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2013/10/11 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
日銀の黒田総裁が就任して半年が過ぎた。果たして、異次元の緩和はどんな効果をもたらしたのか――。そんな黒田日銀の検証報道を目にする機会も増えている。
日銀内部では「2年で2%プラス」という物価目標に向かって、「シナリオ通りに進んでいる」という見方が大勢のようだ。就任当初の4月は消費者物価指数が前年同月比で0・4%のマイナスだった。それが5月に0・0%となり、6月は0・4%のプラス、7月は0・7%のプラスと順調に伸びてきた。直近の8月は0・8%のプラスだ。これを受けて、「年内にも1%超えを達成できる」との楽観的な見通しが支配的らしい。
だが、たとえ数字上はシナリオ通りだとしても、中身を見ると全然ダメだ。基本的な物価上昇の構図とまるで違うのである。
今の物価上昇は、輸入価格の上昇に伴うインフレだ。円安になって食料品や原油、日用品が一斉に値上げしているのが大きい。小麦や食用油、乳製品に加え、物価の優等生といわれる卵までジリジリと高くなっている。電気料金もアップしているし、海外パック旅行や日本酒もそうだ。どれも実需が伴う上昇ではない。需要が増えて供給が追いつかなくなった結果、値段が上がるという理想的な姿には程遠いのだ。
円安要因を除けば、依然として物価は底をはっているような状況では、いつまでたってもデフレ脱却はできない。実需を掘り起こし、需給関係で物価が上がるような構図にならなければ、いかに2%の目標が達成できたとしても、「シナリオ通り」と胸を張れないだろう。やはり暮らしの糧である給与が増えなければ、どうしようもない。
しかも、日銀が異次元だ何だとやっている間に、世界は不穏な空気に包まれた。米国が債務不履行となるタイムリミットまで1週間。オバマ大統領と共和党指導部が折り合って、連邦債務の上限を引き上げられなければ、地球規模の大混乱となる。米国債は暴落し長期金利は上昇、米国から逃げ出したマネーは一気呵成に円に向かう公算も大だ。そうなれば、円安頼みの物価上昇さえ不可能となる。空虚な数字を眺めて喜んでいられるような状況ではないのだ。
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