 122.82 (‐0.20)
 
現物利回り
独連邦債2年物       0.180 (0.180)
独連邦債5年物       0.705 (0.710)
独連邦債10年物      1.859 (1.855)
独連邦債30年物      2.733 (2.724)


14日のユーロ圏金融・債券市場では、米財政協議のこう着状態が続いているものの
最終的には解決されるとの観測が根強いことから、独連邦債利回りが前営業日に付けた3
週間ぶりの高水準近辺にとどまった。
米国はデフォルト(債務履行)を回避できるとの観測のなかリスク選好度が上昇。イ
タリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド各国の国債利回りは低下した。
ただ米債券市場が祝日のため休場となっていることで、商いは薄かった。

安全資産とされる独連邦債先物 は4ティック安の139.75。独10年債
利回りは1.86%と、11日に付けた3週間ぶりの高水準となる1.8
9%近辺で推移した。
ダイワ・キャピタル・マーケッツの経済調査部門責任者、クリス・シクルナ氏は米財
政協議について「デフォルト回避に向け合意が得られるとの見方が大勢となっている」と
し、「市場でパニックは起きていない」と述べた。

イタリア10年債 利回りは2.6ベーシスポイント低下の4.26%
。スペイン10年債 利回りは3bp低下の4.27%となった。
ポルトガル10年債 利回りは、ポルトガル政府が年内に債務交換の実
施を検討していることを明らかにしたことを受け、一時6.247%と4カ月ぶりの低水
準を付けた。
ギリシャ10年債 利回りは26bp低下の8.69%。同国のストゥ
ルナラス財務相はこの日、2009年に発行した債券の借り換えを実施することを明らか
にしている。

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独連邦債利回りが3週間ぶり高水準維持、米デフォルト回避の観測で 2013年10月15日
米金融・債券市場=コロンブスデーのため休場 2013年10月15日
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マネーニュース : 最新経済ニュース
BRICs市場サマリー(14日)
WRAPUP 1-米上院、財政問題打開に向け合意に近づく
米財政問題にらみ波乱含み、日銀買入や押し目買い期待が下支え=今週の円債市場
UPDATE 1-米共和党上院院内総務と債務上限・政府機関再開めぐり「大きな前進」=民主党上院院内総務
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米株続伸、合意近いとの期待感
米国株式市場は振れの激しい展開に。与野党がまもなく予算や債務上限引き上げで合意するとの見方が広がった。
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アングル:米で「州分離運動」じわり拡大
独最大野党、最低賃金の導入を主張


03. 2013年10月15日 22:44:01 : niiL5nr8dQ
2013年 10月 08日 21:29 JST
ギリシャ救済の議論、過去の亀裂が尾を引く

 国際通貨基金(IMF)は、2010年にギリシャに対してIMF史上最大の救済措置を決めたが、公式声明とは裏腹に、救済効果があるかどうかについてIMF内では意見が大きく分かれていたことが、部外秘資料から明らかになった。

 IMFは現在、新たな難しい協議のなかで欧州各国政府に対し、ギリシャに対する債権を一部放棄するよう促している。こうした状況でIMF内の新たな亀裂が示された。債権を放棄するという考えは、ドイツや他の欧州諸国の納税者が負担することになるので不評だ。だが、IMFは現在、今後の支援はギリシャの債務負担の大幅な削減を条件としているので、債権放棄の見込みはある。

 今週ワシントンで、IMFの年次総会に世界各国の財務相らが集まるが、この話題が議題の中心になるだろう。

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Agence France Presse/Getty Images
議会の前で政府の緊縮策に抗議する人々(アテネ、10年)
 ギリシャの債務負担削減を求めるIMFの判断は、一部のIMF高官らによると、大いにもめた10年5月9日のIMF理事会において最初の救済措置をどのように承認したかに対する苦い思いが残っていることが一因だ。ウォール・ストリート・ジャーナルが確認した当時の判断に関する「部外秘」あるいは「極秘」と印のある書類から、急速に拡大する金融危機を回避するために奮闘したIMF内部の様子が珍しく垣間見られた。

 内部の記録によると、非欧州諸国40カ国以上を代表する3分の1近くの理事が、この理事会で立案した救済措置に強く反対した。ギリシャに対して痛みを伴う調整負担のすべてを負わせ、欧州の債権者らには何も求めない、という点に多くが反対した。数人の理事は、ギリシャの債権者が財政に問題を抱えた同国で蓄積した債務負担の一部を減らさないかぎり、救済は失敗に終わるだろうと指摘した。

 アルゼンチンの当時のIMF常任理事だったパブロ・アンドレス・ペレイラ氏は10年の理事会で「自発的債務再編の代替案を議題にすべきだった」と発言した。IMFはギリシャの債務不履行(デフォルト)を単に「先送りし、おそらく避けられなくなるほど悪化させている」恐れがあると述べた。

 理事会議事録によると、あと38カ国を代表するブラジル、ロシア、カナダ、オーストラリアの理事は、救済措置の「計り知れない危険性」に懸念を示した。ブラジルの常任理事はこの救済策は「準備不十分で最終的に維持不能」となる可能性があるか、あるいは単に「主に欧州金融機関からなるギリシャの民間部門債権保有者の救済」に終わる恐れがあると警告した。

 米国と欧州理事の大半は、IMF理事会の議決権の半数以上を代表しているため、ギリシャ政府に対して痛みを伴う歳出削減と増税の実施を求めた救済措置の承認を勝ち取ることができた。この措置には、債務の元本免除や金利引き下げ、返済を容易にするための支払い期限の延長などの債務再編は含まれなかった。ギリシャ債を保有する主に欧州の銀行が、債務再編で損失を被らないようにしたのだ。

 理事会で反対したIMF理事やIMF職員の一部は、欧州の大国の利益がギリシャの利益に優先されたと受け止めた。ギリシャ経済は09年以降、5分の1に縮小し、失業率は28%近くに達している。IMFの現職高官やかつての関係者によると、債務再編を欧州各国と交渉する今日のIMFの姿勢は、こうした背景から生まれた。

 10年の理事会に出席した関係者の一人はいま、「ギリシャ救済は、ギリシャのための措置ではなく、ユーロ圏自体のためのものだった」と言う。

 10年の資料によると、数人のIMF理事は当初から職員の景気見通しにはかなり懐疑的で、祖の見通しを「かなり楽観的」とか「あまりにも穏やか」、さらには「極めて楽観的見方」とさえ評価した。

 あるIMF報道官は、ギリシャでは経済改革を実行したので、IMFとしては引き続き回復を予想していると述べた。「ただし、われわれは以前よりも控え目になっている。ギリシャが成長を回復するには時間がさらにかかることを確かに認識している」と語った。

 これら部外秘の資料で、IMF史上最大の救済に関する物語の数々の重要な側面が書き換えられた。

 例えば、2010年5月の理事会後、当時のストラスカーンIMF専務理事は記者団に対し、国際通貨基金(IMF)としては救済措置が機能することを「疑っていない」と語った。だがその背後では、理事会議事録や職員の説明、理事会前後数日に伝えられた理事メンバーの発言によると、非欧州諸国の理事の大多数が救済計画に対して深刻な疑いを表明し、怒りさえ示した。

 インドの当時IMF理事だったアルビンド・ビルマニ氏は理事会で、ギリシャに求めた財政縮小の規模は、「(ギリシャ)経済がほとんど負担できないほど巨大な負担」になるだろうと述べた。同氏は、IMFが期待した財政縮小の影響で救済措置が失敗し、ギリシャが債務不履行に陥る原因になるのではないかと疑問を投げかけた。

 この記事に関してストラスカーン氏と連絡をとることはできなかった。だがIMFはその後、いくつかの失敗を認めた。後知恵ではあるが、今年6月の報告書でIMFは、救済措置が土台とした財政見通しがあまりに楽観的すぎたと述べた。

 IMF高官らは常に、10年に救済措置を承認した当時、ギリシャに債務再編する必要があるとは思わなかったという姿勢を維持してきた。

 ラガルドIMF専務理事は6月のインタビューで、「10年5月の時点で、われわれはギリシャには救済が必要だが、債務再編が求められるとは思わなかった」と述べ、「経済情勢全般がこれほど急速に悪化する手掛かりがなかった」と語った。

 あるIMF報道官は、11年初頭までにギリシャの債務が維持不能だと言うことが明らかになると、IMFはギリシャの債務再編を支持するようになったと述べた。

 だが、IMFの資料では、当初からギリシャの債務を一部減免する必要について議論が白熱したことが明らかになった。10年5月の理事会で、中東やアジア、中南米諸国の理事らは繰り返し、どうして債務減免の選択肢を提示しないのか質問した。

 議事録では、スイスが「断固として」反対に回ると欧州の理事らが「驚いた」ことが示された。スイスのレネ・ウェーバー常任理事は当時、「債務再編と救済措置に民間部門が関わることが、なぜ検討されていないのか」と疑問を投げかけた。

 IMFは現在、10年にはギリシャの金融危機が他の国々に拡大する危険性があまりに高かったので、債務再編は実行可能でなかったにすぎないとしている。

 債務の大半はすでにぜい弱なフランスとドイツの銀行が保有していたので、欧州諸国は債務再編を検討しようとしなかった。そして米国は、欧州の銀行に対する米国からの数兆ドルにおよぶ投融資を心配した。

 当時フランスの財務相だったラガルド氏は、ギリシャに大量な資金を貸していたフランスの銀行が損失を被ること、何とか回避しようとした。当時、フランス大統領候補になりかけていたストラスカーン氏は、IMF理事会の前に欧州からの反対に会い、問題を追及する一時的な努力を手控えた。

 13年6月のIMF職員による報告書では、最初のギリシャ救済には「重大な失敗」があったことを認めたが、IMFは全体に正しい政策に従っていると結論づけた。「直接的な債務再編がギリシャにとっては良かったが、それはユーロ圏同盟国には受け入れられなかった」と述べた。そして、「措置は引き延ばし策になり」、「民間債権者は投融資を減らす」ことができたが、「納税者と公的部門が難しい立場に残された」と振り返った。

 こうした結果を、数人のIMF理事は3年も前に警告していた。ブラジルのパウロ・ノゲイラ・バチスタ常任理事は10年5月の会合で、この措置は「痛みを伴うような調整を進める必要があり、ギリシャの救済とはみられないが、ギリシャの民間債権保有者の救済とみなされるかもしれない」と述べた。

 こうした疑いは最終的に正しかった。ギリシャは財政目標を達成できず、12年に2回目の救済が必要となった。残された民間債権者らは、過去最大の債務再編の一環として債務減免を受け入れた。

 ギリシャ経済が崩壊したため、同国の債務はその後膨れあがり、ユーロ圏各国政府はいまや、3回目の救済という見通しに直面せざるを得なくなっている。今回も、ギリシャにたいする債権を一部放棄することになるだろう。


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