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(1)貸借対照表
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131008/ecn1310080719000-n1.htm
2013.10.08 図解で分かる「決算書」の仕組み
本日は2大航空会社の全日空(ANA)と日本航空(JAL)をピックアップする。両社の2013年4月〜6月期(第1四半期)の決算書を比較しながら、航空業界の実態を読み解いてみよう。
まず、貸借対照表=〔1〕=を見ると、資産規模はANAがJALをはるかに上回っているのが分かる。しかし、資産全体に占める純資産の比率はJALの方が上である。そのため、経営の安全性という観点ではJALの方が優れている。
JALは会社更生法の適用を受け、公的資金の注入や、取引銀行による債務免除のおかげで、有利子負債を大幅に圧縮した。その結果が如実に貸借対照表に表れている。
次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。ANAはこの第1四半期で、JALを上回る売上高を稼いだものの、営業赤字に転落してしまった。円安による燃油費の負担が増えたことや、ボーイング787型機の運航停止などによる影響が大きかった。
同一業界のJALにも同様のネガティブ要素があったはずであるが、JALは黒字を確保することができた。ANAとJALの明暗を分けたものは何か?
もちろんJALの自助努力という側面もあるだろうが、やはり、会社更生法適用による恩恵が大きいのではないかと思われる。JALは、有利子負債の削減により金利負担が大幅に減っただけでなく、航空機の資産価値を一気に引き下げたことで、将来負担すべき減価償却費を減らすことができたことが大きい。
JALが再上場したことは、日本経済にとって喜ばしいことであるものの、「公正な競争環境のゆがみ」という副作用が生じてしまった。
結果として不利な立場に立たされたANAは、いかにして巻き返しを図るのか。今後も厳しい戦いは続きそうである。(川口宏之)
■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。
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