http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/190.html
Tweet |
自由の女神も閉鎖……どころじゃない! Photo:EPA=Jiji
米政府機関閉鎖 これ以上長引けば金融ハルマゲドン
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3208
週刊文春 2013年10月17日号
10月3日夜、ワシントンDC周辺に住む日系人社会では落胆の声が相次いでいた。日系米国人と日本とのつながりを強化する非営利団体「日米評議会」が年次総会の開幕パーティを準備していたのだが、直前に中止が決まったからだ。
原因は、1日から始まった米連邦政府の一部閉鎖。パーティを開くはずだった上院のラッセル議員会館は関係者が夜通しで交渉する物々しい雰囲気に包まれており、会場や給仕などを担当する職員を割けなくなってしまった。
政府機関閉鎖による混乱は、米国社会全体に拡がっている。警察、医療、航空管制といった国民の安全を支える機関を除き、最大で全体の4割に相当する80万人ほどの連邦職員が一時帰休する。例えば、米労働省では失業率といった大切な経済指標を公表できなくなってしまい、金融政策の方向性を変えようとしている米連邦準備制度理事会の政策判断が滞ってしまった。
政府閉鎖は消費などの経済活動を鈍化させる。ワシントンDCではスミソニアン博物館、ニューヨークでは自由の女神像が一時閉鎖となった。政府閉鎖が1カ月続いた場合、10〜12月期の経済成長が1.2〜1.5%ほど押し下げられるという。
政府機能が麻痺したのは、「オバマケア」と呼ばれる国民皆保険を核とする医療保険制度改革に対して、共和党が過半数を握る下院が反対したため。2014会計年度が始まる10月1日までに予算が組めなくなった。
だが、本当の山場はこれからだ。連邦債務が10月半ばに法定上限を超え、「世界で最も安全性が高い」とされる米国債が債務不履行(デフォルト)に陥る可能性が視野に入ってきた。
無節操な国債発行と財政赤字拡大に歯止めをかけるため、米国では法律で政府債務に上限を付けている。それを逆手に取った下院共和党が、債務上限の引き上げの条件としてオバマケアを含めた歳出の見直しを求めている構図だ。
基軸通貨たる米ドルの投資先であり、金融機関が取引する際の担保である米国債は、世界金融システムの基盤。米国債の債務不履行は信用恐慌という「金融ハルマゲドン」を招く。もしそうなれば、08年のリーマン・ショックどころではない。
文松浦 肇 (産経新聞ニューヨーク駐在編集委員)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。