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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131009/dms1310091811017-n1.htm
2013.10.09
頭取は知っていた。みずほ銀行が暴力団への融資を放置した問題で、グループのトップ就任直後の2011年7月以降、出席した取締役会などで資料により報告を受けていたことを明らかにした佐藤康博頭取(61)。同行が問題を把握した当時の西堀利(にしぼり・さとる)頭取と塚本隆史前頭取の歴代頭取にも報告されていた。この事実を金融庁検査で伝えず、組織的に問題を先送りし隠蔽していたとなれば、事態は極めて悪質だ。前身の銀行が反社会的勢力への利益供与で大打撃を受けながら、懲りないみずほ。佐藤氏ら首脳の総退陣に波及する可能性も出てきた。
「関係者に心配をお掛けし、深くおわび申し上げます」。佐藤頭取は8日の記者会見冒頭、20秒以上深々と頭を下げた。ただ、今回の問題は土下座しても済まないほど深刻だ。
みずほ銀はグループの信販会社、オリエントコーポレーション(オリコ)を通じて暴力団らに融資していた。当時の西堀頭取はオリコを傘下に入れる直前の10年7月にはオリコとの提携ローンの問題点を認識していた。その後の取締役会などで佐藤頭取らにも報告されていた。
みずほはこれまで金融庁に「担当役員止まりだった」と説明、4日に会見した副頭取も「頭取は知らなかった」と話していたが、まったくの虚偽だったことになる。
金融庁は怒り心頭だ。「自分たちで調べて提出するべきだった。ずさんすぎる」。金融庁幹部は8日夕、一連の資料に関して佐藤頭取が「提出を求められなかった」と説明したことに鋭く反応した。別の幹部は「当時のトップも知っていたとなると、話が違ってくる」と語気を強める。
銀行を健全に保つのが目的の金融庁検査で資料を意図的に隠すことは銀行法の「検査忌避」に当たり、最も重い処分の対象となる。佐藤頭取は会見で「初歩的なミス」と軽く釈明したが、金融庁が処分を発表した後に新たな資料が見つかるのは極めて異例の事態だ。
旧東京三菱銀行との合併に追い込まれた旧UFJ銀行は03年に行われた金融庁検査の際、融資先の経営状況を調べた資料が入った大量の段ボール箱を行内の別の部屋に隠していた。金融庁は当時の副頭取ら幹部を銀行法違反の疑いで刑事告発し、幹部3人には有罪判決が確定した。
企業法務に詳しい牛島信弁護士は、「仮に金融庁検査で意図的に事実を伝えなかったとしたら、メガバンクとしての責任は重い。問題発覚時に会見を開かず、その後2回の会見でより悪質性が高い事実を明らかにした点からみると、みずほにコンプライアンス意識が育っておらず、内部が混乱しているのではないかと思われる」と話す。
問題の原点である反社会的勢力との関係についての罪も重大だ。
みずほの前身の旧第一勧業銀行が総会屋グループの代表に総額100億円を超す融資をしていたことが1997年に発覚し、元会長が自殺する悲劇を招いた。
もう一つの前身、旧富士銀行では91年、赤坂支店を舞台に総額約7000億円もの巨額不正融資事件が発覚した。融資先には、蔵相秘書や暴力団なども登場し、国会でも連日追及された。
当時、月刊文藝春秋や週刊ポストなどで、同事件に関するスクープ記事を連発し続けたジャーナリストの加賀孝英氏は「当時も今も、銀行の体質は変わっていない」といい、こう続けた。
「赤坂支店の事件は、金もうけのためには手段を選ばないという銀行の体質が引き起こした。政治家でも、暴力団でも金になれば許された。事件は一行員である渉外課長の犯罪とされているが、実は、本店幹部も加担していた。それどころか、本店幹部のミスを尻拭いする過程で深みにはまっていった。テレビドラマ『半沢直樹』ならば幹部の不正に一行員が立ち向かうが、現実の銀行では幹部の尻拭いは出世のチャンスのため、逆らう人間はいない。多くの幹部も実態を知っていたが、最終的に一行員にすべてを背負わせた」
今回の暴力団融資についても、こう語る。
「銀行はあれだけ『反社会的勢力との付き合いは認められない』といい、少しでも暴力団と関係があれば企業への融資を打ち切ってきた。それで、いくつもの企業が倒産してきた。問題融資を把握した後、取締役会などで資料が配られ、当時の頭取以下、役員が実態を知る立場にあった。これではトボけることはできない。役員全員が退任すべきだろう」
東大経済学部卒、旧日本興業銀行出身というエリート街道を歩んできた佐藤頭取に、いまこそ身の処し方が問われている。
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